第7話 進化

何度か早馬の往復をした後、なんと皇族の何人かが遊びに来てしまった。

方々に協力をお願いし、プリンセスタウンで何とかもてなす。


「映画とは素晴らしいな!」

「素敵なドレス!」

「おと、男がドレスを着てる!?」

「女の子がズボン履いていいの!? 働いていいの!?」

「文官を探しているようだな。私に任せろ!」

「外交官なら任せてちょうだい」

「僕も文官する!」

「私も働く!」


 なんてことだ。我が領地に皇族を雇う金はないぞ。税金を取ってないからな。


「恐れながら! 我が領地にお金はないのです。何故なら5年間税金を取らない約束でこの素晴らしい街を誘致したからです。かく言う私も領主業の他に自分で狩りをして稼いでいるぐらいです」

「まあ……じゃあ寄付をしますわ」

「郷に入っては郷に従え。どのように収入をえればいい?」

「狩りならできるぞ」


 さ、さすがだっ……! さすが皇族、ぐうの音も出ない!


「じゃあ、ひとまず街を設計しましょうか……。実は、一応街の模型はもう出来ているのです」

「模型?」


 私は、王子達を案内して、いくつかの街の模型を見せた。


「素晴らしい!」

「どの街も素敵ねぇ」

「もちろんプリンセスタウンも素晴らしいが」


 投票で街を選び、修正を加え、着工が始まった。

 その間も信者は増え、小神レベルが4になった。

 

 4は街作成と勇者任命だった。うーん街を依頼して建ててもらう意味。

 

 まあいい。街の竣工式と同時に勇者を決める催しをしよう。

 気品と美しさとドレスの豪華でポイントを競ってもらおうかな。


 プリンセスレベル7は選択制の歌による魔法、そして植物育成。

 プリンセスレベル8は意表をついてダンスが上手くなるオンリーだ。

 プリンセスレベル9はステータスが全体的に上がる。動物1匹の強化ができる。

 プリンセスレベル10はプリンセスキッス。これは選択制の魔法。生産は紅茶。


 だいぶ好き勝手してしまったな。

 

 プリンセスジョブの進化は……おお、チートにしすぎて三段階進化は無理か。なら! 傾国の姫と姫騎士と深層の姫君にしよう。面白そうでしょ?

 先に決めてしまおうか。

 それと、アイテムボックスを解放しよう。


 傾国の姫

 レベル1、モンスター1匹を引き寄せる。

 レベル2、モンスター2匹を引き寄せる。

 レベル3、モンスター3匹を引き寄せる。

 レベル4、モンスターに我が身を守らせる。

 レベル5、モンスター達に我が身を守らせる。

 レベル6、歌、香りのいずれかを選び、それが及ぶ範囲のモンスターを引き寄せる。

 レベル7、選んだ方法でモンスターに身を守らせる

 レベル8、選んだ方法でモンスターに簡単な命令を聞かせる。

 レベル9、選んだ方法でモンスター達に簡単な命令を聞かせる。

 レベル10、選んだ方法でモンスターに命令を聞かせる。


姫騎士

 レベル1、剣が装備できるようになる。

 レベル2、鎧が装備できるようになる。

 レベル3、騎乗ができるようになる。

 レベル4、ステータスが上がる。

 レベル5、剣、盾、挑発、支援、騎獣のいずれかに関する魔法を覚える。

 レベル6、剣、盾、挑発、支援、騎獣のいずれかに関する魔法を覚える。

 レベル7、剣、盾、挑発、支援、騎獣のいずれかに関する魔法を覚える。

 レベル8、剣、盾、挑発、支援、騎獣のいずれかに関する魔法を覚える。

 レベル9、剣、盾、挑発、支援、騎獣のいずれかに関する魔法を覚える。

 レベル10、レベル5から9の選択に即した必殺技を覚える。


 深層の姫君

 レベル1、自分一人ぶんの結界を作成する。

 レベル2、家一つ分の結界を作成する。

 レベル3、公園程度の結界を作成する。

 レベル4、村程度の結界を作成する。

 レベル5、結界に癒し、植物育成、防御強化、能力強化、眠りのいずれかの効果を付与する。

 レベル6、結界に癒し、植物育成、防御強化、能力強化、眠りのいずれかの効果を付与する。

 レベル7、結界に癒し、植物育成、防御強化、能力強化、眠りのいずれかの効果を付与する。

 レベル8、結界に癒し、植物育成、防御強化、能力強化、眠りのいずれかの効果を付与する。

 レベル9、結界に癒し、植物育成、防御強化、能力強化、眠りのいずれかの効果を付与する。

 レベル10、街程度の大きさの結界を作成する。

 深層の姫君は、眠りなら眠り1、眠り2、眠り3と同じのを選べばどんどん強化され、最高は5となる。

 眠りの結界は傾国クラスにやべー能力である。


 兎にも角にも、竣工式兼最高の姫を決めるコンテストは大盛況に終わり、ジョブ進化の提示とアイテムボックス公表も大好評だった。もちろん、悪用の危険性を指摘されたりもしたが、そんなん発覚時点で私の裁量で処刑なり力剥奪なりである。


 とにかく、街が出来たので、住人がドドドドドッと入った。

 なお、新たな街は収める額により住まいのグレードが変わる式だ。一応小さいが、無料の家もある。お金を払わないくせにギルドハウスよりグレードが落ちたなどと我が儘を言う領民は追放である。


 後は、ギルドハウスを収納・初期化して、仕事の斡旋である。

 さすがに、生まれたての街で生活保護は出来ないし盗賊になられるのも困る。

 治安は良くしたいから、街を除けば警察機構に一番お金をかけた。寄付もその名目の寄付が一番多かったしね。


 ネタ職は出来たから、今度は実用的な職をつくろうかしら。

 しかしその前に、映画プリンセスの公開がされるようなので見に行かねば。

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退屈姫、ダイナマイトプリンセスにジョブチェンジする @yuzukarin2022

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