第5話 大道芸人の罠

ドゴーーン!!


新宿の象徴、東京都庁のツインタワーが破壊されていく。


ドッカーーンッッ!

黒煙が上がる。



あー。女都知事の苦渋の顔、

眉間にしわ寄せ、への字口となった顔が浮かんでくる。



これは?!

どこかで見た夢?!


火の海になる歌舞伎町。

トーヨコ周辺に隕石のような大きな

赤く加熱した溶岩石が降り注ぐ。


歌舞伎町の新しい象徴のゴジラの首からもげて炎を吐き散らかすかのように燃えている。


まるで、昔ファイナンシャルファンタジーの魔法のような「メテオ」のような隕石、溶岩石が新宿にあたり構わず落ちてくる。


燃える建物、燃える人々。

若者も、老人も、女の人も、子供も、

全て燃えていく。


正に地獄絵図。


やめろー!!


汗だくで起き上がる。

夢か。


でも、かつてこのような惨劇を見たことがある気がする……。


ケルベロスがハァハァと舌を出して尻尾を振っている。


カワイイ奴め。


「雄一?どしたの?」

ピーニが目をこすりながら起きてくる。


今日は会社だ。


あと5分寝かして……。


    ◆◆◆


「おはよう。」

「パパおはよう」

「パパ〜今日は休み?」


相変わらず俺のご飯は無い。

冷蔵庫から、昨日のカレーを温めて食べる。


子供達は今日は休み。

俺は仕事。


留守中は、守りの結界とケルベロスが見てくれるから安心だ。


さて、それでは会社に行くか。

私鉄沿線を乗り継いで会社に向かう。


まだ世間は大型連休中なので、

広場などで催し物をやっている。


雑踏をい潜るように会社へ向かおうとした時、大道芸の集まりが見えた。


ラストの曲芸を決めるようだ。

逆立ちしながら、台の上に告る大道芸人。


「さあ、もう少し前に。ここでラストです。そこで皆様にお願いがございます……」


あー。おひねりの時間だな


雄一が、悠々と脇の方を通り過ぎようとさた矢先、大道芸人はとんでも無い事を口走る!


「そこの鏑木雄一を殺してください!」


!!


大道芸人の芸を見ていた人々が一斉に襲ってくる!


目が白目だ。尋常じゃない殺気。


シューラールー

シューラールー


妙な呼吸か?吐息で襲ってくる。


や、やばい!


『雄一よ、赤い実を食べるだ。

お前の体力を著しく上げる。』

ハサンが教えてくれる。


よし!俺は赤い実を食べる。

内在神の力の体力増強。


ヒュン!ヒュン!


素早い動きで、大道芸人に操られた人々を交わす。


そして「喝ッッ!!!」

気合一閃!


操られた人々を一斉に気絶させる。


「三鈷剣!」

俺は三鈷剣を呼び出す。


無我夢中。何故か出来る気がした。


金色の粒子が集まり、三鈷剣を形作る!


「いやーー!」

大道芸人に剣を振るう!


ビチッビチ!!!

ドチャーー!


大道芸人は顔から縦に両断される。


「見事!雄一よ!」

大道芸人は顔を割られながら、平然と笑い飛ばす。


そして正体を明かす。

その正体は真っ黄色の巨大なゴリラ。

そして、額から上に巨大な角がユニコーンのように反り立っている。


「俺の名はユニゴリー。邪神ガリウス様の配下である!いざ!勝負。」


前回は立ちすくんでしまった。

向かい合わずに、現実から目を逸らしてしまった。


今に生きていなかった。

でも、今日の俺は!

今の俺は違う!


行くぞ!ユニゴリー!

俺は金色の実を食べる!


眩い光!

神々しい光が辺りを照らす!


「不動明王神大降臨!お前を俺は赦してやる!」



巨大ゴリラ対不動明王との闘いが始まる!

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