第123話 落とし穴
さて、討伐だ。
俺は戦車の窓から外を見渡した。
今日は何を狩ろうかな。
『みんな、オークを狩って、一杯やろうぜ』
賛成の声が上がる。
オークキングを狙い、集中砲火。
オークキングは倒れたが、オーガが寄って来た。
『ここは任せろ』
ノコギリがギュイーンと唸り声を上げる。
俺はちょこまかとうろつくホーンラビット達をライフルで狙った。
くそう、当たらん。
こうなりゃ踏みつぶしてやるか。
戦車を前進させる。
蜘蛛の子を散らすように逃げるホーンラビット達。
むきー、ウサギは本来、草食のはずなのに、オークの肉を齧りやがって。
他のメンバーは近寄るモンスターをライフルで狙いまくった。
オークが接近したので、前進してパイルバンカーをぶち当てる。
そうだよ、こういう具合に行かないと。
戦車は小物を狙うようにはできてない。
大きな鳥型のモンスターが飛んできた。
名前は分からん。
ギガバードとかそういうのだろう。
飛んでる鳥にライフルはなかなか当たらない。
くそっ。
砲塔から出たライフルは、上の角度を狙うようにはできてない。
こうなったら、降りてきたところを狙ってやる。
向こうはこっちの事情を知っているのか、なかなか降りてこない。
オーガを始末し終えた、
ギガバードは羽毛を散らし落下。
当たったらしい。
戦車ばかりに頼ってたらだめか。
今のうちに死骸を回収しないと。
大草原フィールドは気が抜けないな。
リスポーンをふたつ停止させたので、今日の討伐は終り。
怪我がないようで何よりだ。
戦車の故障個所は金があれば直せる。
ホーンラビットとか小物が仕留めづらいのが分かった。
戦車でウサギを倒すとか想定してない。
群体の敵とか出てくるとしたら、虫系統か。
殺虫剤を噴射できるようにしておこう。
目潰しにもなるしな。
目潰しなら、目に入ると痛い液体の噴射機能も用意するか。
そんなに金をかけずに作れるはずだ。
スタンガンも用意するか。
魔石発電で電気はある。
すぐに作れるはずだ。
ホーンラビットは網を発射する機能をつけて貰うことにした。
ナイロンでもホーンラビットなら簡単に破ったりできないはずだ。
オーククラスになると引きちぎるけど、ゴブリン程度ならこれでもいい。
ホーンラビットも含まれる。
鳥対策は、ミサイルが欲しい。
欲しいが今の法律じゃなんともならん。
戦車の砲塔を上も狙えるように改良してもらった。
これで一応大丈夫なはずだ。
戦車は他の冒険者にも販売予定。
農機具メイカーも仕事が増えるのは嬉しいのか食いつきが良い。
いましばらく実戦データを集めてから販売といきたい。
俺は2階層のボス部屋のモンスター動物園を視察した。
ピクシー、プチウルフ、ビックスクワトルは、強化ガラスの飼育部屋に入っている。
ビッグウルフ、エッジタイガー、ハウリングベアは、直径15センチほどの鉄柱で作られた檻に入っている。
「暴れられたら、この設備では被害が出るな」
俺は
「緊急時は強力な眠り薬が展示室内に噴射されます。それに眠り薬の矢も背後から狙ってます」
「そうか。でも、実際に試してみるわけには行かないな」
「想定では大丈夫なはずです」
「先輩、ここはスタンピードの関となる予定ですよね」
「まあな」
「眠り薬だけでなくて、もっと強力な物がないといけないのではないですか」
「考えられるとしたら電気柵あたりか」
「3階層まで落ちる落とし穴とかどうでしょうか」
「無限ループさせるのか。モンスター動物園のモンスターが暴れた時は、上がってこれない3階層の穴に落としゃいいな。スタンピードの時は穴が埋まるが、横穴に行けるようにしときゃいい」
図にすると。
2階層
│ │
│ └
│ 3階層
│ ┌
│ │
└┴┴┘
こんな感じだな。
魔石コーティングしとけば、穴から這い上がれないはずだ。
魔石は滑るからな。
よし作ろう。
この工事をすることにした。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
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繰り越し 40,099万円
上級ポーション2個 608万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
魔力買い 537万円
家賃 100万円
分譲販売2部屋 6,000万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 537万円 47,217万円 46,680万円
ファンドメモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資16788口 1678億8千万円
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形 祈りの像 ミスリルのシャツ カモシカの足 戦車1号 力の腕輪
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖
反射の盾×2 衝撃の盾 浮遊の靴 収納の壺 蛸の手 眠りのオルゴール
金剛糸×2 オリハルコンの縫い針 熊の爪
分譲で儲けた金を何に使おうかな。
住民に給付するのもいいけども、地価は徐々に戻り始めている。
いつ起こるか分からない災害を気にする人もそんなにいないのだな。
とにかく、分譲のお金の使い道は考えておこう。
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