第119話 秘密クラブ摘発
会員制秘密クラブに捜査の手が入るらしい。
それで見学となった。
あれを潰さないとな。
あれとは抜け道のことだ。
俺は立体駐車場の中に入った。
「【リフォーム】、扉溶接」
そして非常階段のところでも同じことをした。
さてお手並み拝見。
会員制秘密クラブの前で、警察官が捜査令状を出して読み上げた。
「大人しく開けるんだ」
警察官がそう言ったが、門番は知らんぷり。
時間を稼いで中の人間を逃がそうというつもりらしい。
「ちょっとやってもいいですか。そういうスキルを持ってまして」
「構わんが」
「では【リフォーム】扉よ開け」
鍵がリフォームスキルで壊されて、扉が開く。
警報装置が働いたのだろう中はサイレンが鳴っていた。
だが人っ子一人いない。
「無駄なのに。【リフォーム】隠し扉開け」
抜け道への扉が開いた。
警察官が中に入っていく。
そしてぞろぞろとあられもない恰好の男女が逮捕されて出てくる。
「くそう、抜け道のメンテナンスをやっていた奴は首にしてやる」
「わしは議員だぞ。不逮捕特権がある」
「現行犯逮捕は出来るんですよ。不逮捕特権があると釈放されたりはしますが」
「そんなことは分かっとる」
事務所に帰ると、ニュースで
モザイクが掛った逮捕映像は初めて見る。
「売春が秘密クラブで行われていたわけですが、どのようにお思いですか」
「じつにけしからんことですな。
「発端となったのは、秘密クラブで撮られた収賄の証拠写真です」
あの写真の映像が映し出された。
「警察の動きがこうも遅いと裏に何かあるのではと思ってしまうな」
「もっと早い捜査も可能だったと?」
「そうですな。写真が出た時点で、任意で取り調べてもいいと思いますよ」
「これから捜査はどうなると思われます?」
「とうぜん、ここまでくれば
どうやら、マスコミも動いているというか、
この様子では逮捕は秒読みだろう。
さあ打ち上げするか。
コの字の部屋で打ち上げパーティをする。
寿司職人が寿司を握る。
ネタが蜘蛛肉とランドオクトパスが多いのは仕方ないのかな。
あとオーク肉。
魔石コーティングされた漁船が、漁をするようになれば、もっと魚介類も増えるに違いない。
蛸とカニじやなくて蜘蛛好きだからいいけど。
でもレパートリーがな。
養殖されたサーモンはあるけど。
あとアナゴもある。
白身魚も欲しいところだ。
ああ、サーモンは白身だったか。
カクテルはさすがに魚介類は使ってないようで、こちらは昔の味と変わらないと思う。
いや3体のスケルトンもいるからペアではないな。
スケルトンの一体は
一体のスケルトンはすねている。
もう一体はなぜか笑っていた。
よく分からないな。
こちらもよく分からん。
まあ楽しそうだからいいか。
何の事業かというと魔力銀行の事業だった。
こういう時ぐらい、仕事を忘れたらいいのに。
でも魔力銀行はあったら便利だ。
魔力を金に換えるのは下級ポーションと酒と魔石コーティング辺りですでにできている。
これからもっと色々とやれることが増えるだろう。
ただ、魔力を溜めておくのに、祈りの像か魔石しかない。
魔石は繋がりを作る必要があるし、祈りの像は2つしかない。
この問題をどうやって解決するのかな。
ちょっと興味が出てきた。
「先輩、飲んでますか」
「ああ、楽しくやっているよ」
「仲間内の集まりに呼んでもらってすまねぇな」
「
「まあ、ドッグタグ貰ったからな」
やっぱり魔力銀行が気になる。
俺は事業説明の冊子を手に取った。
もう冊子を作ったのか。
手に取ると、魔力貯蓄の魔道具が載っていた。
どうやら、
あの本を解析したのだな。
それができたから魔力銀行か。
物凄く流行るような気がした。
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俺の収支メモ
支出 収入 収支
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繰り越し 21,620万円
上級ポーション2個 612万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
魔力買い 517万円
家賃 100万円
分譲販売2部屋 6,000万円
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計 517万円 28,842万円 28,842万円
ファンドメモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資9911口 991億1千万円
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形 祈りの像 ミスリルのシャツ カモシカの足 戦車1号
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖
反射の盾×2 衝撃の盾 浮遊の靴 収納の壺 蛸の手 眠りのオルゴール
金剛糸×2 オリハルコンの縫い針 熊の爪
部屋が順調に売れていく。
宝物が湧くというのが魅力らしい。
スタンピードの恐怖は薄れ始めている。
まあ、滅多に起こらないことだが。
それにしても危機管理ができていないな。
分かって買っているのだろうか。
理由は分かる。
殺処分ファンドでスタンピードの確率を低く予想して周知しているからだ。
低くしているはわざとじゃない。
付託なしの学者がそう言ったのだ。
そんなのを信じてしまうのだな。
俺は
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