第6話 ユニゴリーとの闘い

■ユニゴリーとの闘い


「グォォッッッッ!」

物凄い咆哮!


ゴリラ型アヤカシ=ユニゴリーの筋肉が盛り上がる。


1.5倍まで筋力が増加する。

牙が伸び、爪が伸びる。


は、速い!!


ユニゴリーの剛腕フックが、

俺のこめかみにクリティカルヒット!


ビルの壁に激突し、そのまま貫通し、更に奥のビルの壁にめり込む。


「グハッッ」

重い攻撃。強敵だ。

しかし負けるわけには行かない!


三鈷剣を構える。


止めとばかりにユニゴリーは更に空中を飛びながら、必殺技を放つ。


五輪羅亞撲殺拳ゴリンラーぼボクサツケン!!!」


ドカッッ!ドカッッ!

ドカッッ!ドカッッ!


光速の爆裂拳が雄一を襲い、

全てマトモに喰らう。


ゲボッッ!

吐血し地上に落下する雄一。


あ、効いた。  


『雄一。緑の実を食べよ』

ハサンの声だ。


緑の実?

俺が願えば金色の粒子が集まり、ハサンの小瓶が出てくる。


「しぶといな!聖騎士。」


やばい、クソゴリラが直ぐに来る。

早く、早く食べなければ。


蓋が開けられない。

小瓶の蓋を開ける体力が無い。


「雄一!危ない!」

青い影が雄一の目の前に躍り出る。


そ、その声はピーニ!

に、逃げろ!


ピーニは魔法陣を作り、

「我において命ずる!光源金ライトゴールド!!」


膨大な光が瞬間的に、ユニゴリに向けて放出される。


「あー!目が!目がぁぁぁ」

ユニゴリは突然の光で目が効かなくなっている。


「今!雄一!」


朦朧としながら、緑の実を食べる。

お、おぉ!!!


力が回復する。温かな光が傷を癒やす。殴打された身体も元のように戻る。


「キターーーッ!勝負はこれからだ!」

三鈷剣が光る。

魂の力=ソウルパワーが充実してるが故に筋力も三鈷剣にも青白いオーラが宿る。


『雄一!ハサンクラッシュだ!』

ハサンクラッシュ?


よし!何だか分からないが、行けそうな気がする!


行くぞ!ユニゴリの目の前に躍り出て

三鈷剣を袈裟斬りに、振り下ろす!!


「ハサン!クラッシュ!!!」

ユニゴリは無意識に鉄のように硬化した左腕を出してガードする。


ズシャャャャャ!!!!


奴の眉間の左目と左腕ごとユニゴリを斬る。


「グォォ!!み、見事!聖騎士!勝負は預ける!」

ユニゴリは霧のように消えていく。


『さあ、雄一。三鈷剣を振るえ』

雄一は三鈷剣を振ると、崩れた都庁のビル等は復活し、業火に燃えた新宿歌舞伎町等の火も消えていく。


時間も、雄一が不動明王になる前の時間に戻る。


アヤカシとの闘いは、いつも通り【無かった事になっている】。


俺の闘いはいつ終わるのか?

逃げ出したい。


心に虚しさを覚える雄一だった。


次回へ続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る