第148 スタンピード
今日の討伐は休み。
なんか今日は落ち着かない。
まるで地震が来るような感じがする。
ダンジョンができて地震は来ないのにな。
そして、事務所で事務処理をしてたら、ダンジョンが揺れた。
地震か。
子供の頃に体験した地震を思い出した。
机の下に隠れる。
やがて揺れは収まった。
消防車のサイレンが聞こえてくる。
ダンジョンの外も地震があったのかな。
事務所に設置された警報器が一斉になる。
なんの警報器かと言えば、スタンピードのだ。
くそっ、スタンピードはまだ少し先だったはずだ。
「
「【マッピング】まだここまでモンスターは来てません」
「よし第3階層で食い止めるぞ」
第3階層に降りて、リフォームして第2階層との階段を塞ぐ。
こんなのじゃ防げないよな。
「【マッピング】、第3階層もまだモンスターが押し寄せてません」
「じゃあ第3階層のボス部屋の扉を封鎖しよう」
ボス部屋の扉を封鎖する。
そして、その扉を叩く音がした。
叩く音はどんどん大きくなる。
「【リフォーム】杭」
ボス部屋の内側に向かって杭を生やす。
これで扉の前にいたモンスターは全滅したはずだ。
「【マッピング】。第3階層のボス部屋に続々とモンスターが」
「【リフォーム】杭」
くそっ、もっと効率的に倒さないと。
「【リフォーム】、天井崩し」
「【マッピング】がれきを食っているモンスターがいます」
くっ、天井を崩したぐらいじゃ止まらんか。
「ここは退こう」
「はい」
第3階層は放棄した。
第2階層の落とし穴でも持ちこたえられないだろうな。
俺はダンジョンの住人に声を掛けて回り、リフォームで扉を強化した。
「【マッピング】。第2階層の落とし穴に続々と落ちてます」
落とし穴が埋まるのも時間の問題だな。
くっ、封鎖しても突破される。
やりたくはないが、外での戦闘を考えるべきか。
第2階層の落とし穴の所に壁を作る。
この壁も駄目なんだろうな。
今まで作った壁が突破されたのだから。
「先輩、ここで死ぬのは駄目です。逃げましょう」
「逃げるのは嫌だ」
「一時撤退して、復興を成し遂げてこそ、責任を取ったと言えるのでは」
くそう、何かないか。
起死回生の1発が。
「【リフォーム】、無限落とし穴」
第2階層の落とし穴を魔力の限り下に伸ばしてやった。
もう魔力はすっからからんだ。
もう何も出来ない。
「
「はい」
ダンジョンから出ると、街には火の手が上がっていた。
何が起こっているんだ。
スマホで情報を探ると、首都圏一帯のダンジョン全てがスタンピードを起こしたようだ。
何だって。
俺にもやれることはまだある。
魔力銀行だ。
あそこで魔力を補充する。
ありったけの魔力を融通してくれるらしい。
ツケでとの話だ。
混乱する街を車で走り抜ける。
途中出たモンスターはライフルで蹴散らした。
魔力銀行に着く。
「
「伺ってます」
魔力を祈りの像に溜める。
さて、うちのダンジョンからのスタンピードは防げるか。
Sランクダンジョンのスタンピードなんて洒落にならない。
戻ると、第2階層の壁はまだ崩れていない。
「【リフォーム】、杭」
壁の向こうのモンスターを血祭に上げる。
そしてそれを繰り返す。
「魔力もって来たぞ」
よし、杭を作りまくるぞ。
「ここいたか」
「
「おう、ここら一帯は粗方モンスターを退治したぜ」
「じゃあ後はここだけだ。【リフォーム】、杭」
「【マッピング】。先輩、ボスモンスターです。杭で死んでません」
「【リフォーム】、ドリル」
「やりました。穴に落ちて行きます」
そして、スタンピードが止まったが、扉にひびが入る。
最後の大物モンスターらしい。
崩れた壁から顔を出したのはドラゴンだな。
「【リフォーム】、ドリル」
ドリルは体表で砕かれた。
くそっ。
ドラゴンがブレスの体勢に入った。
「【リフォーム】、盾」
ダンジョン製の盾がブレスに炙られて真っ赤になる。
くっ、とにかくダメージを与えないと。
攻撃が通らないとどうにもならない。
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