第3話
「今日は料理頑張ってるね」
たまには料理したくなるからね、と幸さんに返答する。家に帰る途中、もっぱらスーパーの値引き惣菜を買って、朝炊いたご飯と一緒に食べることが多いのだが、今日は料理やったるか、という時はやれるのだ。スーパーにて食材を買ったわたしは、牛豚合い挽き肉のハンバーグを作る。牛オンリーでも味の違いが分からないから、牛豚。安い方がよい。今日はハンバーグの気分。
卵焼き器にて人参のバターソテーを作り、ハンバーグに添えた後は、料理と箸を持ってコタツに移動。どっこいしょと座って、ハンバーグと白米を頬張る。
「美味しそうだね」
「ん、我ながら美味しいと思う」
期待に応えられなかった私がこうしてまだ生きているのは幸さんがいてくれたからた。
別に生きてなくていいか、と思ったことは何度もあった。老いて苦しんで死ぬくらいなら、「まあこんなもんだろ」ってところで人生の幕を引きたいものだ。今でも思う。
でも、幸さんを残して逝くのは悪い気がして、ずるずると生きてしまっている。
幸さんはここにはいない @pacchi-kun
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