第10話 世界最強

ここ、横浜の交差点…。


もう、このくだりはホント勘弁。


アザミは最近、人間どもに取り憑くよりも、創造主である作者のぐり吉のえがく、キャラクター達へ熱心に注目をしていた。


何故ならばぐり吉の気を惹き、ぐり吉にもっと愛されたいと願うから、他のキャラクター達の良い部分を学び、自分へ取り入れようとしていたからである。


「見た目は、あたしゃ可愛いんだよ…主様の好みだからね」


「じゃぁ何?性格が悪い?そりゃ悪魔だしね」


「でも主様を思う気持ちは誰にも負けないよ」


「主様には誠心誠意、尽くしちゃうよ」


「尽くし方が悪いのかな?」


「ミカさんなんて、あんなに強気でワガママなのに、主様、メロメロだもんね」


「ミカさんじゃ、あまり参考にならないしね」


「あっ!!ありゃ黒髪のみかさんじゃないの?」


「ミカさんのお母さん、主様が最初に愛したみかさんじゃん」


「こりゃナイス!!みかさんなら優しいし、家庭教師にうってつけ、早速ご教授願いましょう」


「おーい…みかさ…ありゃ?」


「みかさんなんだか怒ってない?」


「なんかあのカフェの店員に文句言ってるよ?」


「おっ!あのウェイターの襟元掴んで、ぐりんぐりん振ってるね。ウェイターの首がガクンガクンしてる」


「なんか言ってるね」


パフェのクリームに虫がついてる!!


あたしに虫を食わす気か!!


え?あたしがわざと虫を入れた?


お前、それを見たのか?


ん?ん?


言いがかりを言うな!!

 

はぁ~?言いがかりは私の方だって?


ナメてんのか?


責任者だせ!! 


あぁ?お前が責任者か?


どう始末つけてくれる?


黒髪のみかさんを舐めんじゃないよ!!


そうだよ、最初からそうしてりゃ良かったんだよ。


また来るからな!


 

「みかさん、貰ったお金数えてるよ…たちわりぃ…恐喝じゃん…ありゃりゃ、ウェイター塩撒いてるよ」


「みかさんってホントはミカさんより危ない人なんじゃないの?」



「みかさんも敵にまわしちゃいけないな…みかさんの家庭教師は頼むのは止めとこう」



あら?

アザミちゃん…ご機嫌よう。


(ヤバ!見つかっちゃったよ…)


「みかさん、チワッス!!」


今、臨時収入があったのよ、何かご馳走しましょうか?


(奢って貰ったら何言われるか判んないぞ)


「いえ、結構っす!!」


そう、残念ね…でもさっきの事、誰かに話したら…殺すわよ…。


「ひぇー、言わないっす!!」 


「それならいいわ。でも覚えておいて、ミカのグーパンはあたし直伝よ、みかのグーパンを出させないでね。首が飛ぶわよ」



みかミカ親娘は世界最強だった…。


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