第16話 風軍団2
「茂兄、確かに、風介兄貴は魔人さまだ。兄貴と一緒なら大日本の大将にでも、なれるかもしれねぇな」
「よし、どうやら俺たち風軍団が目指すべき道は、これで決まりだな。茂に圭、それに黒もだ、大日本の大将になろうぜ!」
今、大日本は各地に群雄が割拠する戦国時代のはずだ。茂曰く、今、俺達がいる居る甲非の国は、この甲付(こうふ)のつつじが崎に館を構える武田伸虎という大名が国を治めているようだ。
伸虎を中心に一族郎党強固な軍団を形成し、甲非の国では歯向かう者などいないという。
「茂よ、その伸虎ってヤツは何人位、家来がいるのか情報はあるのかい?」
「風兄、伸虎には約9千人の家来がいるという話を聞いていますが・・・・・」
「武士が9千人か、となると武士1人に従者3人を従えると、武田伸虎の軍は3万6千人の軍勢だな。なかなかの軍団だな」
「風兄、いくら兄貴が魔人さまでも、オラたち3人と黒介1匹で、3万6千人の軍勢相手は無理に決まってますだ」
「圭よ、お前、何考えてんだ。いくら風兄が魔人さまでも、できるわけねぇ」
「そうだな茂に圭、俺たち風軍団も国盗りを目指すなら、それなりに頭数を集めねぇとな。茂に圭、お前ら程じゃねぇにしても、俺たちの仲間にしても使えそうな野郎たちを何人位集められる?」
「兄貴、俺はこの甲非の河内で産まれたが、仕事は手広くこなしていたんで、一声掛ければ100人は超えるが、特に腕が立つヤツというなら20人位はなんとか」
「風兄、おいらも山賊仲間でぶっ倒したヤツらの中で、仲間にしても良いと思える野郎は20人位は集められる」
「茂と圭で40人か、さすが俺の兄弟だ。ふたりともなかなかじゃなぇか。それだけ集めるのに何日かかる?」
「俺は今日中には集められるぜ」
「おらも今日中には何とか」
「ようし分かった。じゃあふたりとも今から飛んで今日の夜中までに、できるだけ仲間をかき集めてこい。集合場所は圭のヤサだ。時間は深夜2時だどうだ?」
「兄貴分かった。早速声掛けに出かけるが、深夜の2時ってのは何刻のことでぃ?」
こりゃあ、参ったな。確かに2時っていってもこの時代には通用しねえか。昔は12支で時を刻んでいたようだな。2時っていうと丑の刻だったな。
「茂、丑の刻でどうだ。圭もやれるか?」
「もちろんだ。風兄の命令なら・・・・・」
「よし、茂に圭。じゃあ今夜の、いや明日の丑の刻に圭のヤサで。ふたりとも任せたぜ」
茂治、圭吉は、風介の命を受けて、仲間集めに飛び出して行った。
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