主人公視点 1
朝に登校してきて、隣の席の違和感に気がつく。
寝不足なのだろうか……
「おはよう
顔が、赤い。呼吸も乱れている。
翻訳された文字を見て、さらに
「✕✕✕✕✕✕」【タコにメロンはありますか?】
「ないと思うけれど……」
そんなことより、あきらかに
もしかして……
「
「✕✕✕✕✕✕」
声を出すのも辛いほど、体調が悪いようだ。
「ほ、保健室……行く?」
提案してみるが、返答がない。文字を見るのも不可能なレベルらしい。
どうしよう……
「待ってて。先生を呼んでくる」
「✕✕✕✕✕✕」
彼女がなんて言っているのか、それを確認する前に僕は立ち上がる。
早く先生を呼んでこないと……そうじゃないとマズイ。見るからに、
立ち上がって走り出そうとした瞬間だった、
「……
彼女の腕が、僕の腕をつかんでいた。震える手で、しっかりと掴んでいた。
……熱い……
手を掴まれた拍子に、スマホが落ちる。
画面には、
【行かないで】
……
足が止まってしまった。本当は保健室の先生をいち早く呼んでこないといけないのに……
迷った末に、
「ごめん……!」
僕は
無我夢中で保健室を目指しているときに、少しだけ思った。
これ……お姫様抱っこでは?
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