第105話 夢へ投資
今日の討伐は休み。
ダンジョンの国の一括管理に対して考える。
国がダンジョンを買い上げて、管理するという方針だが、色々と穴がある。
まず第一に自衛隊の数が足りない。
たしかに海はモンスターの領域になり船舶の運航は難しい。
だから日本に攻めてくるというような外国勢力は考えられない。
たが、その代わりにスタンピードがある。
毎日のように小規模なスタンピードは起こる。
地震の代わりだから仕方ない。
ただ、海の中が圧倒的に多いから被害は限定的で助かっている。
スタンピードに対応するのは自衛隊だ。
もし、ダンジョンの管理を自衛隊がするとなれば、人員が足りないのは明白だ。
冒険者を雇えば良いという簡単な問題ではない。
冒険者は自分の意思で命をかけている。
それを国の命令でとなると、反発が予想される。
反対するにも今の制度が良くないと思っているから、頭ごなしには反対できない。
どう変えるべきか。
討伐に対して上乗せのお金を払うべきだろうな。
そうすれば討伐は盛んになる。
巡り巡ってスタンピードも減る。
特に不人気ダンジョンのモンスターにはたくさん金を出すべきだ。
その考えをメッセージとして吹き込んで配信した。
パラダイスサイバー関連の情報にも目を通す。
突然使えなくなって批判が前の会社のSLEに集中している。
だが、暴力団とかが確保した人間でパラダイスサイバーをやり始めた。
魔石との繋がりを作れる俺のスキルを付与する人間は管理しているが、金を積まれて暴力団に協力している人がいるようだ。
この展開は読めてた。
違法とされて警察が動くようにならないとどうにもならない。
暴力団の顧客リストを奪いに行くのはちょっとな。
おそらく巧妙に隠しているに違いない。
見つからない可能性が高い。
俺以外に魔石との繋がりを作るスキルを持っている人がいるらしい。
暴力団が確保したとの情報もあった。
パラダイスサイバーの流れは止まらないな。
俺の罪もあるが、一番の元凶は、パラダイスサイバーを生み出した
だが、なんとかならないかな。
魔石との接続の流れを監視するシステム、それが作れないかな。
逆流が起こると、場所の警告が出るみたい感じだ。
そういうのができれば、違法になった時に警察の捜査が簡単になる。
違法電子機器の法律制定はまだかな。
国はとにかく遅い。
まあ、穴が無いように法律を作るのは大変なのだろうけど。
俺はウルトラソフトウェアに来ていた。
「パラダイスサイバーの資料を読んだけど、暴力団に協力している奴は見つかったか?」
「それがなかなか難しくて」
「スキルを使ったドラッグが出てくるとは国も考えなかっただろうな」
「信憑性は定かではないですが、パラダイスサイバーは海外でも広まっているみたいです」
「俺以外に魔石との繋がりを作れる能力者を確保されたのは確実だな」
「ええ、社員の渡航歴はチェックしてますから別の人間ですね。麻薬を作った会社としてうちの会社は悪名を残すのでしょうか」
「だが、いまさら後戻りはできない。思考入力の便利さは証明されている。医療分野への応用も始まっているし」
「ええ、売り上げを見るとなんとも言えません。会社の上のほうも辞めるつもりはないようです」
「パラダイスサイバー監視装置の開発を頼みたい」
「仕事として受けるのは願ったり叶ったりですが、正直何から手を付けて良いのやら」
「思考の繋がりを感知すると簡単に言っても。魔力で繋がっているんだよな」
「ええ、魔力に関する研究が必要です。遅れている分野ですね」
「魔力の流れを制御できれば、ダンジョンの壁も自由自在だからな。金にはなる」
「その通りですね」
俺にもどこから手を付けたらいいのか分からない。
プログラマーは電子機器に詳しいけど専門家じゃない。
ウルトラソフトウェアの社員の方が詳しいぐらいだ。
画期的な発明だから、成功すれば、ノーベル賞も視野に入るだろう。
魔力というのは思考に反応する素粒子だと考えられている。
素粒子なら物理学の出番だろ。
よし学者先生にも金を出そう。
「やって欲しいことはあるか?」
「思考入力がイコール、ドラッグという風評被害は回避したいですね」
「何か考えよう」
「それと、逆流阻止で何かありませんか」
「魔法契約とかで社員を縛れたら良いんだが」
「法的に問題ありそうですね」
「まあな。違反したら命に係わるからな。これを強制はできない」
「軽い罰則でなんとかなったら良いですが」
「軽かったら違反者続出だな」
「魔法契約は選択肢のひとつとして考えよう」
「ええ」
どんな罰則なら良いだろうか。
付与したスキルはく奪とかできたらいいが、そんな便利ではないよな。
あとで契約魔法についても調べてみよう。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 60,096万円
上級ポーション2個 604万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
光の杖 10万円
オアシスの壺 2,511万円
監視システム開発 10,000万円
魔力の研究 10,000万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 20,000万円 63,731万円 43,731万円
ファンド収支メモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資6609口 660億9千万円
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 103,053万円
カイザーウルフ60体 4,500万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
エレファントスレイヤー12体 1,440万円
オーガ96体 5,280万円
弾丸製造 500万円
酒 12万円
転移輸送 854万円
最下級ポーション 527万円
くず鉄20トンほど 203万円
シャイニングストーン 1,454万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 121,219万円 121,219万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -48億円
出資金 125億円
オアシスの壺がふたつ目だ。
きっと、一般的な野営道具だったのだろう。
高値がついていいことだ。
給水車を一台1000万ぐらいと聞いた。
簡単に持ち運べて、魔力さえあれば永遠に水を出すオアシスの壺は、それぐらいの価値があるのだろう。
光の杖は懐中電灯と変わりない。
よくも10万円で買ったと思われる。
玩具とかコスプレ用だろうか。
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖 反射の盾 衝撃の盾
浮遊の靴 収納の壺
だいぶ装備が整ってはきている。
カモシカの足とか欲しいな。
反射の盾系統も人数分欲しい。
足らない物がたくさんあるな。
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