第11話 ストレス解消
人間どもが行き交う交差点。
よく聞け!!
この場に行き交う人間どもよ!
そして、これを読んでる読者諸君!!
今、まさにここで、みなに真実を伝えよう!!
その日は小雨がそぼ降っていた。
交差点の信号機の上でアザミはひとり悩んでいた。
「このままじゃいけない。主様はみなに勘違いをされてしまう…主様の為…主様の為にこの私が真実を伝えなくてはいけないだろう」
最近主様は元気が無い。
それはホラー小説、アザミが書けないからだ。
あの人気小説、アザミが書けないのは、主様の誠実で優しい人柄を人間ども…読者諸君に勘違いされているのが原因だ。
そこで私めがみなに真実を伝えるのだ!
皆のもの!!
良く聞くがいい!!
主様のキャラクターは、実はミカさんと私、アザミ以外はリアルには存在はしない!
みな、主様が創り給うたキャラクターなのだ!!
無論、キャラクター達のモデルはいる。
しかし、リアルに存在するのは私とミカさんだけだ…。
「おい!アザミ!!何やってる?小説風にウソを言うな!!」
「あっ!主様…だって最近ちっともホラーのアザミ、書いてくれないじゃないですか…だから、皆様にアピールして、主様に書いて貰おうと…」
「はぁ~?アザミ書いたら後3話位で完結するぞ。それをお前が完結させるなって言うから、書かないんじゃないか!そんなに早くお前は消えたかったのか?なら、後1話で完結にしてやろうか?」
「主様、違いますよーもっと新しいエピソードを書いて30話でも40話でも、永遠に書き続けて欲しいって言ったんですよー」
「もうアザミ書くの飽きてるんだから、そんなに書くか!!それになんだ?今のお前の叫びは…ウソをつくな!!お前だって俺が作った。リアルに存在する訳ないだろ?お前悪魔なんだし」
「そこは主様、話を合わせて…」
「バーカ、リアルに存在するのは…って、わざとリアルか想像の人物かとボカしているのに、それを言ったら読者様と○カは何て思う?リアルな○カは、小説より怖いんだからな」
「ひぇー」
「それにな、アザミの殺し合いの描写な、あれはお前がもっとエログロにって言うから性器ばかり傷める風に書いたけど、リアルな俺まで変質者扱いよ…○カなんか、エッチの時、アタシのあそこ、壊さないで…ナイフで突かないでって、マクラの下に包丁あるか確かめるんだぜ…おりゃ悲しくなったよ。samの変態って言われてさ」
「んでよ…この前アザミにキスをしたって書いたろ?あれ、読まれてさ、○カに往復ビンタにみぞおちにグーパンチよ。おまけに指まで噛まれてさ。痛えのよ。ち○こ噛まれたくなきゃ二度とキスするなって脅されてよ。お前、○カに嫌われてるよ…用心しな…」
「ひぇーすびません、すびません」
「泣いてもダメだな。もう、お前を庇えない」
「そこをなんとか…」
「しょうがないな…なら、黒板にもうしません。ミカ様許して下さいって100回書け」
「判りました…トホホ」
今日も主様のストレス解消にとアザミを嬲る作者のsamであった…。
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