第83話 レア度★★★★★
「さあ! いよいよ、私たちもダンジョンのレベルを上げましょうか」
張り切る花子。まだレアアイテムを取れていない彼女は焦っていた。
「そうだね。今まではレベル15までだったから…… 18レベルくらいに行ってみようか? 様子を見ながら少しずつ上げていこう」
「そうですよね! 私たちの装備ならもっと上のダンジョンだって大丈夫なはずですわ」
3人は新しく購入した能力アップアイテムを装備し、レベル18のダンジョンへと入っていく。
初めて踏み入れるレベル18のダンジョン。
前回までのレベル15のダンジョンより、モンスターは少し強くなっているようだ。
3人で陣形を組みながらダンジョンを進んでいく。
襲いかかるモンスターをアキラとまどかは斬り、花子は炎魔法で倒していく。
「私たちレベル18でも全然通用しますわね!」
まどかは嬉しそうに言う。
楽勝に見える3人だが、アキラと花子の2人だけだったらこうも簡単にはいっていないだろう。
この3人でレアアイテム獲得のため、数百回ダンジョン冒険をし、知らず知らずのうちにチームワークに磨きがかかっていた。
「ああ! このまま一気にいこう!」
レベル18のダンジョンは3人で1時間ほどかかる。
レア度★★★★☆のアイテムを使いこなせれば、もっと早くクリアできるのだが、今の3人にはこれが限界だった。
丸一日、ぶっ通しでレベル18のダンジョンをクリアし、パスを続け、10回目のダンジョンガチャが現れた。
残念ながらレインボーガチャが出現しなかったが、通常のガチャでも、もちろんレアアイテムを出現する。
「よし! じゃあ花子さん、引いてくれ!」
「頑張ってください。花子姉さん!」
まだレアアイテムを引けていない花子にガチャを譲る2人。
「ありがとうございます。じゃあいきます……」
いい加減に自分もレアアイテムを引きたい! 花子はそう思い、ガチャに近づく。
『プチュン!』
その時、まるで電源を落としたかのようにダンジョン内が真っ暗になる。
「え!? なに!? 停電!?」
「キャーッ! 怖いですわッ!」
もちろん、ここは異世界のダンジョン。停電ということはない。
真っ暗闇に戸惑う3人。数秒後、ガチャが金色に光り始める。
「ど、どういうこと……!?」
「レインボーガチャとは違うけど……これもレアアイテム確定のガチャってことじゃないかな……?
花子さん……回してみて!」
「は、はい……」
今まで何度か見てきたレインボーガチャとは違うが、どう見てもレアアイテムが出てきそうな雰囲気のガチャだ。
やっと自分もレア度★★★★☆のアイテムを引くことができそうだ。花子は期待を胸にガチャを回す。
『ガチャ!』
『炎帝のブレスレット レア度★★★★★』
「……え?」
予想外のレアアイテムに固まる花子だった。
★読者様へ★
お読みいただきありがとうございます。
たくさんのフォロー、評価、励みになります!
少しでも続きが気になる! 面白い!と思って頂けたら評価★★★頂けますと嬉しいです(^^)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます