百円ショップ
学校帰りに百円ショップへと寄る。友達に沙織がペンを買いたいっていうから、私も付き添うことになったのだ。
駅前ビルに行けば百円ショップがある。百円ショップが何種類もそろっているのだ。だから、駅前に来ればなんでも揃う。高校の最寄り駅はとても良い駅なのかもしれない。
今日は、そのうちの一つの赤い看板の百円ショップに行くことになった。
店に入ると、飛び込んで来るのは季節商品。今のシーズンだと、クリスマスの商品が陳列されている。サンタの恰好をした商品やら、クリスマスツリー型の商品、トナカイの顔の着いた商品などが並んでいる。
「ああっ! これ可愛いよ! サンタさんのクッキー型、今だけしか売っていないんじゃない? 可愛いー!」
「本当だ。こっちにも違う種類があるよ。百円ショップって楽しいよね」
可愛い商品が多いから、ついつい目的と違うものを買ってしまう。カゴを取ると、クッキー型を二つ入れた。沙織の顔を見ると、ニコニコと笑いながら頷いていた。
「買うのは良いけど、今日の目的はこれじゃないからね。ペンを買いたいんだよ。文房具のところに行こう!」
「そうだよね。これはオマケっていうことで」
買う予定の無い商品も見つけられるところが百円ショップの良い所だったりする。ついつい買い過ぎてしまうところがあるけれども、それも百円ショップの魅力だと思う。
私と沙織は、文房具の並ぶ棚へと向かった。道の途中で、沙織は何かを思い出したかのように止まると、その場所にある棚を見出した。
「ちょっと待ってね、裕子! 私、除菌シート欲しかったんだった。ついでに買わせて」
「いいよー。私も買っていこうかな? 薬局で買うよりも安いから良いよね」
色んな商品を見ていると、必要な物も思い出したりする。それも百円ショップの良い所。
文房具の棚を目指す道で、沙織は何度か止まって商品を見て、必要なものをカゴへと入れていった。
「沙織、意外といっぱい買うね。ペン以外にも欲しい物多かったんじゃない?」
「商品見てると思い出しちゃうんだよね。いっぱい買っちゃうけど、必要だし。安いから良いか!」
そう言いながら、文房具売り場に着くと、沙織はペンを見出した。
しばらく見ると、目移りしたのかペン以外の文房具も一緒に見出した。
「付箋とかも足りなかったかも。というか、これ可愛くない?! 買っちゃおうかな!」
「可愛い、可愛い! 私、色違い買うよ。一緒に使おう?」
「うん!」
そんな風にしながら、沙織と百円ショップの買い物を楽しんだ。
ほどんどの商品が百円で買えちゃうからこそ、こんなにスイスイとカゴに入れちゃう。それは、百円以上の価値もあるって感じてしまう。
沙織も私と同じことを持っているようで、ニコニコとこちらを向くと口を開いた。
「百円ショップって楽しいよね。私、大好きなんだ!」
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