第91話 宝物の価値
この部屋はメイズスパイダーだな。
蜘蛛糸で迷路ができている。
視界が確保できないこの迷路は銃の天敵だ。
と思ったら
「マップスキルで位置が分かっていたので」
「私のは予見で当たる未来が見えたので」
「まあ、楽に倒せるならそれで良い。宝箱があるはずだ。回収しよう」
宝箱位置も
宝物はモノクルだった。
特殊なアイテムかな。
装着するとスキルや細かい情報が分かった。
スリーサイズまでだ。
高く売れるだろう。
その名も『ストラテジー』、知略スキルだ。
頭が良くなるらしい。
作戦を考えたりしてくれるのかな。
だが魔力効率は悪い。
ひとつのことの答えを出すと、魔力切れ。
切り札だな。
「実に良い。これで
次も蜘蛛だった。
こっちはエンペラータランチュラ。
銃の敵ではなかった。
良い的だ。
宝物は祈りの像。
俺はモノクルで見てみた。
魔力充填の機能があるらしい。
魔力を溜めていざという時に使う。
起動パスワードが付いている。
モノクルが無かったら二束三文で売ったぞ。
これも切り札だな。
モノクルは売らない方が良いな。
今まで出た宝物も凄いお宝だったかも知れない。
帰って早速ロケットペンダントを見る。
追憶のペンダント。
亡き人との思い出に浸れますとある。
魔力を込めて起動パスワードを入れると発動するらしい。
どうやらこの手の道具には起動パスワードはお約束らしい。
モノクルに付いてなくってよかった。
やってみた。
見知らぬ女性が笑って何やら話をしてる。
料理している記憶もある。
一緒に愛し合った記憶も。
俺は見るのをやめた。
他人の情事を見るのが不謹慎だと思ったわけではない。
この記憶はペンダントの持ち主の物だ。
俺が見ていていい物ではない。
記憶をリセットできるらしい。
リセットして、代わりに
これでいい。
この記憶は俺の物だ。
他人の目から見る自分はまた趣が違うだろう。
美しい刃文の剣は、きらめきの剣。
幻惑する効果が付いているらしい。
要らんな。
鞄はなんと亜空間収納。
これは使える。
ブーツは俊足のブーツ。
サイズ調整機能付きだ。
これも使える。
酒瓶は魔力を注げば酒が出るらしい。
飲んでみたが普通に美味い酒だった。
ぶっちゃけ要らない。
美味い酒なら金を出せば買えるからだ。
だだ、異世界の酒ということで人気が出るかもしれない。
キープか。
銀の籠手は巧みの手というアイテム。
弓の命中率が上がるらしい。
銃で試してみたところ命中率が上がった。
このアイテムは使える。
宝石の嵌ったバックラーは不動の盾。
どんな一撃も魔力が続くかぎり受け止めるらしい。
切り札だな。
金のスプーンは、浄化のスプーン。
毒を無毒に変えるらしい。
毒殺の心配はいまのところないから要らん。
マントの名前は身隠しのマントだった。
光学迷彩みたいなものか。
勘のいいモンスターだとかだと見破られるのだろうな。
とりあえずキープだ。
きらめきの剣と浄化のスプーンは売ろう。
ガラクタだと思ったらSランクダンジョンに相応しい宝物だったな。
区長から電話があった第三セクターの議案が通ったと。
いよいよ始まるのか。
殺処分ファンドと部屋の取り合いになるな。
それと、住む住人も増やしたい。
10階層ぐらい制覇したら、部屋が余ってしょうがない事態になるのだろうか。
先のことは分からない。
俺はピクシーを飼っている男性冒険者に会いに行った。
「嬉しいな。メイプルちゃんに会いに来てくれるなんて」
驚いたことにピクシーは服を着ていた。
「服を着せたのですね」
「全裸もエロくていいけど、鑑賞するなら服を着せないと。セーラー服や、スクール水着、ブルマもあるよ」
俺にはついていけない世界だ。
だがそんなことをいうと気分を害するだろう。
「何か問題は?」
「モンスター専門医がいないことかな。たまに調子が悪い時とかがある。大抵は人間の食べ物を拾い食いしてお腹を壊しているだけだけど、不安になるんだよ」
「
モンスター専門医か。
モンスターが死んだら新しいのを捕まえて来いとか言ったら憤慨するんだろうな。
次にプチウルフを飼っている女性冒険者に話を聞いた。
「ミカヅキに会いにきてくれるなんて、嬉しい」
ミカヅキと呼ばれたプチウルフはお座りして尻尾を振っていた。
どうやら敵対はしてないみたいだ。
そして立ち上がると俺の匂いを嗅ぎにきた。
挨拶というわけか。
体から首筋、頭を撫でてやる。
「賢そうだな」
「ええ、敵意のない人には吠えません。押し売りなんかが来ると体を張って阻止します」
「困ったことはないか?」
「飼い方は犬と一緒で大丈夫みたいです」
「病気とかは?」
「動物病院で見て貰ってます。ダンジョンから出せないので往診にはなりますが」
ほとんど犬だからな。
獣医も抵抗がないのだろう。
「しいて言えばというのはないか」
「散歩する場所とドッグランみたいなのが欲しいですね」
「ダンジョンの中なら自由に歩いてくれてもいいぞ」
「それが部屋から出たがらないのです」
ああ、部屋に縛り付けてあるんだった。
「部屋からは出られないようになっている。連れ出すにはまた工夫が必要だな」
スタンピードの命令を打ち込んで外に出すのは危険だろう。
草原のフィールドとかがあると良いかもな。
それなら自然豊かな環境で散歩できる。
今後に期待だな。
「すまん、解決策が思いつかない。解決策ができたら報せる」
フィールドタイプの階層を制覇しないとな。
そうすれば、色々な事業が展開できるだろう。
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俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 49,735万円
上級ポーション2個 608万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
モンスター除けの鈴 507万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 51,360万円 51,360万円
パーティ収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 22,679万円
メイズスパイダー2体 170万円
エンペラータランチュラ2体 176万円
浄化のスプーン 487万円
弾丸60発 6万円
弾丸用魔石 150万円
付与魔法依頼 50万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 206万円 23,512万円 23,306万円
ファンド収支メモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資3384口 338億4千万円
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 38,186万円
カイザーウルフ60体 4,500万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
エレファントスレイヤー12体 1,440万円
オーガ96体 5,280万円
くず鉄114トンほど 1,145万円
弾丸製造 500万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 54,447万円 54,447万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -48億円
出資金 125億円
空き部屋の宝箱からモンスター除けの鈴が出た。
効果はどれほどかは分からないが、きっと金持ちが買っていくのだろうな。
浄化のスプーンは工場排水で汚染された湖とかに使うらしい。
毎日魔力を込めてやっても、何年も掛かる計算らしい。
他の方法でも何年も掛かるから、安い出費とのこと。
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