第27話
つまり、人間は、他の動物達と違って、一度死ねば終わりという訳ではなく、何度でも生き返ることができる存在なのです。
しかし、どんな生き物も例外なくいつかは必ず死にますし、この世から消滅した後には、必ず別の形となって再びこの世に誕生します。
それが人間なのか、あるいは全く別の生物になるのかはわかりません。しかし、その確率は極めて高いのでしょうね。だから、どうか悲観しないでください。
あなたが死んだとしても、あなたのことを愛する人は決して忘れることはありませんから。
さて、次は『アテナ』について紹介します。この『アテナ』は、ギリシア神話に登場する女神です。
この女神には、他にも多くの別名があるんです。
その中には、『アレス』とか『アイギス』といったものもあります。
まず、『アレス』についての歴史を語りたいと思います。
『アレス』とは、ギリシャ神話に登場する半神半人の英雄であり、その武勇伝は、枚挙に暇がないものです。
彼は、海の神ポセイドンの子であり、オケアノスの娘でもあるのです。
ある時、この男は、父であるポセイドンが治める海の王国トロヤを攻めるため、地上に派遣されることになりました。
しかし、この男は父に対する反逆の意志を持っていたのです。そこで、この男は父に対して嘘の報告をし、トロヤに攻め入りました。
しかし、この男の裏切りを知ったポセイドンは激怒し、この男を追放してしまったのです。
この報を受けたゼウスはこの男を呼び戻し、二度と悪さをしないように呪いをかけようとしました。しかし、この男があまりにも頑固だったために、ゼウスは仕方なく彼を許してやったのです。
その後、この男は、トロイの木馬を使ってトロヤの王女アキレスを誘惑し、彼女を妻にしてしまいました。
しかし、このことを知ったゼウスは怒り狂って雷を放ち、この男の妻を焼殺したのです。
次に、『アイギス』の方を紹介しましょう。この『アイギス』というのは、古代オリエントの伝承に出てくる盾の名前なんですよ。
この盾は、古代ギリシャにおいて、最も恐れられていた怪物の1体であるミノタウロスを倒したことで有名です。
この伝説の武具は、その名前のとおりに、いかなる攻撃からも所有者の身を守ることができるとされています。
そして、この伝説にあやかって、世界中の軍隊や警察などでは、この盾を模した紋章を使っているのです。
最後に、おまけでもうひとつだけ紹介させてください。
皆さんは、北欧神話をご存知ですか? あの有名な『ラグナロク』の戦いで神々達が全滅した時、生き残ったオーディンを始めとするトールやフェンリルなどの北欧系の巨人達は、アース神族達に復讐するため、アスガルドという自分達の国を作りました。
しかし、彼らは戦いの中で徐々に数を減らしていきました。そのため、アース神族は彼らを迫害し始め、ついには彼らを殺してしまおうとさえ考えたのです。
これに怒った彼等は、遂にアスガルドを捨てて逃げだしてしまいました。そして、そのまま何処か遠いところまで行ってしまったそうなのです。
そして、その逃げた先に、彼等の新しい国を作ったのです。それが『新ヨゴト共和国』です。
「……えっ?」
突然、目の前に現れた女性を見て、僕は思わず絶句してしまった。
背の高さは僕と同じくらいだけど、髪の色は水色で、まるで氷のように透き通った瞳をしている。顔立ちは整っていて、とても綺麗だった。
でも、こんな場所にいるなんて、一体どういう事なんだろう? すると、その女性は、僕の方を見つめながら言った。
「あなたが、この村の住人ですね」
どうやら、彼女は、この村の人間かどうかを確認しに来たらしい。
ここで黙っているのも失礼なので、とりあえず返事をすることにした。
「はい、そうですけど……」
「私は、あなたに会いに来ました。いきなり押しかけてしまって申し訳ありませんが、少し話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「はぁ……それはいいんですが、その前にあなたは誰なんですか?それに、どうしてここに来たのかを説明してくれませんか?」
「わかりました。まず、私のことについて話させていただきます。私の名前は、『ミーミル』といいます。以後お見知りおきくださいませ」
彼女が自己紹介を終えると同時に、突然、彼女の体が光り始めた。その光景を見た瞬間、僕は直感的に理解できた。
今から何が起きるのかということを……。
やがて光が収まると、そこには先程までの彼女の姿はなく、代わりに1人の女性が立っていた。
その姿は紛れもなく、先程の女性が変身したものと同じものだった。
つまり、この人は人間ではなく、神様だということだろうか? そんなことを考えていると、その女神様が口を開いた。
「これでわかっていただけたでしょうか?私が、あなたの住む村にやって来た理由が」
確かに、今の現象を見せられた以上、信じない訳にはいかない。
しかし、まだわからないことが残っていたので質問をしてみた。
「では、何のためにここに来たのかという理由は何なのですか?」
その言葉を聞いた途端、その女性の表情が曇ったように見えた。
しかし、すぐに元の顔に戻ったため、気のせいかもしれない。
それからしばらくして、その女の人が語り出した。
「実は、この村は、あと数日の内に滅んでしまう運命にあるのです。なので、あなた達には、それを回避する方法を教えるためにやって参りました。どうか聞いてくださいますか?」
一瞬、何を言っているのかよくわからなかったが、とりあえず最後まで聞くことにした。
「はい、わかりました。それで、どんな方法があるんですか?」
「簡単なことです。これから、あなた達には、ある場所に行ってもらいます。その場所は、ここから北に向かったところにある森の奥深くです。そこに、『世界樹』と呼ばれる大木があるはずです。その木は、あらゆる病気や怪我を治してくれる不思議な力を持っています。もし、そこに向かうことができたなら、この村を救うことができますよ」
そこまで話を聞いたところで、僕は、ふと思ったことを口にした。
「あの、1つだけ聞きたいことがあるのですが……」
「はい、何でしょう?」
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