第4話 五月の雪
興味津々だったミカリンの表情が見る見る醒めていく。
エンジンやモータなどが停止する時の
トーンが下がって行く音が聞こえた気がする。
「え?」
完全に蔑んだ目になって
そう言い返して来るミカリン。
だが不思議だ。
俺は女子のこういう視線に全く耐性が無い
他の女子からなら自殺したくなるハズだが
コイツとナナイなら何でも無い
全く平気だ。
「ハーレムというのはな・・・」
ハーレムの言葉の意味を知らないのかと思い
そこからかよ
とばかりに丁寧に説明しようと
した俺を「知ってる」と制するミカリン。
「なんで?」
嫌がってる事を隠す気も無いミカリン。
「なんでって本来こういうモノだ」
今度こそセオリー通りに行くぞ。
俺は話しを続けた。
「まずは、幼馴染みだ」
「もう無理じゃん」
否定速いな。
〇笑問題の田中クラスだ。
「ミカリン・・・ブレインストーミングを知っているかね。」
「あースマホのゲーム作ってる?」
「そんな響きだが、全然違うぞ。
会議の方法の一つで出来ないかどうかは
後で考える。まず案を出せるだけ出す方法だ」
天界にもスマホがあるのか
渋い表情だが、俺は構わず続けた。
「顔は一見普通、おめかしすると美人
成績も運動も真ん中、まぁ普通だな
世話焼きで朝起こしに来る」
「はい、それが幼馴染みね。
で、そいつに首切られてボストンバックに入りたいのね。」
「ナイスボートの話はやめろ」
俺は気を取り直して話を続ける。
「次は生徒会長だな。黒髪ロングで
成績優秀、スポーツも万能だが
実はドジっ娘でツンデレでもいいな」
「メガネは掛ける?」
イイ所に着目したな
流石は天使長だ。
「いや、眼鏡っ娘は別枠で用意しよう
読書好きで大人しくて身体が虚弱だ」
「ああ、良く吐血して倒れるパターンね」
「貧血だ。格闘モノじゃあない
保健室レベルじゃ対応できんぞ」
学校通える状態じゃないだろ。
「あぁそうだねゴメン」
「でスポーツ少女も外せないな
成績は悪いが気さくで友達感覚だが
中身は結構乙女チック」
「人形あげないとバッドエンド一直線のか」
〇ぐらしか
俺等は、その日暮らしだ。
その作品にはちょっと恨みがある
鈴を鳴らす様な綺麗な声だったのに
それと〇魂のせいで
すっかりババァのダミ声になってしまった
お気に入りの声優さんがいたのだ。
もう〇石さんがカワイイ位のレベルだ。
原作終了後に製作された犬畜生完結編では
カゴメの声・・・人変わった?
って作者のカミさんがマジで言ってた位だ。
返せよ
あのキレイな声を返してくれよ
「・・・どうかした?変なオーラ出てるよ」
気がつけばミカリンが
心配そうに俺を覗き込んでいた。
イカンいかん
「ああスマン。えーと
スポーツ系少女は最後まで健全で」
怖いの止めようよ。
「幼馴染みは空の鍋をかき回す」
止めろって言ってんだよ。
お前、分かっててワザとやってるだろ。
「・・・暗いのはナシで」
「えーヤンデレも欲しいよー」
それはお前の趣味だろうが
「それは自分のハーレムで好きなだけはべらせろ」
「はーい」
素直だな。
つか作る気か
「妹は・・・入れないの?」
ミカリンから聞いてきた。
俺は不敵に笑って答えた。
「それは前回、既に作成済みなのだ」
「えぇ?!マジで??」
「うん、血は繋がって無いがまぁそういう関係だ。」
喜々とした表情になるミカリン
なんでお前が喜ぶ
「どんな娘?ねぇねぇどんな娘」
「スケルトンで」
一気に暗い表情になるミカリン。
「ちゃんと美少女を被せてあるぞ」
なんて日本語だ。
我ながら何を言ってるのか分からない
しかし、他にどう説明すればいいのかも分からない。
「ちゃんと・・・ねぇ」
なんだその目は
呪い発動すんぞ
その後もブレインストーミングは続き
隣のほんわかお姉さん
警備の目を抜け出してきた異国の姫
妙齢の女教師
オカルト好き少女
元気っ娘の後輩
試作型メイドロボ
ちょっと不良だが情に厚い先輩
倹約大好きバイトばかりしている貧乏っ娘弟沢山
などなど
出るわ出るわ
そして
「全部ダメじゃん」
「だな」
さて風呂でも入るか
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