第53話 住人交流会
今日は休みにして、住人交流会を開くことにした。
参加者は、俺と
空き部屋の中で一番広い部屋を会場とした。
おおよそ20畳はある部屋だ。
「忙しい中、お集り頂きありがとうございます。飲んで大いに喋り交流してみて下さい。では乾杯」
みんなから乾杯の声が聞こえた。
「階段、作れませんかね」
「2階が欲しいということですか」
「猫が階段が好きなんだよ」
「私も猫ちゃんが器用に階段を下りる仕草が見たいです」
猫の話が好きなのか、
「ええと、意味のない階段を作るのも芸がないな。ロフトではどうでしょうか。ダンジョンの天井は、オーガの背より高さがあります。2階は無理でもロフトなら」
「いいね。階段の勾配は俺に設計させてくれ。猫ちゃんにちょうど良い、階段というのがあるんだ。それに滑り止めも必要だ」
「俺のスキルでダンジョンと接続すれば、階段に張ったカーペットがボロボロにならないで済む」
「それはいい」
「猫ちゃんの爪が痛まないでしょうか?」
心配そうな
「試験的に作ってみたらいいかもな。後で空いた時間にやろう」
ダンジョンと何かを一体化するのは考えてなかったな。
応用の利きそうな技だ。
これを思いついただけで、今回の会をやった意味がある。
殺処分ロッカーもあとでダンジョンと一体化しておこう。
二人が去って行き、
「カニの肉美味しいですね。カニのモンスターというと海ですか。海はモンスターの巣窟で船で出ると瞬く間に沈められると聞いてます。どうやったのです。何か有用なスキルでもあるのですか」
「海産物が取り放題のスキルがあったら良いのですが、手に持っているのは蜘蛛の足です」
「そうですか。カニの代替品として売れそうですね」
パクパク蜘蛛肉を食っている。
「ふむ、カニの養殖場の株が下がるかな。いかんいかん、株はもうできないというのに」
「
「私のスキルはインサイダー取引にあたるそうなのですよ。私名義で株の取引はできません。
「友達に上がる銘柄を教えたりすると、抜け道になりそうですね」
「それが、スキルで監視しているらしいですよ。ねぇ、
「ええ、神託系や盗聴系のスキルを駆使しているともっぱらの噂です」
「それは大変だ」
「目下のところ私は失業中なわけです。まあ貯蓄は何十億とあるので、働かなくて食ってはいけるが、生きる張り合いがない」
「モンスター退治なんかどうです?」
「私、運動はからきしでして、たぶんモンスターの餌になるのが関の山かと」
指示して貰えるだけでもありがたいのだけど、無理は言うまい。
「機会があればその時は」
「ええ」
この二人がカップルになるのか?
何でも色眼鏡で見るのは良くない。
でも、
邪魔しないでおこう。
感心したよ。
海産物か、海のフィールドがあったというダンジョンの話を聞いたことがある。
それをリフォーム出来たら、一攫千金も夢じゃないな。
プライベートビーチなんか持てたら、大金持ち気分だ。
浜辺に別荘を建てたりして、そんでフィールド内で育てた魚を釣りまくるんだ。
サザエやアワビなんかもいいな。
ウニとか子供の頃に食べたきりだ。
「先輩、何か楽しそうですね」
「海のフィールドをリフォームしたら楽しいだろうなと」
「いいですね。裸で泳いでも誰も見てないわけですか。先輩、顔が赤いですよ。想像しました」
「こら、からかうなよ」
「えへへ」
殺処分ロッカーのリフォームに取り掛からないとな。
やることが一杯ある。
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俺の収支メモ
支出 収入 収支
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繰り越し 54,559万円
上級ポーション2個 606万円
彫像10体 10万円
カイザーウルフ60体 6,000万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
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計 0円 64,571万円 64,571万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -74億円
スタンピード積み立て金 100億円
蜘蛛は味も美味しいし、金銭的にも美味しい。
2階層にも出現しないかな。
いや、蜘蛛だけに限らず、2階層にはもっと美味しいモンスターがいるに違いない。
そう考えると、先行きは明るい。
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