第138話 秘書の自殺
今日の討伐は、土の砦を築いてる熊だった。
蟻塚ならぬ熊塚かな。
そして、熊は石を投げてきた。
その投擲は正確で、戦車にガンガン当たる。
まあ装甲を貫くほどではないが。
狙撃してやっつけたいが、砦から石を投げてはすぐに引っ込む。
接近戦もちらりと頭に浮かんだが、パワーも凄そうだ。
戦車とかひっくり返される危険もある。
ダイナマイト使えればな。
爆発物取り扱いの免許はまだだ。
撃ち合いという展開かな。
まあこっちには予見スキルもある。
1時間に及ぶ撃ち合いの末になんとか勝てた。
熊はフォートベアーと名付けられた。
みると熊塚はまだいくつもある。
これを全部やるのは骨だな。
「もう辛抱ならん。【リフォーム】砦壊し」
リフォームスキルで砦が壊れていく。
かなり魔力を使ったな。
3000万円分ぐらいは使ったかな。
守る砦のないフォートベアーなぞ恐れるに足らん。
射殺して簡単に終わった。
札束で叩くような攻撃もたまには良いだろう。
さあどんどん行くぜ。
砦などリフォームスキルの敵ではない。
全て壊滅させた。
フォートベアーの買取価格は安いだろうな。
熊肉が凄い美味だとは聞いてない。
手が美味いのは蜂蜜が染み込んでいるからだとどこかで読んだ。
でも都市伝説みたいなものらしい。
豚足みたいで美味いらしいからな。
胴体の肉はどうなんだろ。
あまり聞かないから分からない。
珍味としてならいけるかもな。
まあ期待しないでおこう。
討伐を終えて、事務所でテレビを見ていたら、
何でも、昨日の偽SP事件の手引きをしたのがこの秘書らしい。
で、過激派と繋がりがあって、
くそっ、こんなでたらめがまかり通っていいのか。
だが、証拠がない。
秘書の名前は
でなければおかしいだろう。
俺は
首相秘書ともなれば色々な人とつながりがある。
自宅を知っている人がいても不思議ではない。
家は関東首都圏の住宅地にあった。
家は一戸建てだ。
インターホンを押した。
「はい」
若い女の声で返答があった。
「お線香を上げさせてください」
「どうぞ」
玄関が開けられて、招き入れられた。
俺は仏壇に線香をあげて、手を合わせた。
ちゃぶ台にお茶を出されたので、座布団に座り、花と菓子折りを差し出した。
「失礼ですが、父とはどういったご関係で?」
娘さんは俺を探るような目つきだ。
状況が状況だけにそうなるのも分かる。
「直接に関係はありません。
「そうですか。私も父の死には疑問を感じてます。ですが、話すことは何もありません」
「俺は記者ではないのですよ。あの偽SPを捕まえた者です。あの偽SPは、俺に向かって発砲してきましてね。で俺は
「そうですか。私に何かしてほしいと」
「
「帰って下さい。あなたのせいで父は死んだのですね」
逆恨みされたが、これは仕方がない。
俺が首相官邸に忍び込まなければ起こらなかったのは事実だからな。
もっとも俺の責任だとも思ってない。
悪いのは
「それで気が晴れるなら俺を恨んでくれてもいいですよ。気が変わったら連絡下さい」
俺は名刺を置いて、家を去った。
俺は
ないとは思うが、もしもの時があるからな。
探偵にも色々な調査依頼をした。
とりあえず娘さんとの和解からだな。
親しくなれば何か
秘書なら
来客とかの情報もあるだろう。
賄賂に関する証拠が記載されているとまでは思わないが、とにかく何かは書かれているに違いない。
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