第5話 私がカフェ店員になる前〜成長編

私はといえばとにかくサボり癖が凄まじかった。保育園〜高校まで遅刻欠席は当たり前。ようやく出席しても気付いたら居眠りしてしまう。宿題等はわからないのだからできなくてしょうがないという考え。(そもそもプリント類をよくなくす、メモをとり忘れるので何が宿題だったかわからない)不登校という程ではないが毎朝同じ場所に通うという行動が苦痛でしかなかった。


運のいい事に虐められる事はなく(嫌われてはいたけど)見た目が芋くさい為不良グループに所属するわけでもない。いわゆる三軍のグループにも声もかけてもらえない。ただただ怠惰な気持ちの悪い生徒だったと思う。


当時、支援学級もあったがそちらに入る事はすすめられなかった。見た目にわかりやすい障害以外はないものとされていた。


それだけ適当な生活を送っておいて、なぜ私ばかり先生に怒られるのだろうと本気で考えていた。

遅刻や欠席等怒られて然るべき場面以外でも、とにかくよく怒られた。今思うと空気が読めず姿勢も悪く卑屈っぽい雰囲気の私は目についてしまうのだろう。


一方家庭ではというと私はほぼ怒られた事がなかった。母は私にはとにかく甘かった。

学校に行かない事は心配はされど叱られる事はなく、それに甘えて私はどんどん増長していった。

そんな状態の私にも母はよく褒めてくれた。

「つまめは可愛いね、凄いね、偉いね」

当時の私のどこに褒める要素があったのかわからないがとにかく褒めてくれた記憶が残っている。


発達障害故の自己肯定感の低さはあるが母の前では弱音を見せず立派な人間でありたいと今も潜在意識に根付いている。

母の教育方針が正しいかはわからない。

しかしこの後の人生で幾度となく自殺を考えた私にとって、唯一どんな自分も全肯定してくれる母の存在には何度も救われた。


この先子供を持つかは決めていない。でももしいたら私も母のようにどんな時も子供を認めてあげる存在になりたいと思っている。

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