第130話 魔石コーティング製品
今日は討伐がない。
家の外は選挙カーが走りまくっている。
俺はダンジョン党所属の議員候補の選挙事務所に、菓子折りを持ってお邪魔した。
推薦はがきを候補から手渡しで貰った。
俺はこの候補に投票しよう。
ぶっちゃけうちの党なら誰でもいいからな。
忙しそうだから、早々においとました。
SLEに行くと、廊下に部屋の中にと大量の段ボール、中を見ると包丁がぎっしり。
在庫になった時のことを考えないのかな。
「オーナー、お疲れ様です」
「包丁売れてる?」
「そりゃもう。100円で仕入れた包丁が5万円ですよ。こんなおいしい商売はありません」
魔石コーティングしちまえば、元の包丁がどんなものでも関係ないか。
「他に魔石コーティングしたら良さそうな物ってあるか?」
「私はツーリングが趣味なのでバイクのヘルメットがいいですが、あれって硬すぎてもいけないんですよね」
「衝撃を和らげるスキルを付与したら、良いかもな」
「それはいいですね」
「他にはないか?」
「プライパンや鍋に始まる調理器具は試作品を作りましたし。そうですね、高い製品だとゴルフクラブとか」
「あれも硬いだけじゃ駄目だろう。詳しくは知らないが」
「ゴルフボールがどれだけ反発するかじゃないですかね。ウッドとか魔石コーティングしてみたいな」
「まあ、ゴルフクラブのメーカーと組んでやってみるんだな」
「いまのところ工作機械とかもやってますね。旋盤の刃、バイトって言うんですがあれとか、丸ノコとか、ドリルとか、グラインダーとか色々やってます」
「宇宙船とかいいかもな。耐熱性能がどれだけあるか分からないが」
「耐熱性能は良いみたいですよ」
うーん、熱を帯びるとかだと原発の内部とかかな。
そんなのはとっくに検討済みだろうな。
高い製品となると、宝飾品かな。
でも赤一色じゃな。
モンスター動物園の檻は、早々に魔石コーティングした。
モンスターを閉じ込める施設とかには良いかもな。
後は医療用か。
こっちは高い魔石コーティング製品を使う必要はないな。
金持ちは使うかもしれないが、一般的じゃない。
入れ歯とかもあるが、赤い歯はきっと不気味だろうな。
医療用は需要はないだろう。
自動車を考えているんだから、工事用の機械なんかは考えているに違いない。
機械関係だと、電気で使う導線だな。
魔石コーティングすれば腐食が防げる。
水道管みたいなのも良いな。
ただこういうのは安く出来ないと話にならない。
なにせそこら中に使うからな。
とりあえず、考えるのはこんな所だな。
また何か考えよう。
他の人も色々と考えてるに違いない。
「戦車、売れましたか?」
農機具メーカーに顔を出した。
「ぼちぼち、売れてますよ。ただ、魔石コーティングが高いので、かなり値段が上がりますね。なんだかんだで1000万はいきます」
「妥当でしょうね」
「冒険者の方々は大体が自分のスタイルを持ってます。剣を使っている人が、大剣に変えるのはありですが。戦車は敷居が高い。しかも金が掛かります」
剣を魔石コーティングするのとはわけが違うと。
戦車強いのにな。
きっと、戦車に乗っているとほとんどのスキルが関係ないってのも、影響しているんだよな。
「ダンジョンコアが勝手に獲れないってのも痛いのか」
「ええ、ダンジョンを制覇しても、勝手にダンジョンコア取ったら窃盗ですから」
「Cランク以下だと戦車使っても割に合わないか。Cランク超えるようなダンジョンを狩場にしている冒険者は戦車は使わない」
「そんな感じですね」
「レンタルとかどうだ。それなら初期費用が安く抑えられる」
「いいですね。上に相談してみます。人気がないのは主砲が貧弱というのもありますね」
「ああ、それは俺も思う。Aランクだと何発も食らってお陀仏だ。ひどいのになると急所に食らうまで動き続ける」
「法律の改正が必要ですね」
「そう思って政党を立ち上げたんだけどな。まだ区議会レベルだ」
民間は動きが早いけど、規制の壁が立ちはだかる。
政府の上はスタンピードなんか気にしないのだろうな。
自衛隊がもってしゃんとやれば良いのだけど。
今は海に出ることしか頭にないようだ。
船に魔石コーティングしたのは間違いだったかな。
外に目を向けるのもわかる。
海外との貿易が飛行機と飛行船だけだからな。
飛行船は遅いが、大量の荷物を積める。
でもそんなのじゃ、足りない。
日本は特に資源がないから大変だ。
魔石発電のエネルギーが無かったらどうなっていたか。
Aランク以上のダンジョンのフロア全てに殺処分ロッカーを設置すれば、日本の将来は明るい。
かなりの問題が解決する。
それが近道のような気がする。
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