第104話 光石
今日の討伐はランドオクトパスだった。
陸に蛸がいても驚かなくなった。
サクっとやって食材になってもらう。
宝物は、収納の壺。
亜空間収納と同じだ。
ただこちらは持って歩くと割ってしまいそうだ。
倉庫として使うのが正しいと思う。
キープだな。
次の討伐はメイズスパイダーだった。
すぐに仕留められた。
宝物は金剛糸。
その名の通り丈夫なのは分かるが、消耗品じゃな。
量産する魔道具なら億の値段が付いただろう。
ニュースはもっぱら、ダンジョンの国有化がなるかどうかというところ。
国の管理はずさんだから任せてはおけないという意見と、いいや危険物を扱うなら国が責任もってやるべしという意見に分かれていた。
俺は国には任せられない派。
ダンジョンの管理をお役所感覚でやられたらたまらない。
ダンジョンの実情を数字で見られてたまるかと思う。
殺処分ファンドの儲けるもネタとして俺は光石の採取と再生に取り組んだ。
光石というのは何かというとダンジョンの天井にあって明るく照らしている石だ。
これを採取するにはダンジョンを壊さないといけないわけで、普通は硬くて歯が立たない。
だが、俺のリフォームなら切り離せる。
切り離された光石は、魔力の供給が絶たれると普通の石に戻る。
これに魔力を注ぐとあら不思議。
光り輝くというわけだ。
ただダンジョンから切り離すと光石は無くなってしまう。
再生しないと資源としては使いづらい。
光石を採取してLEDの灯りに切り換えるなど本末転倒だ。
光石の価値が低いから返って高くつく。
宝物みたいに無限に光石が湧くようにできないのか。
ダンジョンコアって創造しているとは思えない。
だって2階層の宝なんて異世界人のお古だ。
ただ、異世界に光石があるのなら、ダンジョンコアが異世界で採取して地球に持ってこれるはずだ。
「光石のこと何か分かりました?」
俺はサンプルとして光石を
「この魔力の流れは興味深いですね。まるで電気抵抗のようです。光石に魔力を通すと魔力の流れがゆっくりになります」
光石は電気抵抗みたいな感じか。
そういう物質と言えばその通りなんだけど、これを人工的に作れないかな。
ダンジョンの壁はスムーズに魔力が流れているらしい。
これに何か混ぜたら、光石が作れないかな。
ええと、魔力を通さない物。
そう言えば大気には魔力を阻害する物質があるんだった。
その物質はダンジョンの中にもある。
それをダンジョンの壁と混ぜたら。
「【リフォーム】。やったダンジョンの壁を光石に変えられたぞ」
でもな、切り離すには俺のリフォームスキルが要る。
電球の代替品を作るなら、魔石弾でも作ったほうがいい。
一般人に光石が作れて、採取できれば良いのだが。
俺のリフォームスキルを付与しても10分の1程度の威力じゃ仕事としては成り立たない。
そんなことを考えながら歩いていたら、
「考え事ですか?」
「光石について考えてた」
「電気に頼らない照明って、電気の影響を受けては困る研究施設とかで重宝しそうです」
「安価なのだと化学反応で光るやつとかもあるから。高くは売れないな」
そうか、作る手間が問題というよりいかに高く売るかが問題なのだ。
「子供のおもちゃとかに良さそうなんですけどね。光って綺麗ですし」
「それだ。ダンジョンにダイヤモンドを持ち込んで、魔力疎外物質と混ぜる。光る宝石は売れるぞ」
「ジルコニア辺りで試してみたらいいですよ」
ジルコニアを光石に変えてみたところ、発光する不思議な宝石ができ上がった。
アクセサリーにいいかもな。
これなら俺の10分の1の威力でも仕事になる。
単価が高いからな。
早速、光る宝石の生産が始まった。
シャイニングストーンという名前で売り出した。
これはヒット商品の予感。
ジルコニアは安いので、ジルコニアのシャイニングストーンは玩具やキーホルダーに使われた。
ダイヤモンド、ルビー、サファイアは高級志向だ。
安いのはやりたくないが、裾野を広げる意味でも安価な商品も必要らしい。
安酒があって高級酒があるようなものか。
バリエーションも必要なのだな。
オパールとかも光ったら綺麗だと思う。
他にも色んな種類の宝石がある。
商品開発は
彼女なら上手くやるだろう。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 58,404万円
上級ポーション2個 606万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
浮遊の靴 300万円
金貨23枚 265万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 60,096万円 60,096万円
パーティ収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 45,449万円
ランドオクトパス 115万円
メイズスパイダー 85万円
金剛糸 105万円
弾丸60発 6万円
弾丸用魔石 150万円
付与魔法依頼 50万円
魔力買い 124万円
浮遊の靴 300万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 630万円 45,754万円 45,124万円
ファンド収支メモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資6387口 638億7千万円
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 86,165万円
カイザーウルフ60体 4,500万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
エレファントスレイヤー12体 1,440万円
オーガ96体 5,280万円
弾丸製造 500万円
酒 12万円
転移輸送 809万円
最下級ポーション 514万円
くず鉄20トンほど 203万円
シャイニングストーン 234万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 103,053万円 103,053万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -48億円
出資金 125億円
2階層から出た浮遊の靴は、魔力を込めると空中に立てる。
溶岩地帯だとか沼とかで活躍しそうだ。
キープしておいた。
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖 反射の盾 衝撃の盾
浮遊の靴 収納の壺
収納の壺は使わなくてもキープすべき宝物だろう。
亜空間収納はオークションにも滅多に出回らない。
お金に困ったら売るとしよう。
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