第41話 まどか襲来

 買い物を終えた2人の装備はこうだ。




 アキラ


『鋼の剣 レア度★★☆☆☆』


『黒のヘルメット レア度★★☆☆☆』


『銀の盾 レア度★★★☆☆』




 花子


『電気銃 企業案件の市販品』


『防御の指輪 レア度★★★☆☆』


『スピードの指輪 レア度★★☆☆☆』




「ガッハッハ、これでレベル20くらいまでは死なずに戦えるんじゃねぇかな?」




「店長……ありがとうございました! おかげで良い装備を揃えられました」


「……フン、ありがとうございました。また来ます……」


 店長に頭を下げる2人。




「おう、また来い! 無理はすんなよ」


 店を去る2人手に振る店長。




 はじめはどうなることかと思った買い物だったが、予算内で最高のアイテムを揃えることができた。




 ◇




「いやぁー! いい買い物できたね」




「はい! さっそく今夜からこのアイテムを使って配信しましょうね!


 ふふ、『スピードの指輪』どれくらい速いんでしょうか……?」




 2人は新しいオモチャを買ってもらった子供のように、ウキウキで帰路につく。




「それにしても、はじめは怖そうな店長だったけど、いい人だったなぁ……」




「まあ……そうですね。でも、水着で配信しろと言われたことは忘れませんがッ!」


 花子は拳を握りしめる。




「はは……」


(しかし、水着ってのはなかなか良いアイデアかも知れないな……登録者すごいことになるぞ!?)




 アキラの脳裏に浮かぶ水着姿の花子。その時。




「うっ!」


 アキラは鼻血を吹き出す。




「ちょっとアキラさん! 大丈夫ですか!?」




「だ、大丈夫……気にしないで……」


 童貞のアキラに刺激が強すぎたようだ。




「最近おかしいですよ……? 昨日、お隣に荷物を届けた時も血まみれで帰ってきてましたし……」


 理由を知らない花子は本気で心配する。




「本当に大丈夫なんだ……忘れてくれ……」


 理由なんか言えるわけないだろ! アキラはそう思った。




 ◇




 今日も血まみれで帰宅するアキラ。


 自宅前に着いた時、




「あら? 誰かいますよ?」


 花子が言う。




「ん? ッ!! き……君は……!!」




 家の前には菓子折りの袋を持った、1人の美少女が立っていた。


 その美少女を見たアキラは戦慄した……




「あ……な、なにか用……?」




「昨日はありがとうございました……九いちじくさん……」




 美少女は隣人の円山さんのお嬢さん。


 彼女が『まどかチャンネル』のまどかということをアキラは知らない。


 しかし、彼女は『アキラちゃんねる』の秘密を……アキラの部屋のダンジョンのことも知っている。




「昨日のお礼がしたくて……お邪魔してもいいでしょうか?」


 ご丁寧に菓子折りを持って、不敵に笑うまどか。




「お、お礼なんて……そんな……」


 全身から汗が吹き出し、震えるアキラ。




「あらあら……今日も九いちじくさんは血まみれなんですわね……この変態が!」


 まどかはアキラを睨みつける。




「ヒ……ヒィィッ!」


(おわった……俺は……児童ナントカ法で訴えられるのか……?)




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