第26話
そして時は流れ、成長したこの娘を一目見ようと、ある男が彼女に会いに行った時、彼は、彼女に一目惚れしてしまったのです。そして、男は、この娘を連れ去ろうとしたのです。
そんな男に対して、この娘は自分のことを愛しているのか尋ねました。すると、その男はすぐに答えました。
私はあなたのことを愛していません。しかし、あなたは私にとって、とても魅力的な女性です。だから、どうか私のものになってください。
しかし、この娘の方も、すぐには返事をしませんでした。
少し考える時間を下さい。
彼女は、そう言って、一旦その場を離れた後に、再び戻ってきたのです。
そして、彼女が出した結論とは……。
ごめんなさい。
あなたの気持ちに応えることはできません。
しかし、この事をきっかけにして、二人は結婚したそうです。
そして、この二人は幸せに暮らしていました。
ところが、ある時、この二人はゼウスに見つかってしまい、ヘラはゼウスによって石に変えられて、地中に封印されてしまったのです。
こうして、ヘラは、二度と陽の目を見ることなく長い年月を過ごしていく事になったのです。しかし、その後、ヘラは夫の裏切りを知り、ゼウスによって不死の力を与えられたヘラの怒りを買い、夫と共に焼き殺されてしまう事になるのです。
でも、その時の二人はとても幸せな表情をしていたと言います。何故なら、二人が燃え尽きる寸前、空には、太陽よりも眩しい程の光が輝いていたそうなのですから。
この事から、この二人は、永遠に結ばれたのでしょうね。
それでは次は、『ヘスティア』について紹介します。
この『ヘスティア』というのは、ギリシャ神話に登場する炉の女神のことなんです。
この女神は、『ヘスティア・ファミリア』という竈の女神達の主神であり、その眷属として『ヘファイストス』がいるのです。
また、この女神は、鍛冶を司る神としても知られているんですよ? 因みに、この女神が司っているのは、火だけではなくて、金属全般なので、この女神の神殿の事を『アルキメデスの工房』と呼ぶこともあるのです。
続いては『デメテル』についてです。
この『デメテル』には、実はもうひとつ名前があるのです。それは『ペルセポネ』という名前なのですが、これは、ギリシャ神話における冥界の女王の名前なのです。この女神は、主に豊穣の女神としても知られており、特に春の女神として知られているのです。
この女神は、元々は人間の娘だったと言われていて、ある日、森で狩りをしている時に、妖精達に誘われて、彼らの畑で働かされることになったのです。
しかし、この女神は、その仕事が退屈だったために、仕事をサボってばかりいました。
それに怒った大神ゼウスは、この女神を罰するために、彼女の母親の元に連れて行きました。この時、母親は、娘の代わりに自分が働くと言って、ゼウスの怒りを鎮めたのです。
だが、そんな母親に対し、この女神は感謝するどころか腹を立ててしまったのです。
そして、母のもとに帰った後、この女神は、父親であるゼウスに自分の不満を訴えたのです。するとゼウスは、そんな娘を見て言ったそうです。
お前の言いたい事はわかった。ならば、これからは、夜の間だけ外に出る事を許してやろう。ただし、もし、誰かと会ったり、何かを見たりしたら、その場で命を落とすことになるぞ。
そう言うと、ゼウスは、娘の頭に小さな冠を載せたのです。
こうして、この女神は、昼間の間は母のところで暮らし、夜に外出するようになったのです。
しかし、この女神は、外の世界に出るようになってからも、相変わらず遊び歩いてばかりで、ろくに働きませんでした。
そのため、女神は、母親の怒りを買ってしまったのです。
そして、とうとう我慢の限界に達した母は、女神に向かって叫んだのです。いい加減にしなさい! いくらあなたが真面目に働こうとしなくても、あなたが生きている間は、ちゃんと食べ物が手に入りますが、死んでしまえば、それでお終いなんだよ!? この世の中には、あなたが思っている以上に厳しい現実があることを忘れないでちょうだい!!その言葉を聞いた瞬間、この女神は自分の置かれている立場を思い出したのです。そして、この女神は、ようやくまともに働くようになりました。
この女神は、まず最初に自分の家の裏手に井戸を作りました。次に、庭の中に野菜を育てる畑を作ったのです。更には、自分一人で食べるためのパンやチーズを作るために、小麦を挽いて粉にしたのです。牛を飼ってその乳を搾りチーズを作りました。
そして、この女神が作ったパンやチーズを食べた人達は、みんな健康になりました。そして、この女神は、人々の病気や怪我を治したり、作物の成長を助けたりする力を人々に与えていったのです。
こうやって、この女神は多くの人々に崇められるようになったため、いつしか彼女達は、『デメテル・ファミリア』と呼ばれるようになっていたのです。
この世界に存在するあらゆるものには魂が宿っていて、それらが生滅する事によって、新しいものが誕生するのだそうです。
例えば、『植物』には『種』という『種子』が存在しますよね。
この『種子』は、土の中で芽を出し茎を伸ばし葉を広げて成長していきます。
そして、やがて花を咲かせ実をつけると、その種がまた次の世代へと受け継がれていくのです。
このように、この世界の全てのものは、常に生まれ変わり続けているのです。
この現象を輪廻転生というのです。では、この世に生きる我々人間にも、死んだら新たな生命として再生することができるのでしょうか? はい。
確かに我々は死ぬことによって肉体を失いますが、それと同時に、我々の魂もまた消滅する訳ではないのです。
なぜなら、人間の魂は、元々この世界に存在していたものだからなのです。
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