変態黄色騎士決闘編
果たし状(1)
学園の教室に着くと俺は騒然としたクラスに驚きを隠せずにいた。
まあとりあえず近くの席のやつに聞いてみるか。
「なあこれどうしたんだ?」
「んっええ?ああ、この騒ぎのことかい?」
俺が話しかけたのは都合よく1人でいる・・・
メガネくんだ。決して名前を覚えてないわけではないぞ?
「それなら廊下に出て掲示板を見た方がいいね。丁度ホームルームまではまだ時間があるし、行ってきなよ。」
「なるほど、ちょっと行ってくるわ」
こういう時に頼りになるよな真面目な子って、そういえば
「そうだ、後で分かると思うけど、ひとつ忠告しとく」
「なんだ?」
俺が返事を待っていると少し切羅が笑った気がした。
「やはりなんでもないよ。はやくいってきなよ」
「なんだよそれ、、、」
切羅の意味深な行動に若干の不安を煽られながら廊下の掲示板を眺める。
そこに貼ってあった掲示物に、、、思わず俺は息を飲んだ。
「かかかかかかかかかかかかいちょうガガガガが熱愛だとぉおおおお!」
そこには会長と誰かが仲良さげに言い争っている写真がでかでかと貼られていた。
まあ、、、
「かんっぜんに俺だよなこれぇ、、」
そりゃあおれですよ付き合ってるんだし。ふふふ(すいませんつい笑みが)
「ニヤニヤ気持ち悪いぞ泣詩。」
「え、マジ?」
そんなに表情に出てただろうか?心の中だけの笑みのつもりだったのだが、、、
「生徒会の仕事は終わったのか?斉語。」
「ああ、むっち、、いやばっちりだ。」
こいつは俺の親友で東野斉語、真面目だし良い奴なんだがむっつりなのが、残念である。
「そうか、まあ人の彼女に変なこと教えた分の罰は受けたようでよかった。」
よく見れば髪はぐしゃぐしゃ、目元が腫れている。かなり大変だったのだろう。
全く疲れた素振りを見せない斉語は早急に話題を掲示板に移した(逃げたなこいつ)
「これ、俺だよな完全に」
「まあそうだろうな、いいおっぱ、、いや塩梅に顔は隠れているが知り合いからすれば一目瞭然だろう。」
ただでさえ1年にしてこの学園の副会長になり注目を集めているのに何をやってんだ俺は。
「面倒事が増えないといいなぁ」
「残念ながら面倒事1がこっちに向かってるぞ。」
「なんだそりゃ?」
俺が首を傾げてみると横にヒュンッっと空を切る音がした。
俺は目の前の掲示板に刺さったそれを眺める。
・・・ナイフ、ナイフである。
《ガガッ》「こちらスペースワン、対象の排除に失敗した。繰り返す。対象の排除に、、、」
もう見たくないんですけど後ろ。絶対いるやん。なんかいるやん。
「これ振り返らなきゃダメ?」
「後回しにしても意味ないだろ、せっく、、結局お前が解決しなきゃなんだ。」
ですよねー。とりあえず後ろ向きます。ええ向きますよ!!(やけくそ)
「てめぇ!急にふざけてんじゃっ、、、あっ」
なんか、いっぱいいるんですけど。ざっと数えて40人くらいが箱ずめ状態なんですけど。どうなってるんだ?
その中でも1番この学園で有名な海音寺という男が俺の前に出てきた。
「やあやあやあ、変態催眠術師」
「あの時のお便りみたいなこと言いやがって」
「?なんのことか分からないけど、それは置いとくよ。」
俺は少しノイズのかかった思い出に蓋をし海音寺の話を聞く。
「君さ、、付き合ってるんだよね?」
「あーまあな。」
そりゃ今みんなが騒ぐものと言えばこれだけだよな。
隠してるつもりもなかったがこんだけ騒ぎになるとは改めて会長の人気度は凄い。
「俺はダリア会長と、、」
「我らの女神!パーフェクトヴァルキリーisオアシスと!」
「誰だそいつ!!!」
長ったらしすぎるだろう、最近の小説かな?
「とぼけるな!新入生の分際で!」
「新入生関係ないでしょ、まあいいです。」
もう色々長いので俺は要件だけ聞くことにした。
「で?そのパーフェクトなんたらと付き合ってますけどなんかありますか?先輩と愉快な仲間たちさん。」
「きっ貴様!我が女神を侮辱したな!」
「いやあんたらの女神じゃないし、俺の彼女だし。」
何も用がないなら教室に帰りたい。
正直そんな急いでは無いが、問答無用でナイフ投げてくる奴らとあまり長くいたくはない。
「じゃあ俺はこれで、、、」
「まて!要件ならある!」
さすがにお話はもう終わっただろうと思うが
40人で殴りかかられたらたまらないので話は聞くことにした。
「お前に決闘を申し込む!!!」
「はぁ?」
あまりにトンチンカンな回答に俺と斉語は顔を見合せて首を捻った。
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