第7話 まだまだある聖武器

究極超獣きゅうきょくちょうけだものちゃんは、聖斧せいふブラッディ・ルナティック・カタストロフィ・サクリファイス・ジェノサイド・ファンタズムを使っていたわよぉ」


 悪魔トーネベワ・ガコホゲスがそう言った。


「なんだよ、その不吉そうなものは!?」


「何って、聖なるおのよぉ?」


「ええ……」


 メチャクチャ呪われていそうじゃないか!?



「清酒魔王転がしの勇者よ、貴様が使っていたのは、聖弓ヘニャヘニャふにゃふにゃボソボソぼりぼりドッカーン丸でアール」


 魔王ドーパギ・ジィゼダーがそう言った。


「ナニソレ!?」


 擬音多すぎだろ!?


「聖なる弓でアール」


「なんでそんな名前なんだよ!?」


「知らんのでアール」


「そうなのか」


 意味が分からんなぁ。



「大勇者・スペシャルブレンド・ダァンサービオが使っていたのは、聖巨鎧せいきょがいグニグギャタゾゥンレーケ・セマヒーレタだったと大魔王は記憶しているぞ」


 大魔王ダオワベーヴォ・ベルズがそう言った。


「なんだそれは?」


「聖なる巨大なよろいだ。中に乗り込んで操るのだ」


「へぇ、そうなのか」


 それって、ロボットじゃないか?


 そんなのここに売っているのかな?


 売ってても買えなさそうだな。



「ところで、大勇者・スペシャルブレンドって、なんなんだ?」


「オマエの称号だ」


「なんでそんな妙な称号なんだよ!?」


「知らんぞ。人間たちが決めたのだろ?」


「そうなのか!?」


 何やってんだよ、人間ども!?


 なんでそんなのにしたんだよ!?



「超究極超極大勇者ダァンサービオが使っていたのは、聖爪せいそうソウセイさん一家が、がんばって伸ばした爪だよ」


 超大魔王ゼゾカードピド・ハイエーマがそう言った。


「えっ、それってもしかして、人の爪なのか!?」


「そうだよ。まあ、正確には、それを加工したものになるのかな」


「ええ……」


 なんじゃそりゃぁっ!?


 なんでそんなの使っているんだよ、ダァンサービオさんよぉ!?


 それから超究極超極大勇者って、なんだよ!?


 『超』と『極』が二回も使われていて、カッコワルイぞ!?



「わんだふるグレート退治屋ダァンサービオ、君が使っていたのは、聖水ヨウカイヲヨウカイサセルエキタイ・ゲキウマギャグだっただいん」


 妖怪ミィヨアキダインがそう言った。


「妖怪を溶解させる液体・激うまギャグ?」


「そうだいん」


 く、くだらねぇぞ、そのダジャレ!?


 全然まったく激うまじゃねぇよ!?


 これを考えたヤツは誰だ!?


 ただちに出て来い!?


 小一時間くらい説教してやる!!!!!



「それはどういうものなんだ?」


「名前通り、浴びせると妖怪が溶けてしまう恐ろしい液体だいん」


「そうなのか。ん? ミィヨアキダインは溶けなかったのか?」


「溶けたけど、気が付いたら、なぜかダァンサービオの体に封印されていただいん」


「そうなんだ」


 何が起きたのだろうな?



「血塗られし闇黒あんこくの希望ダァンサービオが使用していたのは、聖人武具スゴイダ・スゴゾウだったるいるい」


 あやかしバリダゴヘルイがそう言った。


「聖人武具? なんだそれは?」


「聖人と呼ばれる人間の、体を加工して作られる武器だるいるい」


「ええっ!?」


 ナニソレ怖すぎっ!?


「なら、スゴイダ・スゴゾウというのは?」


「人名だるいるい」


「そ、そうなのか……」


 怖すぎる!?


 なんでいきなりこんなダークなものが出てきたんだ!?


 訳が分からねぇよ!?



ものの毛抜きダァンサービオ、おめぇが使っていたのは、聖毛ふさふさフッサーだソヲ~」


 ものドアロモクーソヲがそう言った。


「聖毛? なんだよ、それは?」


「一生に一本しか髪の毛が生えない一族の、大事な大事な大事な髪の毛を、無理矢理引き抜いて作った武器だソヲ~」


「なんだそれは!? ひどすぎるだろ!?」


 なぜそれで武器を作るんだ!?


 それ絶対に聖なるものじゃないだろ!?


 呪いがかけられまくっているだろ!?


 ダァンサービオ君は呪われたんじゃないか!?


 はっ!?

 まさか俺がこうなっているのは、それが関係しているのでは!?


 あり得るかも!?


 これも調べてみよう!!



「その聖毛ふさふさフッサーって、どんな武器なんだ?」


ひも状の武器だソヲ~。むちみたいなもんだソヲ~」


「そうなのか」


 鞭なのか。



「ところで、ものの毛抜きって、なんなの?」


ものを倒すのが得意な者を、そう呼んでいるソヲ~」


「なんで毛抜きなんだ?」


「そこは分からないソヲ~」


 もしかして、ものだからなのか?


 意味が分からんなぁ。



「人間国宝鉄人覇者が使っていたのは、聖ハリセンと聖金ダライと聖アフロのカツラざ~す」


 妖魔ジローゲヨ・ギャケーエがそう言った。


「ナニソレ!?」


「何って、名前通りの聖なるハリセンと金ダライとアフロのカツラざ~す」


「なんでそんなの使っていたんだよ!?」


「知るわけないざ~す!」


 ダァンサービオさん、何やってんの!?



「雄々しき一本槍いっぽんやりの傑物ダァンサービオよ、あなたが使用していたのは、聖性獣せいせいじゅう角槍つのやりなのです」


 付喪神セームハ・エヒツがそう言った。


聖性獣せいせいじゅう? なんだそれは?」


「そ、それは……」


「それは?」


「あ、あの、その……」


 なんだ?

 言いにくいことなのか?


「ある場所から長くて真っ直ぐな角が生えている獣なのです」


「その角で作ったやりなのか?」


「はい、その通りなのです」


「そのある場所って、どこなんだ?」


「そ、それは、その、なんと言うか……」


 よっぽど変場所に生えているのか?


「あ、あのワタクシの口からは、尻尾の下あたりとしか言えないのです!」


「あ、ああ、分かったよ」


 尻尾の下あたりで、あの言いにくそうな感じは……


 ま、まさか!?


 アソコの穴から出ているんじゃないだろうな!?


 い、いや、まさかな……


 考えすぎだろうな……


 うん、そういうことにしておこう。



「まさかそれは穴から出ているのでござるか!?」


 おい、変態賢者!?

 何聞いてんだ!?


「なっ!? そ、それはワタクシの口からは言えないのです!!」


「ふむ、当たりでござるか。スッキリしたでござる」


 もうやめろ!?

 変態賢者め!?


 よし、ここは話題を変えよう!


「ところで、雄々しき一本槍いっぽんやりの傑物って、なんなんだ?」


聖性獣せいせいじゅう角槍つのやりを使用して、活躍した者をそう呼ぶのです」


「そうなんだ」


「なんか卑猥ひわいでござる!」


「そこ、うるせぇぞ!?」


 もう黙れよ、変態賢者が!?

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