リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにしました。あらぬ罪を着せて会社を首にした奴らにざまぁしてやる。不幸続きだった俺がスキルの力で幸福に~
第73話 閑話・香川《かがわ》輝美《てるみ》の野望
第73話 閑話・香川《かがわ》輝美《てるみ》の野望
Side:
私は
思い起こせば、私が18歳の頃、父が事業で失敗した。
心労が重なったのか父は危うく交通事故で死ぬところだった。
「お嬢さん、助けておいて言うのも何なんだが、1000万だ」
「そんなお金はありません」
「ビジョンを聞かせろ。ことと次第によってはツケにしておいてやる」
この男は私に1000万円を稼げと言うのね。
ただ今でなくても良いというのが優しさなのかも。
私は必死に頭を働かせた。
「父を助けた状況を教えて下さい」
ヒントの鍵があるような気がしたの。
「俺がタクシーに乗客として乗って交差点待ちしてたら、あんたの親父さんが車で突っ込んで来た。俺はタクシーから降りると親父さんの車を受け止めた。でどいつがこんな無謀な運転したかと運転席を見たら、親父さんの意識がなかったんだ。中級ポーションがあったのでとりあえず飲ませたら、意識を取り戻したってわけだよ」
この男は冒険者なのね。
冒険者は儲かりそう。
でもスキルが生えてない私ではきっと稼げないわ。
冒険者になって下の方から這い上がるのは大変でしょうね。
父がよく言ってたわ、汗ではなく知恵を出せと。
冒険者は駄目。
そうよ。
スキルで金を稼げばいいのよ。
手始めに株の投資ね。
「予知スキル持ちを集めて、株の投資をやれば絶対に儲かるわ」
「ほう、予知スキル持ちが協力してくれるかな」
「協会に依頼を出すわ。いくら金を積んでもいい。私の大学へいく費用と結婚資金が積み立ててあるから、これで足りするはず」
「面白い、ツケにしといてやる」
まずは予知スキルの情報よ。
長い時間を予知するほど魔力が必要になって、精度も落ちる。
何人かの予想とコンピューターシステムを組み合わせればいいのよ。
そんなに難しいシステムではないはず。
何度か試験運用して、本番に臨んだ。
一日で数千万稼いだ。
次の日はその金を元に数億を。
そして。
「
「スキルの使用がインサイダーにあたるとは思いませんでした」
「早急に法律を作りますが、もうやらないで頂きたい。分かりますね」
「まあ、いいでしょう。だいぶ稼ぎましたし」
スキルって儲かる。
父の借金も返せたし、もうお金を稼がなくていいけど、一度知った蜜の味は忘れられないわ。
次はスキル持ちを派遣する事業をやってみようかな。
冒険者協会でも依頼を受け付けているけど、あの依頼には審査が必要。
グレーゾーンの依頼は絶対に受けない。
私ならグレーゾーンの依頼を受けるわ。
ただし、予知スキルと組み合わせましょう。
犯罪行為の仕事は予知スキルで潰せば問題ないわ。
幸い予知スキルの情報の精度を高めるコンピューターシステムがあることですし。
スキル持ちには、冒険者協会より手当を出せると思う。
儲かる未来しか浮かばない。
さて、とっとと大学を卒業して事業を始めましょうか。
大学にいる間にスキル持ちとのパイプを構築すればいいわ。
冒険者ではないスキルホルダーもかなりいる。
副業を勧めるのは悪いことじゃないと思う。
「
父が家のリビングで算段していた私に話し掛けてきた。
「ええ、お金儲けが楽しくって」
「父さんにもまだ人脈はある。色々な人を紹介してあげよう」
「ありがとう」
「会社はつぶれたが、お前が楽しくお金儲けをしている所をみるとこれで良かったと思うよ。人を紹介するぐらいしか出来ない不甲斐ない親でごめん」
「いいえ、既存の会社ではここまで楽しくなかったと思う。私はスキル関係の事業で財閥を作ります」
「大きく出たな。トンビが鷹を産んだか」
そして、現在。
やられた。
モンスターの殺処分でファンドを作るなんて。
人を紹介したのは私だけど、負けた気分だわ。
今からでも参入したい。
でもどうやってダンジョン内に殺処分部屋を作ろうかしら。
モンスターの死骸を運び出すのも一苦労だわ。
それに殺処分ロッカーをダンジョンに吸収させないようにするには、
彼に頼むとかなりお金を要求されそう。
何かで貸しを作るしかないかな。
考えておきましょう。
今はスキル覚醒塾の拡大で手一杯だわ。
いろいろと手を出すのは、会社の経営としては、プラスの面もマイナスの面もある。
スキル覚醒塾で制作系スキルが現れた人を集めて、物を作る会社もやりたい。
運動系スキルはサーカスやプロレスみたいなショービジネスが良いかも。
事業の展開は色々と浮かぶ。
スキル覚醒塾で得た伝手は今後も活きそうね。
だけど、まだまだ。
私の野望は始まったばかり。
私はぐっと拳を握って決意を新たにした。
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☆1000お礼の閑話です。
2話同時投稿の2/2です。
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