第89話 冒険者研修

 突然、政府からの召集をくらった『アキラちゃんねる』の2人。


「どういうことなんだろう……まさか、家にダンジョンがあるのがバレた!?」

 突然の出来事に怯えるアキラ。


「……いえ、今SNSで調べてみたんですけど、結構大勢の冒険者が声をかけられてるみたいですね。

 それこそ、私たちよりも弱小の冒険者や配信者も」

 花子は冷静に冒険者研修のことを調べる。

 SNS上は冒険者研修というワードがあふれていた。


「あ! 私のアカウントにもメッセージが届いてますわ!」

 まどかにも同じ招集メールが。


「まどかちゃんも呼ばれているのか。どうしよう? 参加は強制って訳じゃないんだろうけど……」

「うーん……とりあえず行ってみましょうか? 他の冒険者も来るみたいだし、情報収集もできるんじゃないですか?」

「そっか……俺、嫌いなんだよなぁ研修とか」


 3人は2週間後に迫った冒険者研修に参加することにした。メッセージには、いつも使っている武器や防具、アイテムも持ってくるようとに書かれている。


「でも……突然、冒険者研修なんてどうしたんでしょうね? 最近噂になってるダンジョン省というが関係しているのでしょうか?」

 まどかは不思議そうに言う。


「確かにタイミング的にはありえそうね……」


「あっ! そういえば……俺とまどかちゃんはヘルメットをつけていてもいいのかな!?」

「んー、大丈夫じゃないですか? 有名な配信者でも仮面だったり、サングラスで顔を隠してる人はいますからね。その人たちもきっと研修では顔を隠してますよ」

「そうだよね……よかった」

 ホッとするアキラとまどか。


「まぁ私たちはやる事は同じです! レアアイテムをゲットして強くなって、配信をする! とりあえず2週間は全力でそれをやりましょう!」


 それからの2週間、3人は今までと同じようにひたすらダンジョンにこもり続けた。

 ダンジョンのレベルを更に上げ、今やレベル30のダンジョンをクリアするまでになった。

 レアアイテムもいくつかゲットし、万全の状態で冒険者研修の日を迎えた。


 ◇


「ここから会場かぁ。立派なところだね」

 都心のど真ん中の大きなホール。さすが政府主催のイベントだ。


 冒険者研修は、今日全国10カ所ほどで同時に開催されるようだ。

 アキラたちの地域の開催場所はこのホールだった。


「……なんか、周りの人たち、怖そうな人ばっかりですわね」

「そうね。この辺の人はみんな研修に呼ばれてる冒険者や配信者なんじゃないかしら?」


 明らかに一般人とは違う雰囲気を纏った者たちがホール周辺に集まっている。

 持っている長い荷物は剣や槍などの武器なのだろう。


「ビ、ビビっちゃだめよ! まどかちゃん!

 今から威圧されてたら、研修で勝てないわよ!」


「勝つって……花子さん、研修だよ? 戦うわけじゃないんだから……」


「わからないですよ? わざわざ案内には武器やアイテムも持って来いなんて書かれてたんですから!」


 冒険者たちはゾロゾロとホールへ入っていく。



★読者様へ★

お読みいただきありがとうございます。

たくさんのフォロー、評価、励みになります!

少しでも続きが気になる! 面白い!と思って頂けたら評価★★★頂けますと嬉しいです(^^)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る