第11話 ダンジョン研修当日


金曜日、ダンジョン研修当日。


ミロクがダンジョン研修のしおりを熟読してたのが不安だが、カメラをこっそり起動して、家を出た。


学校近くのE級ダンジョンに集合。E級ダンジョンは別名初心者ダンジョンと呼ばれていて、1~5階層しかない。


出てくるモンスターも、ダンジョンによるけどオークくらいまで。だからオークは初心者卒業の最初の壁とされている。


だから皆、緊張はあるけどそこまで不安そうじゃない。


このE級ダンジョンは1階のみの平原タイプで薬草がとれるから残されているのだ。


基本的にダンジョンは有用性がなければ潰すのを推奨してる。改札って呼ばれてる扉もタダじゃないし、あれは結構高いらしい。


というわけで、サクッと中に入って名簿順に5人組作ってモンスター探してる。


学生護衛の探索者は念のために配信してるが、イレギュラーがあったときのためなので配信先はギルドのみ。後でデータをもらえるらしいけど、親が思い出に欲しいってのが理由らしい。


ミロクに見せるために僕ももらう予定。


「次神木の番だぞー」


「あ、はーい!」


僕のチームはサクサクとモンスターを見つけて、どうやら今度は僕の番らしい。全然見てなかった。


「………この辺には居ないな、移動したほうがいい」


護衛さんの助言に従って移動すると、何やら別の場所で悲鳴が上がった。


「っ!まずい!全員固まって!入り口に戻れ!」


護衛さんが慌てた様子で指示を出し、僕たちもそれに従って走り出した。


「何が起こったんすか!?」


「イレギュラーだ!オークが出たらしい!」


「倒せないんですか!?」


「今日来てる奴らは全員オーク程度は倒せるが、君たちを護衛しながらでは無理だ!」


確かに!オークのソロ討伐は出来ても守りながらじゃ難易度上がるな!


入り口に戻る途中で他のチームと合流したが、少し後ろにオークの姿も見えた。


「っ!?」


オーク見てたら転んだぁぁっ!?



「いってぇ……」


あ、弓でオークの気を引いてる人が俺に気が付いた。


「早よ立たんかいっ!」


「すみません!足挫きました!」



はい。右足ひねりました。


「くそっ!誰かもう1人こっち来い!」



他の護衛を呼んだんだろう。お世話かけます。


「うにゃぁぁぁっ!」


え?


何か白い影が通り抜けて行ったと思ったら、聞き覚えのある鳴き声と共にオークの頭がとんだ。


「は?」


「えぇ?」


スタッと着地して、塵になったオークを見てふんすっと鼻息吐いたのは、見覚えありすぎる白猫。



「ミロクゥゥッ!?」


「猫やとぉぉっ!?」



弓の人もオークを倒したのが猫で驚いてる。いや驚くよね?


「にゃっ!にゃにゃ!にゃにゃにゃ!」



驚く僕たちはお構い無しに、ミロクは僕の前にやって来て、前足をタシタシしながら………たぶん説教を始めた。


「………君の猫やんな?」


「はい」


「にゃ!」


弓の人の質問に答えたら、聞いてんのか!って猫パンチされた。地味に痛い。


「ミロク、僕足ひねったの。だから動けなかったんだよ?」


「…にゃあ!?」


ミロクは早く言えよ!って感じで、何処から出したのか緑色の小さなペットボトルと、水とコップを僕に渡してきた。


「ナニコレ?何処から出したの?」


「ポーション原液!?てかストレージ持ち!?猫なのに!?」


ポーション原液?ストレージ?


よくわかんないが、ミロクがなんだコイツって目で弓の人を見てる。


………というか、救援頼まれた他の人まだかなぁ?

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