第45話 収穫の時
朝、起きて殺処分部屋を回り始める。
部屋の中に、でかい石のロッカーみたいなのがあると、凄い違和感だ。
完全に密閉されているので、カイザーウルフはたぶん死んでいるよな。
「
「【マッピング】モンスターの反応はありません」
「【リフォーム】、壁解除。やった、死んでいる」
カイザーウルフが舌を出してピクリとも動かない。
しかも、6頭もいる。
生き物を殺す罪悪感はとうに薄れた。
だが、共生の道を探すことは忘れない。
いまはまだ殺すことしかできないけど、救うことができるようになったら必ず救う。
そう心に誓った。
これ一体で100万円の儲けだから、これはポーションより美味しいのは明白だ。
たぶんモンスターのリスポーン間隔は2時間ぐらい。
死んでいると、リスポーンしないが、窒息死しているとリスポーンが働く。
ええと、24時間で12体が死ぬ。
毎日1,200万円の報酬か。
ええと月に3億6千万円。
オーガだと半分ぐらいだけど、それにしても稼げる。
カイザーウルフの毛皮の値段が落ちないだろうか。
落ちた時はその時だな。
殺処分ロッカー付きの部屋は20億で売ってもいいな。
だが、殺処分ロッカーの開閉は俺じゃなきゃ出来ない。
際限なくは増やせない。
なんでかと言うと、クールタイムは短くなっているけど、まだ1時間は切れないからだ。
やっぱり、5部屋ぐらいの殺処分部屋が妥当か。
「大儲けですね」
「ああ、他の部屋も回ろう」
他の4部屋も窒息死していた。
でもまだ焼け石に水だ。
このぐらいモンスターを狩ったところでスタンピードは防げない。
だが、さらにお金が入ったことでホクホク顔になった。
「やけに嬉しそうだな」
討伐にきた、
「窒息でモンスターを殺す部屋を作ったんですよ。カイザーウルフを楽に倒せてウハウハです」
「気をつけろよ。浮かれていると足をすくわれる」
「分かってます」
ヘルプ要請が来たので行ったら、相手はオークだった。
骸骨の首飾りに武器は杖。
ジャラジャラ音を立てる腕輪や足輪。
「踊らせるな。呪いを掛けてくる」
なるほど、確かに恰好が呪術師だ。
オーク呪術師が笑いながら踊る。
俺の腕を見ると真っ黒になってた。
腕が自由が利かない。
石化したように固まっている。
「【リフォーム】、槍」
オーク呪術師は踊りながら避ける。
動きが不規則でスキルが当たらない。
くっ、こんな所で死んでたまるか。
さらに足が呪いに侵された。
当たらない時は工夫する。
「【リフォーム】、
ダンジョンの床が
オーク呪術師の動きを阻害した。
「【リフォーム】、槍」
今度こそオーク呪術師を仕留められた。
「
「はい、呼んできます」
「あー、情けないよな。気をつけろと言っておきながら、このざまだ」
「あれは仕方ないですよ。呪術ですよね。踊れば発動なんてずるいです」
「術が発動する前に倒さないといけなかった。ソロの限界だな。俺は人間関係がうっとうしくてパーティを組んじゃいないが、これを教訓にするんだな」
「はい、パーティは組もうと思います」
「それが良い」
話をしているうちに、解呪師が到着。
「【ディスペル】。どうですか?」
「何ともないぜ。ありがとな」
「俺もおかしな所はありません」
この頃、死に掛かる率が高い。
Sランクダンジョンが半端ないということは分かってはいるが、もっと安全にいきたいものだ。
呪い対策として聖水がある。
アンデッドにも効く。
聖水にもランクがあって、上級は馬鹿高い。
でも命の値段には変えられない。
解毒のポーションと合わせて、買いこんだ。
もっと前にこういうのを揃えないといけなかった。
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俺の収支メモ
支出 収入 収支
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繰り越し 21,163万円
依頼金 100万円
上級ポーション3個 921万円
彫像10体 10万円
カイザーウルフ30体 3,000万円
解呪代 32万円
上級聖水 500万円
上級解毒ポーション 500万円
スタングレネード10個 5万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 1,137万円 25,712万円 24,575万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -84億円
部屋を分譲するより殺処分部屋のほうが儲かる。
でも分譲はスタンピード時の補填のリスクを減らす。
それに討伐が進めば部屋なんかいくらでも確保できる。
なるべく分譲する方向で進もう。
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