第3章 草原フィールド編

第122話 第3階層

 第3階層に初めて俺達は踏み込んだ。

 見渡す限りの草原。

 遠くにオーガやオークの姿がちらほら見える。

 小型のモンスターもいるな。

 あれはホーンラビットか。

 ゴブリンもいる。


 双眼鏡で偵察しよう。

 鳥系のモンスターもいる。

 怪鳥とかグリフォンも。

 これは一筋縄ではいかなそうだ。


 モンスターを見つけて撃つまではいい。

 血の匂いがすると、他のモンスターが大挙して寄ってくる可能性がある。

 死骸が回収できないと、オークとかは2倍体を生む。

 死骸に不味い調味料を掛けて、それを防ぐとか考えられるが、寄って来るモンスターはどうしようもない。


 戦車を使うしかないか。

 あれなら籠城戦みたいなことができる。


 まずは、一当てしてみようか。


「よし、遠くの敵に発砲」


 みんなが思い思いのモンスターを狙って発砲。

 外れたのもあったが、何発かは当たってモンスターを仕留めることに成功した。


 やはり、死骸に群がるモンスター達。

 予想通りだな。


「撤退だ」


 俺達は2階層まで逃げた。

 その他にも問題はある。

 いざという時にリフォームスキルを使う予定だが。

 草原の土にはダンジョンの魔力が通ってないみたいだ。

 手で掘って確かめたからたぶんそうだろう。


 今までリフォームスキルが最強だったのは、ダンジョンの壁や床とかに魔力が流れていて、硬かったからだ。

 普通の土をスキルで盛り上げただけじゃ、盾にもならないだろう。

 土の槍なんて竹槍よりもろいはずだ。


 俺のスキルがザコになるなんて、思いもしなかった。

 対策はある。

 大量に魔石を持ち込んで変形させて武器にすればいい。


 だが、戦車のノコギリとパイルバンカーの方が使い易いだろう。


 戦車はいま10台の予備がある。

 壊すつもりで作ったからな。

 ゴブリンでは大活躍してほとんど傷も作らなかった。


 さて、オーガとかの攻撃に耐えられるかな。

 業者に連絡して9台の戦車を届けてもらった。

 さあ出陣だ。


「【ネットワークライイング】。もしもし、念話は伝わってる?」

『先輩、聞こえます』

『おう聞こえるぜ』

『聞こえます』

『聞こえてるよ』

『よく、聞こえます』

『私にも聞こえますね』

『聞こえるよ』

『聞こえてるわ』


 スケルトンにも聞こえているらしい。


『じゃあ出発』


 全員のおうと言う声が伝わった。

 戦車で草原を行く。

 そして、モンスターに向かって主砲であるライフルを発射した。

 モンスターが倒れる。

 群がってくるモンスターにノコギリとパイルバンカーで応戦。


 やがて死骸の山を作った。

 戦車から降りて、無限収納に死骸を入れる。

 この瞬間が無防備だな。

 頼みは魔石で作った盾。

 いざという時は、槍に変形して、モンスターを刺し貫く予定だ。


『先輩、2歩前に行ったところが、モンスターリスポーン地点です』

『サンキュウ』


 2歩前に出て。


「【リフォーム】リスポーン停止」


 あと何回やればこの階層は平和になるのかな。


『あと、75回です』


 心を繋いでいるから、考えていることが漏れたのだな。

 気をつけないと。



 それから、もうひとつリスポーンを停止させた。


『今日は引き上げるぞ』


 引き上げて戦車の損傷具合を見る。

 ノコギリの損傷が激しいな。

 魔石コーティングすべきだと思う。

 パイルバンカーの杭と合わせてやっておこう。


 それと主砲であるライフルが折られたのが1件。

 突き出ているからこれは仕方ない。


 魔石コーティングされた装甲は損傷してない。


 この階層は余裕だな。

 戦車の弱点はひっくり返されると弱いことだ。

 オーガの怪力ならそういう事態も考えられる。


 モーターは魔石発電駆動だから、燃料漏れや、マフラーとかの心配はない。

 問題は主砲が少し貧弱だな。

 自衛隊並みの大砲が欲しいところだ。

 法案を作らないとどうにもならない。


 せめて自動小銃ぐらいはほしい。

 ミサイルとか使えればもっと良いんだが。


 上溝うえみぞさんに頼んで、硬化のスキルを戦車に付与してもらった。

 これでさらに安全なはずだ。


 業者にはひっくり返されたら起き上がる機能をつけてくれと頼んだ。


「この機能はたんこぶ作りますよ」

「緊急の時しか使わないから、乗り心地は求めないさ」


 油圧ジャッキでひっくり返ったところから、強引に元に戻る機能だ。

 シートベルトしてないと、大惨事になる機能だと思う。

 一回テストしてみたが、車に乗ってて土石流に巻き込まれたらこんな感じかなという感想しか出て来ない。

 何度もやりたいようなことじゃない。

――――――――――――――――――――――――

俺の収支メモ

              支出       収入       収支

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

繰り越し               27,511万円

上級ポーション1個             307万円

彫像10体                  10万円

弾丸製造                  500万円

魔力買い         529万円

家賃                    100万円

分譲販売4部屋            12,000万円

力の腕輪                  300万円

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

計            529万円 40,628万円 40,099万円



ファンドメモ


俺の出資1250口       125億円

客の出資14694口      1469億4千万円


 俺達の装備は。

俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形 祈りの像 ミスリルのシャツ カモシカの足 戦車1号 力の腕輪

藤沢ふじさわ 巧みの手 俊足のブーツ 力の腕輪 魅惑の香水 反射の胸当て 戦車2号

上溝うえみぞ 巧みの手 俊足のブーツ 戦車3号

番田ばんだ 不動の盾 猫の爪 堅固の胴鎧 猫の足 戦車4号

拝島はいじま 祈りの像 足捌きの脛あて 鷹目の冑 カモシカの足 戦車5号

御嶽みたけ 幻影のネックレス 耐衝の胸当て カモシカの足 不眠の冑 戦車6号 戦車7号 戦車8号 戦車9号


キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖

    反射の盾×2 衝撃の盾 浮遊の靴 収納の壺 蛸の手 眠りのオルゴール

    金剛糸×2 オリハルコンの縫い針 熊の爪


 第3階層の攻略が始まった。

 正直、討伐の手が足りてない。

 俺はどらにゃんの尻尾と灼熱の剣の名刺を探したところ、名刺は電子化してあるのですぐに見つかった。

 いましばらく討伐を行って感じをつかんだら、声を掛けてみよう。

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