【完結済み】パーティーメンバーを追放する最弱勇者に転生してしまった自分はざまぁ展開から逃れるため仲間の追放を何としても阻止します!
第17話 再会した元パーティーメンバーはイケメンでした! しかも滅茶苦茶強くなっています!
第17話 再会した元パーティーメンバーはイケメンでした! しかも滅茶苦茶強くなっています!
☆☆☆ヤィーナ・イッツとの再会。
どうやら、マジョーナの爆撃魔法はヤィーナの巨盾によって防がれたみたいだ。
しかしあれほどの魔法を防ぐの防御力。さすがは元勇者パーティーのメンバーだ。
まぁ、自分が追放したんだけど……
「まったく、パーティーにいた頃よりも随分魔力が上がったようだな、それに随分綺麗になった……いやほんとにそこだけはびっくりしている」
「それはこちらだって同じです。随分その……男前になりましたね/// 髪も生えましたし……それに、私のドンちゃん・トルネードが防がれるなんて、さすがは元タンクです」
え……なにこれ? 脈ありなんかこいつら。
「話は聞かせてもらったぜ、大体の事情は分かってる。まぁ、マジョーナが『勇者機関』のメンバーであるとは冒険中は気付かなかったがな」
よくわからないけどとりあえずは助かったと思っていいのだろうか。
「生憎こいつを殺させるわけにはいかない。勇者機関の思い通りにさせてたまるかってんだ」
よし! 延命できるぜ!
「我々の邪魔立てをするとは……あなたは魔王軍の刺客ですか?」
「あんな奴らと一緒にするな、それに俺は何の組織にも属していない。まぁ『勇者機関』の『勇者計画』をぶっ潰すために行動はしているが……」
そういえば気になっていた。『勇者計画』
マジョーナの顔が変わる。
「なぜです! 勇者計画が成功しなければ、魔王軍に我々が滅ぼされるだけなのですよ……はっ! まさかあなたも……彼女が勇者の血筋であると最初から気付いて!」
「知っていたさ、この際正直に話しておいてやろう。ヤィーナ・イッツは仮の名に過ぎない」
「俺の本当の名は『ドビー・メガデス』ジエイミと同じ『ブイレブ村』出身の『生き残り』だ」
☆☆☆次々に出てくる真実達
……え? 全く知らない単語が出てきたんだけど。
それに偽名って、自分とキャラ被っているじゃん。
ジエイミと同郷で『生き残り』という単語から察するにその村は既に滅ぼされている。
その『ブイレブ村』ジエイミが勇者の血筋だと聞いた。ならば、ヤィーナ改めドビーは親戚の類ではないだろうか……? メダデスとメガデスって似てるし。
「……まさか、あの村の生き残りが他にもいるとは、貴方の血筋も調べておくべきでしたね……不覚です」
「俺はある目的のために行動している」
「目的ですか……まさか!」
マジョーナさんさっきからまさかしか言っていないな。
「ジエイミを勇者と魔王の争いから遠ざけることだ」
……あぁぁぁ! そういうことか!
そうすれば、こいつの行動に納得がいくことが多い。
何故彼がジエイミを追放したがっていたのか、それは彼女を勇者にさせないためだ。しかしなんで、彼女を勇者にさせないのかは疑問である。
「彼女の父と友人でなブイレブ村が滅ぼされた時に遺言で頼まれたのだ」
そのために雑な怒声を毎回浴びせていたのか……しかし勇者と魔王の争いに巻き込まないってどれだけ、過保護なんだこの人……
「ジエイミは戦いとは無縁な生活を過ごしてほしいと、勇者になれば人並の幸せが訪れることはない。魔王軍との戦いに身を落とさなければならないからだ」
なるほど、親が子を守る感覚と同じか……ふと気になった。
「じゃあさ、あんたがジエイミに怒鳴っていたことって本心なのか?」
「違う。こんな最低な奴がいる勇者パーティーから遠ざけるためだ。全部ジエイミを守るために……だが!」
かつての友との約束を守るため、自らが嫌われ役を買っているってことか……
え、クッソかっこいいじゃんこいつ。
正直に言えば、ただの噛ませのハゲタンクとしか思っていなかった。
そういう設定ってそそるし、え、え? クソかっけぇ!
「遠ざけたはずなのにジエイミは勇者になってしまった。それも一緒にいた時は無能であったというのに……あれほど強くなっているとは……これもあの人の血筋か」
そう、彼がやっていたことは追放モノではあまりに真逆の行為であった。
いくら彼女のためを思って嫌われても、お決まり展開を知らないんだよ。
遠ざければ遠ざけるほど、彼女はより一層力を増していき勇者らしくなっていく。それが追放されし者の末路だ。
ドビーは完全に『勇者計画』の手助けをしていたということになる。
可哀想だな『これでいいんだ。彼女のためだ』と思って取った行動が実は全て無駄であったなんてさ。
まぁ、自分はそんなかっこいいことはする気はない。
「だから俺は……ジエイミより先に魔王軍をぶっ潰す。それが今俺にできる唯一の罪滅ぼしだ」
「いいえ、彼女には勇者として魔王との戦いで命を落としてもらわなければなりません! 勇者信仰がなければこの国は成り立たないのですから」
そうして、マジョーナとドビーの対決が始まる。
☆☆☆マジョーナVSドビー!
以前のパーティーメンバーとはまるで別人かと疑いたくなるようなレベルの戦闘が繰り広げられる。
「彼女には平凡で幸せな家庭を築かせる、俺はいくら憎まれてもいい、嫌われてもいい、ジエイミを真っ暗な未来から助けるんだ!」
以前聞いた『勇者伝説』を紐解けば、歴代の勇者達は魔王と戦いで命を犠牲に勝利をしていた。
自己犠牲の精神こそが勇者足らしめている。
彼らの犠牲おかげで国は守られているという……国を裏で管理しているのが勇者機関というわけか、
ジエイミもこのまま戦い続ければ恐らく魔王と対峙し命を落とす。
ドビーはこれを回避するために、勇者機関に抗っている。
「腕を上げている……だが、私だってあの頃とは違うんですよ! ポンポン・ストーム!」
だからネーミングセンス! 名前に似合わず威力は凄まじいが、ドビーは悉く、攻撃を耐えていく。
明らかに熟練の戦士の動きをしており、一対一の戦闘においてはドビーが優れている。
「俺の固有魔法は重力を操る。グラビティ・アビリティ!」
「浮いてしまっている!? こんな魔法勇者パーティーの時には!」
マジョーナは浮いた隙に、ドビーま盾で突撃していく。
「ならば、その重力を利用させてもらう! エアエア・ダシュダシュ!」
空中を地面と変わらぬように走っている。
恐らく透明な風で足場を作り出し、無重力を利用した高速移動を可能にしている。
そのまま後ろに回り込み。
「ドンちゃん・ストーム!」
だから、なんなのその名前!
「しまった! ぐあぁ!」
ドビーは防御に間に合わず、マジョーナのドンちゃん・ストーム(恐らく空間圧縮した炎を風魔法によって強化し爆撃魔法)で攻撃する。
「この距離なら、いくらタンクでも防げない……」
ドビーは吹き飛び壁へたたきつけられる。
「何? ドビーが負ける? そんなはずないだろう! 立てよドビー!」
ここでドビーが負ければ次に自分が殺される、それでだけは避けねばならない。
この二人の実力は拮抗しており、消耗戦になるはずだ。
二人が削り合ってくれればその間にいくらだって逃げる隙はできる……
すぐにドビーは起き上がる。
「――戻れ、重力よ」
「? きゃぁあ!」
どうした? マジョーナの頭上から瓦礫が落ちて生き埋めになる。
恐らく重力魔法で瓦礫を浮かし、死角から攻撃したのだろう。
「おい! マジョーナ! お前の力はそんなものかよ! 勇者機関だろうに!」
「スシデウス様どちらの味方なんですか……」
観戦モードのユーシャインと見物するしかない。
そういえば、こいつらめっちゃ真実を知っちまったけど大丈夫なのだろうか。
それに自分のことも知られてしまったし。
圧倒的な力と力のぶつかり合いに自分達は見てることしか出来ない。
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