正月の準備

 私は姉とゴロゴロしながら、テレビを見ていた。

 やっているのは正月向けた特集の番組だった。


 正月といえば、おせちやお雑煮、初詣やお年玉など、楽しいことがたくさんある。

 あるのは知ってるけれども、それらの行事にはどんな意味があるのだろうか。

 私は正直、よく知らなかった。


「ねえ、おせちってなんで食べるの?」


 私は隣に座っていた姉に聞いた。

 姉は一つ上で、高校二年生。

 私は高校一年生。



「えっ? ‌おせちって一つ一つ意味があるの知らないの? ‌豪勢なもの。食べるってだけじゃないんだよ」


 姉は私を見て驚いた。


「ほらほら、勉強のためにテレビ見てみな? ‌おせちには、一年の幸せや縁起を願う意味が込められているんだよ。例えば、黒豆は健康、数の子は子孫繁栄、海老は長寿、栗きんとんは金運などなど。それぞれに意味があるんだよ」


「へえ、そうなんだ。知らなかった。じゃあ、お雑煮はどうなの?」


「お雑煮は、お餅を入れることで、家族の結束を強めるとか、お餅が丸いことで、円満を願うとか、そんな感じだって」


「なるほどね。じゃあ、初詣は?」


「初詣は、新しい年の始まりに、神様に感謝したり、願い事をしたりすることだって。おみくじやお守りも、神様のご加護を求めるものなんだって」


 姉はなんでも知ってるな。

 おせち料理以外も、知ってるんだね。


「お姉ちゃんなんでも知ってるね。じゃあさ、お年玉は?」


 姉は得意気に続けた。


「お年玉は、子供に対する大人の愛情や教育の一環だって。お金を使うことで、経済的な感覚や責任感を身につけるとか、そんなことだって」


「へえ、そうなんだ。そこの辺りは現実的なんだね」


「いやいや、私も今日初めて知ったんだよ。愛子がテレビ見始める前にやってた事だよ」


 姉は笑顔で言った。

 色々知ってるって思ったら、テレビで知ったのか。


 けど、正月の行事を詳しく知れて、正月の準備が楽しくなった。

 姉もそうだったようだった。


「ねえ、おせちを一緒に作ろうよ。お母さんを手伝ってあげようよ」


「いいね。おせちを作るのって、楽しそう。私たちも、一年の幸せや縁起を願おう!」


 姉も私も、急にお正月が待ち遠しくなった。

 うきうきで姉が続けてくる。


「うん。お雑煮も作ろうよ。お餅を焼くのって、好きだよね。私たちも、家族の結束を強めようよ」


「うんうん、そうしよう。初詣も行こうよ。神社って、きれいだよね。私たちも、神様に感謝したり、願い事をしたりしようよ」


「それは、年明けだけどね。いっぱいお手伝いして、年明けには、沢山お年玉ももらおうよ。お金って、嬉しいよね。私たちも、経済的な感覚や責任感を身につけようよね」


「うん、そうしよう。正月の準備っていいね。私大好きだよ」

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