幽霊視点 3
保健室の
しかし機械翻訳の彼は、告白に気が付かなかった。
どうやら彼は今、お月見の準備をしているらしい。
機械翻訳の彼は、かなりアホであるようだ。月がキレイという言葉の意味を知らなくても、
しかし、どうしたものか……
”どうする?”
「……なんとかして、
”直接?”
「……
たしかに……
しかし、彼女はそれを選ばなかった。月がキレイという遠回しな告白を選んだのだ。
「シチュエーションを大事にするタイプ、なんだと思う」ただ告白するのではなく、その過程も大切。「なら……できる限り、機械翻訳の彼本人に気がついてほしい」
”それが良いと思う”
問題は……どうやって気がついてもらうか。
「あの子……すごく鈍感だから……」
鈍感だからこそ、できることもある。
例えば、孤立している外国人に臆せず話しかけられたりとか。
ともあれ……彼が無理なら……
”
「それしかないと思うけれど……」シチュエーションを重視するなら……「告白が届かなかった、というのは……ちょっとかわいそうだね……」
きっと
そんな告白が届かなかった……ちょっとばかり残酷だ。
「だから……もう一度告白してもらうのが、最善かな……」
”どうやって?”
「……わかりやすい方法で。鈍感な彼でも、すぐに気づくような方法で」
”どんな方法?”
「……それは、
すでに、かなり口を出しているけれど……まぁ、それは言うまい。
ともあれ……当面の目標は決まった。
「もう一度、告白してもらう。それも鈍感な彼が簡単に気がつく方法で」
どんな方法なのか……それは
問題は……どうやってもう一度告白してもらうか、である。
となると……
「……」
二人共、無言になってしまった。
方法がわからない……なんとかして2人をくっつけてあげたいのだけれど……というか、くっついてもらわないと私が成仏できない。恋の結果が気になって成仏できない。
……
うー……
うまいこと、焚き付けるしかないか……
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