第13話 関東の序列みたいなやつ
関東には明確ではないがなんとなくの序列がある……と筆者は感じている。なお筆者は関東のどこか住みの女子高生だ。
関東には明確ではないがなんとなくの序列がある、これはたまに感じるのだ。掲示板を見ていてもネタにされている。翔んで●玉も関東の序列の映画ではないのだろうか。
「東京ちゃん、俺とデートしようよ」
「ごめんなさいね、今夜は神奈川くんとデートの約束があって」
千葉は相変わらずフラれていた。茨城は横目でそれを見ながら、生徒たちのテストのマル付けをしていた。
「あきらめろよお前。神奈川には勝てないって」
「はぁ? 恋に序列は関係ねーだろ」
「そうですよ茨城さん!」
「うわどっからわいてきたんだよ」
埼玉もやってきた。手には大きな袋を持っている。
「それ何」
「都民のオフ会と、イベントがあったので。池袋が埼玉に近くてよかったです!」
「よかったな。あと茨城そこの問題バツじゃなくて丸じゃね?」
「あ、ほんとだ」
三人がそう集まり話していると、そこにまた新たな人物が現れた。
「あれれ、三人とも仲いいネ!」
神奈川であった。肉まんを食べている。
「よお、あと埼玉とはそこまで仲良くねえ」
「そうですね、千葉さんとはそこまで……でも、ぶっちゃけ茨城さんとも」
「あのなぁ……」
茨城がため息をついていた。神奈川はくすくすと笑い、三人に肉まんをおすそ分けしている。しかし、この後の神奈川の発言が場を一気に悪くした。
「でも、傍から見れば田舎者同士仲良さそうだけど」
「え」
「「は?」」
固まる埼玉、メンチを切る千葉と茨城。神奈川は気にすることなく続ける。
「だって、そうじゃなきゃとーちゃんにフラれるわけないじゃん!」
「なんだよ、俺が田舎だから東京ちゃんにフラれるって言いてぇのか? あぁ?」
「そうだよ」
「殴る」
「ちょ、千葉さん落ち着いて!!」
埼玉が千葉を抑えつけた。しかし、千葉は普通に力が強いので埼玉を吹き飛ばした。
「ほらほら、そういうところが田舎なんだよ!」
「千葉さん、このままじゃ言われたとおりですよ! 僕も思うところがありますが……」
「埼玉、君もだからネ?」
「え」
「埼玉ってとーちゃんと隣なだけで、実質北関東だからね? どうして南関東にいるのか分からないヨ。あと、とーちゃんの痛バ作るのやめて。人の彼女がそんな感じに扱われてるとなんか嫌だ」
「そ、それくらいいいじゃないですか! 検索避けだってしてるんですよ!?」
「何それ」
埼玉はさすがにカチンときた。それくらい僕意外の人もやってます!
「……俺をのけ者にするなよ」
茨城はボソッとつぶやいたが、三人に無視された。
「……勝手に話進めるんじゃねぇよ!」
神奈川と埼玉が口論をしているすきを狙い、千葉は神奈川を殴った。神奈川はもろに頭を殴られたので、さすがにつらかった。
「……関東№2に喧嘩売るって、正気じゃないね」
「神奈川のヤンキーとは戦ってみたいからな。№3をなめるんじゃねぇよ」
二人がバチバチの喧嘩を始めようとした。しかし、千葉の言葉に神奈川が反応した。
「え、ちょ、ちょっと! なんで千葉が№3何ですか!?」
「は? 俺だろ」
「だって、こっちにはさいたま新都心ありますし、東京都への交通の便もいいですよ!」
「俺にだって幕張新都心あるし、空港も海も夢の国もあるんだぞ?」
「東京さんの名前ばっか借りてるやつじゃないですか!」
「黙れよ海なし県」
「お前らどっちも田舎なんだヨ!」
神奈川が二人の口論に乱入した。そして、ついには三人の殴り合いが始まってしまった。
「……はぁ」
茨城は一人ため息をついていた。
「心底どうでもいい……」
「あれ、茨城。お前何してるんだ」
珍しく東京に来ていた群馬が茨城にそう声をかけた。
「あそこの争いを眺めてる」
「……ああ」
群馬は何かを察したようだった。
「群馬は何してるんだ?」
「栃木が東京行きたいって言うから一緒に行ってた」
「ふーん」
「……あれ止めなくていいのか?」
群馬は喧嘩している三人を指さした。普段から喧嘩慣れしている千葉が優勢のようだ。埼玉は倒れている。むしろ良く持ったと思う。神奈川はすばしっこいらしく、千葉がうっとうしそうに殴り掛かろうとしている。
「まあ、好きにやらせてればいいべ。関東の序列って決まってるもんだし。あそこで千葉が喧嘩で勝っても、序列は変わらないべ」
「だな。実際田舎であるのは変わりないし」
千葉埼玉は田舎と言われているが、実際東京にも田舎はある。どこにだってあるのだ。都会だってどこにもあるのだ。
「北関東は一纏めにされるし……」
「北関東は魅力がないって言われるし……」
茨城と群馬はお互いを見たのち、大きなため息をついた。
※この話はネタです。関東に序列があると作者は感じますが、序列を決めているわけではありません。
ちなみにこの序列に関しては、ネットから意見を引っ張ってきました。
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