第72話 閑話・ダブルデート
「先輩、ダブルデートしませんか」
「なんでまた?」
「
「まあいいか。高校生に戻ったみたいで、ちょっと気恥ずかしいが、赤面する歳でもないし」
「では、二人に話しておきます」
服の種類は分からないので、何のかは言えないが。
ただしこちらは服に着られているという感じだが。
俺と
でも、
呼びに行ってから出て来るまでだいぶ待たされたからな。
ダブルデートの最初のチョイスは恋愛物の映画だ。
避暑地で巡り合った男女が恋に落ちるという物語。
そして、別れの時が来る。
この映画の良いのはそれで終わりではなく。
都会に戻った二人が偶然出会い。
もう離れられないと婚約して終わるところだ。
悲恋だったらちょっとデートに相応しくない。
そして、お腹も減って喉も乾いたので、キャットカフェに場所を移した。
「先輩、猫可愛いですね」
「まあな。飼うにはちょっとだが。たまにこういう所に来るには良い」
「きゃっ」
「これを使うと言い」
「巻いて下さる」
「ああっ」
初めて手に触れるのだな。
初々しい反応だ。
ぎこちない手つきで
「では、我々はこの辺で失礼して」
俺は盛り上がった二人を邪魔しないように、
まあいいか。
「遊園地でも行ってから帰ろう」
「もう少し大人の場所に行きたいですが、まあ良しとしますか」
「バーとか行って飲み過ぎたら、明日の仕事がきついだろう」
「そうですね」
どちらともなく
あの二人に当てられたかな。
遊園地ではペアルックの被り物とかしたり、アイスクリーム一つを二人で分け合って食べたりした。
「次はあれに乗りましょう」
「そうだな」
観覧車に入ると、ゴンドラは動いて、地上からは覗けなくなった。
それを狙っていたのか
「今日は特別だ」
「ええ」
ちょっと一線を越えかけたが、まあなんだ。
密室で何がなされたかはご想像にお任せする。
「ちぇっ」
地上が近づき、
楽しいことは一瞬で終わるものなのだよ。
ダンジョンに帰ると、
「ありがとうございました」
「礼を言われるほどじゃない。でどこまで行けた」
「手を繋いで行動することができた。でも恋人繋ぎが出来たんだ」
「それは進展したな」
「ええ、
二人のペースでゆっくりと進展すれば良い。
相談なら乗ってやることができる。
部屋のドアが荒々しく開けられた。
「ひどいではないか。のけ者にして」
そう言って現れたのは
「誘おうかと思ったが、
「そうか。やはり他人はあてにはできないな。予見スキルさえあればイエスを勝ち取れるはずだ」
まあ、頑張れよ。
「分かっていると思うが、
「ならば、
「それなら、気を引けるかもな」
「それと投資の話なども良いかもな。スキルを使った投資を考えるとしよう」
パーティメンバーに幸あれ。
ハッピーエンドが訪れるといいな。
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☆1000お礼の閑話です。
2話同時投稿の1/2です。
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