第6話 私がカフェ店員になる前〜お仕事編
私がカフェで勤める前に経験した仕事はアルバイト含めても2つしかない。
1つは高校時代のアルバイト先の回転寿司屋。
高校三年間勤め上げたがなぜかあまり仕事上の記憶がない。
私のできなさを社員達が話し合ってるのを偶然盗み聞きしてしまったり、私だけ教えてもらえない仕事があったりとうっすら覚えてる記憶の中でも出来ないやつだった事は間違いない。
しかし当時バイト先に初めての彼氏ができ、ひたすら浮かれていた私は遅刻も欠勤もせず楽しく勤めていた。
あの頃のままのメンタルでいれたら生きやすいのに。悔やまれる。
2つ目は卒業してから勤めた地元の印刷会社のデザイン部門。
ここでは発達障害の本領発揮でとにかくミスをした。あげたらキリがないが日付文字間違え納期忘れは朝飯前。納得いかない仕事はいつまでも終わらず提出ができない。理不尽な叱責に怒りトイレに立て篭もる。社長と入口で鉢合わせ「お先にどうぞ」と言われたので先に進んだら後日呼び出されて常識がないと説教された。なぜ怒られてるのかもわからなかった。
出勤の1時間前には出社して掃除をする暗黙のルールがあったが、ほぼ守れなかった。でもこのルールのおかげで暗黙の出社時間には遅れるが定時には間に合っているので遅刻にならないという荒技を繰り出した。
なぜ時間通りに出勤できないかというと一度寝癖を指摘されてから出かける直前に髪が跳ねている箇所があると気になって出かけられないのだ。
この会社は最終的に倒産するのだが入社から倒産までクビになる事なく7年間勤め続けた。
この時も自分に障害があるとは思いもしなかった。この時は自分に負けず劣らず会社自体もなかなかヤバい会社だったからだ。
毎日誰かの怒号が響き、誰かしらが辞めていく。同期は早々にいなくなったので誰かと比較して苦しむ事はなかった。
残業中に酔っ払った営業から電話がかかってきて「俺の子供に見せたら気に入らないって言ってるから今から作り直して〜w」と理解不能にも程がある理由で終わらない仕事。
自分がおかしいのか周りがおかしいのか思考が停止していた。
会社側もどんどん若手社員が辞めてく中、こんなんでもいないよりはマシと考えたのか、怒鳴られ、物を投げつけられはすれどクビになる事はなかった。
暗黒の会社員時代だが実はこの会社には感謝している。デザインのスキルを身につけられたからだ。ミスは多いがデザインの仕事は楽しくその部分を認めてくれる人もいて、倒産した後も個人で細々と請け負っている。
偶然にもこの個人事業主として働くのが私の特性にあっていた。人生とはわからないものだ。
退社後は発達障害の症状に悩む事はぐっと減りストレスなく働いていたのだが…。
前置きが長くなってしまったが、カフェ店員を始めた事で発達障害と向き合わなければいけない時が遂にやってくる。
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