第2話 時空を超えて2

 本来、1日というのは24時間ではない。正確に言うと約24時間と1分である、しかし、毎日1分という半端な数字が付くと面倒であるため、1分×364日=364分=6時間。


 6時間×4年=24時間=1日。この1分の端数を4年分まとめて1日加えたのが閏年なのである。


 本来は1日=24時間1分を1分隠し、24時間にしているため、毎日1分ずつあるはずなのに、あってはならない時間のズレが生じている。


 それが神代の昔から闇の世界に語り継がれている魔の時間なんだよ。毎日、2時22分22秒から1分だけは、時空間に歪みができ、現世と過去未来が融合する時間なのだ。


 この1分という隠れた時の間に入り混むと、過去や未来に迷い混んじまうのさ。ただし時の間に入り込むためには、時の扉を開かなくちゃならねえんだ。


 扉といっても物理的扉じゃあねえ。

 心理的、観念的な扉のことさ。


 扉を開けることができる者は、①現世にはさほど未練はない、②現実には存在しない扉を認識できる、③時空間の歪みの混沌を理解できる、そんな愚か者のみと言われている。


 扉から過去や未来に迷い混み神隠しにあう者、年に数人はいるんだぜ。


 魔の時間そして扉、未来過去へのジャンプとなかなか面白そうだろ。まあ、どういう話になるのか、まったく検討はつかねえけどな。


 ただし、自伝的空想系の小説だからな。かなりの部分は、風介の真実であり史実を織り込んでるんだ。


 まあ結構『フカシ』も入ってるから、どれが真実でどこがフカシかは読まれる皆さんの想像に任せるよ。


 風介が紛れ込む世界っていつだって?

 おい、おい、慌てなさんなよ。話はこれから始まるんだぜ。答えを急いじゃいけねえよ。


 話せば長い話になりそうだ。冷てえシャワーは浴びたし、リラックスした真っ赤なTシャツに迷彩のハーフパンツ姿にお着替え済みだ。


 ロッキングチェアにハーパーとノアール、もちろん冷したグラスにライター、灰皿も用意させてくれよ。


 ハーパーはIWハーパー、アイザック、ウォルフバーンハイムが作ったバーボンだよ。


 ノアールはタバコさ。ライターは当然ジッポだけどな。風介は40個ばかりコレクションしてるから、今日は限定もののシルバーのトルネードドラゴンだ。


 さあチェアよ心を休めてくれよ。左手に持つグラスは江戸切子の重ね矢来文様。ハーバーはいつも通りロックで決めた。


 乾いた喉をハーバーで潤したら、ノアールを軽くくわえてジッポをカチンと鳴らす。あとは紫煙を天井に燻らすだけさ。


 さあみんな、準備は良いかい?

 そろそろ物語を始めるぜ・・・・・

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