⑨

 二日間の休みを終え、ウーラオリオギリュシア支部は本日もまた、通常営業へと戻っていた。今日もまた、店にはお客さんが来店してくれて、嬉しい事この上ない。


「ふう、この休め明けだからか、今日もまた一段とお客さんが多いな」


 店の奥で魔道具の在庫の確認をしていた俺の元へ、接客を終えたナベリウスに声を掛けられる。


「お疲れ様。そっちは大丈夫そうか?」

「ああ、とりあえずは落ち着いたから、バアルの方を手伝いに来た」

「助かる」


 二人で在庫を調べていく。これの管理もそろそろ効率良く出来ないか考えるか。そうだ、このギルドであった事をナベリウスにも共有しておかないと。


「ナベリウス、実はな……」


 アウロラさんとの会話をナベリウスに話す。


「ほう、ギルドの職員がこの店に。そのギルド職員は、大丈夫なのか?」

「問題はないよ。この店を出す事になった時からお世話になっている人だから、店の内情はある程度知っているし、それにギルドに人の応対はしているから、むしろ即戦力って感じかな」

「そうか、バアルがそう言うのであれば大丈夫か」

「そういうわけだから、近い内に店を空ける事になるけど、頼むな」

「マキュリーも居るから、それは構わんが、頼むと言う相手が俺でいいのか?」

「うん。だって、この店で安心して任せられるのは二人だけだから」


 その二人とは言わずもがなだが。


 しかし、アウロラさんがこの店に来てくれれば、盤石なのでは? でも、アウロラさんは期間が決まっているから、少しの間だけだけど、下手をすれば俺なんかよりも仕事が出来る人だから、むしろ、安心して行けるのではないか?


「任されたからには、精一杯応えるとしよう。バアルも、しっかりと成功させてこい」

「ああ」


 さっそく、ジュラさんには手紙を出した。準備が出来たら、そちらへと向かう旨を伝える内容だ。そして、アウロラさんがウーラオリオギリュシア支部に手伝に来る日が決定した。


「今回、臨時でこちらのお手伝いをさせていただく、アウロラと申します。よろしくお願いします」


 開店前の店内で、アウロラさんがウーラオリオの制服を着て、挨拶をすると、お辞儀をする。俺達もよろしくお願いしますの挨拶とともに、アウロラさんを受け入れる。


 というか、アウロラさんがウーラオリオギリュシア支部に来るのが予想以上には早い事に俺は驚いている。だって、こっちに来る話をしてのが、この前で、引継ぎとかがあるからって言っていたから、もう少し掛かるかと思ったのに、まさかこんなに

早く来てくれるだなんて、本当に仕事が早い。


「それじゃあ、店の中は案内します。マキュリー」

「はい」

「悪いが、お願いしてもいいか?」

「任せてください!」


 快く了承してくれる。マキュリーなら、この店の事を知り尽くしているし、何より、安心して任せられる。


「よろしくお願いしますね、マキュリー先輩」

「先輩……はい、任せてください、アウロラさん!」


 もう、マキュリーの心を掴むとは、流石だ。アウロラさんへの説明はマキュリーに任せるとしよう。


「それじゃあ、開店準備をするか」

「おおー」


 なんとも覇気の無い返事が返ってくるが、それぞれが散っていく。今日も今日とて頑張っていきまましょう。

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