第6話 装備どうしよう?

 おっ、学校の場所が描かれた地図があるぞ。


 うーむ、土地勘がないから、これを見てもよく分からないなぁ。


 学校の下見もしなければならないみたいだな。



 パンフレットは、これで終わりか。


 ふむ、学校に行く価値はありそうだな。


 そういえば、肝っ玉母さんが、元のダァンサービオ君は学校を楽しみにしていたと言っていたなぁ。


 何が楽しみなのだろうか?


 何か目標があったのかな?


 ちょっと気になるから調べてみようかな。


 あとは今日が何月何日なのか、何年学校に通えるのかも調べないとな。


 では、肝っ玉母さんに聞きに行こうか。



 肝っ玉母さんは、二階の誰が使っているのか分からない部屋にいた。


 おや?

 掃除機のようなものを持っているぞ。


 もしかして、あれで掃除をしていたのかな?


「ダァンサービオ、どうかしたの?」


 肝っ玉母さんが話しかけてきた。


「ちょっと聞きたいことがあってな」


「何?」


「俺は学校に何年通えるんだ?」


「料金は一年分しか払ってないわよ。来年以降は成果次第ね」


「そうなのか。払ってくれて、ありがとう」


「良いのよ。親なんだしね」


 やっぱりこの人が親なんだ。



「ところで、装備は買ってきたの?」


「いいや、まだだよ」


「さっさと買ってきなさいよ」


「あ、ああ……」


 装備かぁ。

 服だと思っていたけど、あの学校から考えると、そうでもなさそうだよな。


 いったいどんなものを買ったら良いのだろうか?


 その辺も聞いてみるか。



「ダァンサービオは冒険者になりたいんだったわね」


 元のダァンサービオ君の目標は、それだったのか。


「なら、武器と防具がいるでしょ。あとはお店で実際に持ってみて、扱えそうか判断しなさい」


「分かったよ」


 武器と防具か。


 まさかそんなものを買えと言われるとは思わなかったぞ。


 貴重な人生経験だなぁ。



 あっ、店ってどこにあるのだろう?


 これも聞いてみよう。


「うちの近くにあるでしょ。あそこで良いんじゃない? 評判も悪くないみたいだしね」


「分かったよ」


 近くに武器、防具を売っているところがあるのかよ。


 治安は大丈夫なのか?


 恐ろしいなぁ。


 その辺はどうなっているのだろうか?


 まあ、子供にひとりで買い物に行けと言えるくらいだから、問題ないのかな?



「ところで、今日って、何日だっけ?」


「はぁっ? まだ寝ぼけているの? 四月一日よ!」


「あ、ああ、そうだったな。いろいろありがとう」


 俺はその場を後にした。


 学校は一週間後なのか。



 俺は部屋に戻って来た。


 さて、装備を買いに行こうか。


 何を買えば良いんだろうな?


 肝っ玉母さんの言う通り、現地で選ぶしかないのかな?


 あっ、そうだ!

 ちょっとみんなに聞いてみようか!


 戦闘経験豊富そうなのが、たくさんいるしな!



「何を言っているのであるか、聖なる閃光の勇者よ。貴様は聖剣を使っていたであろう。よって、剣を買えば良いのである」


 魔人ゼドツベスドーザがそう言った。


「えっ? そうなんだ? なら、そうしようかな」



「何を言っておるじゃしー? 善神イイカーミの神使は聖槍せいそうを使っていたじゃしー」


 邪神イネターゼヲーエギがそう言った。


やりを? なら、店で剣とやりを見て決めようかな?」



「清らかなる水の勇士よ、あなたは聖ブーメランの使い手ですよ?」


 水の精霊ユオクユープヨがそう言った。


「ブーメラン!? そうだったのか!?」


 ブーメランって、ここに売っているのかな?



「神聖なるモチョモチョ筋肉よ、あなたは聖釘せいくぎバットの使い手でございますよ」


 天使ゼダジカ・カカツーヴがそう言った。


聖釘せいくぎバット!?」


 なんじゃそりゃぁっ!?



「超究極激辛炎の勇士、お前さんは聖松明せいたいまつを使っていたゼ」


 炎の精霊レシィン・ムーナムイトがそう言った。


「そ、そうなのか……」


 どんな武器なんだ?

 火がいた棒なのか?


 結構強そうではあるな。



「空気のような風の勇士ダァンサービオ、君は聖扇風機を使っていたでやんすよ」


 風の精霊リヌーシ・ベムネソゾがそう言った。


「扇風機!? それでどうやって戦うんだ!?」


「どうって、回しながら殴るでやんす」


「そ、そうなのか……」


 訳が分からねぇよ!?


 あと空気のような風の勇士って、なんだよ!?


 存在感なさそうじゃないか!?



「その辺の石のような土の勇士ダァンサービオ、おめぇさんは聖インフィニティギャラクシースーパーノヴァオーパーツドリルフォース・エターナルアルティメットを使っていたっすよ」


 土の精霊ギーンテ・ロアセタがそう言った。


「なんだよ、その訳の分からんものは!?」


「何って、ドリルっすよ」


「ドリルなのかよ!?」


 なんでそんなに名前が長いんだよ!?


 意味が分からんなぁ。


 それから、その辺の石のような土の勇士って、なんだよ!?


 悪口かよ!?



天使堕てんしおとしの益荒男ますらおちゃん、君は聖シャンパンボトルで戦っていたでしょ? 忘れちゃったの?」


 堕天使メートナ・ゲシビードがそう言った。


「シャンパンボトル!? それ武器なの!? 入れ物じゃないのか!?」


「武器に決まっているでしょ? 何を言っているのよ?」


「ええ……」


 まあ、鈍器としては使えそうだけど、それで戦いたくはないぞ。



「色狂い送りおおかみは、聖ラブラブラブラブラブラブラブリーネコイヌクマチャンロッドを使っていたでござる」


 賢者レーロナネ・ウーマヒグがそう言った。


「なんだそれは!?」


「かわいい棒でござるよ」


 なんでそんなの使ってんだよ!?


 ダァンサービオさん、あんたまともな武器を使ってなさすぎじゃないか!?

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