第15話

だが、ここで意外な人物が救いの手を差し伸べる。

それが、後に『赤壁の戦い』において曹操軍を大敗させる事になる『周瑜公謹』であった。

孫策の命を救った周瑜は、呂布にこう言う。

「あなたはここに居るべき人物ではない。あなたの武名は天下に轟いている。もしこのまま生き長らえる事が出来れば、必ずや天下に名を成す事が出来るでしょう。ですが、この場ではそれは叶わない。ここは私の顔を立てて、お帰り下さい」

「俺は君に負けて捕まったんだが……帰っていいの?」

「はいどうぞ」

そのまま帰った。

曹操殿にも帰ったことは伝えた。

すると、曹操殿は笑いながら俺に言った。

「やはり、君に来てもらって良かったよ。これで荊州は手に入れたようなものだ。いや、本当にありがとう」

曹操殿から礼まで言われてしまった。

まあ、劉備殿や関羽殿からも感謝されたし、悪い気はしないけどね。

ちなみに、呂布を捕らえた孫策だったが、実は孫策自身も驚いていたらしい。

「あんなヤツに苦戦するとか……」

呂布奉先と言う武将の恐ろしさを目の当たりにしたのは、この時が初めてだったと言う。

そんな孫策の元に、周瑜から連絡が入る。

荊州攻略のために手を貸して欲しいと言う事だったので、すぐに向かうと返事を返したのだが、呂布があっさりと脱出して帰ってしまったので、孫策は周瑜からの頼みを聞く必要が無くなってしまう。

孫策としては、別に呂布を憎んでいる訳でもないし、そもそも呂布とは戦いたくないと思っていたので、これはむしろ好都合だったのだが、周瑜は孫策の態度に腹を立てていた。

「孫策がそんなだからいい人材が逃げたり俺が帰したりしないといけなくなるんだよ!

本当なら呂布奉先にはここに居てもらうつもりだったんだよ?」

「……それは済まない」

孫策は素直に謝った。

孫策としても、呂布と戦うのは嫌なので、呂布に執着が無かったと言えば嘘になるが、孫策としては呂布よりも関羽の方が欲しかった。

関羽は義兄弟である劉備や呂布に対して義理堅いところがあり、また、劉備達への忠誠心も高い。曹操への忠義も厚いので、孫策としては曹操軍に組み入れたかった。

関羽が曹操への忠義を貫くのであれば、劉備は呂布に借りを作ったまま曹操に降った事になる。

そうなると、劉備は呂布に対して借りがあるのに、曹操からは恩を受けた事になる。

呂布は恩人である劉備に貸しがあるのに、曹操には借りがある。

これでは劉備は呂布に借りを作りっぱなしであり、劉備が呂布に借りを作っている状態になってしまう。

呂布としては、劉備に借りがあるなど思ってはいないが、劉備はそういう部分に関して敏感に反応する性格だと、孫策は知っていた。

だからこそ、関羽が欲しいのだ。

関羽は劉備の妻の弟でもある。

劉備が義弟に借りがあるという状況は、劉備が呂布に借りがある状況と同じなのだが、劉備は関羽に貸しがあるという意識は無い。

劉備にとって関羽は家族同然の存在だが、関羽にとっては劉備は義兄でもなんでもない。

関羽は劉備を心の底から信頼している。

関羽は劉備の妻の弟という立場を利用して、劉備の妻に劉備を説得してもらい、関羽を劉備軍に迎え入れる事が出来ないものだろうかと、孫策は考えていた。

関羽が妻の説得に応じず、劉備が関羽を手放す事を拒否するのであれば、その時は関羽を殺してしまえば良いと考えていた。

しかし、呂布があまりにも簡単に抜け出てしまったため、関羽を手に入れる機会を逃してしまった。

呂布が孫策軍との戦いを避けた事で、荊州を手に入れたのは孫策ではなく曹操である。

曹操は荊州の守りを固めるため、劉表と同盟を結ぶ事にした。

これによって、呂布は曹操と直接敵対する事になり、曹操軍と呂布軍の全面戦争へと発展する。

「あの時、私が呂布と戦っていればこんな事にはならなかったものを」

曹操は嘆くように言うと、呂布に言う。

「荊州と長安を手に入れれば、天下の半分は手に入る。それなのに、君はどうして私との決戦を避ける? 君ほどの男ならば、それがどれほど危険な賭けなのか分かっているはずだ」

「天下なんて興味ありませんよ。俺はただ、曹操殿と戦いたくなかっただけです」

呂布は曹操の言葉を笑い飛ばす。

「それに、天下を取ったところで何も変わらないじゃないですか」

「……どういう意味だ?」

「天下を取っても、結局は群雄割拠の時代に戻るだけですよ。乱世になれば、民は苦しむ。そんな時代が来るくらいなら、俺は平和な世の中のままでいい」

呂布は言う。

「天下を取るというのは、国を治めると言う事だ。その責任を背負うと言う事だ。それは君の望む平穏な暮らしとは違うのではないか?」

「天下統一が目的ではありませんからね。天下一の豪傑になって、天下無双の武将になる事が目的ですから。天下人になったら、天下一の豪傑になれません」

という感じに脚色して小説を書いてみました。

では、一度

『古事記』『書記』の部分を含めて見てましょう。

まず『記紀』では、神武天皇の即位前から始まります。

初代天皇・神武天皇の前の代は、カムヤマトイワレビコ(崇神)です。

この人は、ヤマトトトビヒコ(倭迹迹日百襲姫)と結婚し、十年を経て子供が生まれています。

この子供がオオモノヌシの命、つまり後のホムダワケの命です。

この子供は、後にスセリヒメと結婚して、五人の子供が生まれているのです。

この子供達が、後のアマテラス、ツクヨミ、ニギハヤミ、ミヒカリノ、タヂカラオ、ウズメ、コノハナノサクヤ、オシロワケとなっています。

ちなみに、長男はタケミカヅチ、次男はフツミミノミコト、三男はオキナガタラテクトリ、四男はオキナガスミノオオカミ、末っ子はアメノワカヒコネとなっている。

また、三人の息子達の名前には、全て意味がある。

一番上の子は、イザナギの子なので、イザナミの子である事。

二番目の子は、高天原から降臨したので、神の国の子。

三番目の子は、神の子孫で、神の力を持つ。

四番目は、火の神で、火の力を持っている。

五番目には、海で魚を獲るので、海の神。

六番目には、大地を治めさせるので、地の神。

七番目には、空を統べるので、天空の神様。

八番目には、雨や風を操り、作物を育てるので、農業の神様。

九番目には、火と水の力を使えるので、火の水を操るので、鍛冶の神様。

十番目には、木や草や花などの自然や、獣や鳥や虫など全ての命を司るので、森羅万象の神様。

十一番目には、山や川や滝や沼や池や泉や井戸や温泉や海の潮や波や津波や渦や竜巻や地震や雷や稲妻や台風や大雪や吹雪や暴風や大雨や洪水や旱魃や渇水を鎮めるので、災害を治める神様。

十二番目には、太陽や月の運行を司って、暦を作るので、暦の神様。

という感じですね。そして、初代天皇の神武天皇が、日向から大和へ攻めて来て、現在の奈良県橿原市にあたる所で、神武天皇が東征の途中で立ち寄った三輪山に祀られている大物主大神を祭った神社が、今の大神神社の場所だと言われています。

ちなみに、現在の奈良県桜井市にある箸墓古墳が、その大物主の墓ではないかという説があります。

その後、神武天皇は伊勢まで行き、そこで天照大神を祭っている伊勢神宮に行き、神宮参拝を行いました。

この時に、天皇が天照大神に献上したのが、『天の浮橋』と言われる石です。

これは、雲の上に乗れる不思議な乗り物だそうです。

天皇は、この石を船に積んで、自分の妻である媛巫女を乗せて、出雲の国へ行き、大国主神に会い、自分が誰であるかを話し、そして、娘の櫛名田比売と結婚させました。

こうして、天皇は国津神である事を知り、葦原中国平定の為に戦う事を決意しました。

この時、天皇は八十歳を超えていたと伝えられていて、その時に天皇は、神武天皇として即位したのだと言います。

この八十歳の時に、天皇が天皇となる事を決心した事に因んで、この日を『御即位の日』とされています。

さて、では日本の歴史から海外へ

『アメリカ』大陸の発見は、紀元前二千五百年頃の事だとされています。

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