第18話「神の楽譜の在り処」

ビートはパワーアップし新たな姿『ロックスターフォーム』に変身した。


「!!何だその姿は!?」

「王堂さんの意思を継いだ音楽を守る為の力だ!!」


「スゲェ……あれがギターカリバーの力……」

他の戦士達も驚く。


ビートの『ロックスターフォーム』は全身を白銀の鎧で纏い金のラインが入った姿をしていた。

「行くぞ……」

ビートはじわじわとホルンノイズラーとドレイクに迫る。

「ぐっ……行け!!」

ドレイクはホルンノイズラーに戦わせる。

ホルンノイズラーは再び衝撃波を放つ。

だが、ビートがギターカリバーの弦を弾くとシールドが展開され、攻撃を弾く。

「何っ!?」

「一気にトドメだ!!」

ビートは必殺技『クライマックスブレイク』を発動。

ホルンノイズラーを一刀両断する。

ホルンノイズラーは倒された。

「次はお前だ!!」

ビートはドレイクにギターカリバーの剣先を向ける。

「ぐっ……」

だが、そこにジーグが現れる。

「ジーグ!?」

「お前……」

「ドレイク……ここは引こう。ベルアゼス様がお呼びだ」

「くっ……仕方ねぇな……」

ドレイクは姿を消した。

「待て!!」

「おっと……君達にはいずれ正式に宣戦布告をさせて貰うよ……」

「ジーグ……テメェ!!」

フェローチェが呼び止める。

「フンッ……」

ジーグも姿を消す。

「あの野郎……」


茂達は奏での戦士団本部に戻った。


そしてジーグの宣戦布告を報告。

「そうですか……ジーグは完全に寝返ってしまったのですね……」

ミューズは悲しそうな表情を浮かべた。

「ミューズさん、こちらもいつでも戦える備えをしておいた方がいいですよ。何か対策を……」

新庄がそう言うと……。

「そうだな……それはこちらで整えておく。皆は葬儀に戦いにと疲れただろ?今日は帰りなさい」

音曽根は戦士達に帰宅を促す。

「あれ?そう言えばアベルド総帥は?」

「アベルド総帥は大変お忙しい方ですから……他の支部に視察に向かわれました」

「えっ?こんな時に?」

「そもそも今はアベルド総帥が世界各国の支部の視察の時期なんです。その途中でグランディオーソの葬儀に顔を出して下さったのです」

「へぇ……本当に忙しい人なんだな……」


戦士達はとりあえず解散となり茂も家に帰った。


茂は部屋に籠もりギターの練習をしていた。

王堂から教わった事を意識しながら……。

だが、その度に王堂を失った寂しさが込み上げて来る。


茂の家に誰かが訪ねて来た。


それは栞だった。

栞はそのまま茂の部屋にやって来た。

「茂……」

「栞……何だよ?」

「うん……王堂さんの事……落ち込んでるんじゃないかと思って……」

「そりゃ落ち込むよ……王堂さん、俺達に色々アドバイスくれて……すっごく良くしてくれたんだぜ?」

「うん……そうだね……王堂さん良い人だったもんね……でもさ、茂がそんなに塞ぎ込んでたら……王堂さんきっと悲しむよ……」

「うるさいなー!もう放っといてくれよ!!」

「何よその言い方!人が折角心配して来てあげたのに!!」

「別に頼んでねぇだろ!良いから出てってくれよ!!……1人にしてくれ……」

栞はため息をついた。

「はぁ……もういいわよ!!」

そして栞は怒って帰ってしまった。

茂はまた塞ぎ込んだ。


-翌日-

今日もブラックレイドのメンバーが集まり練習を開始するが、茂は全く身が入らない。

「おい、茂〜お前もう少しやる気出せよ!王堂さんが亡くなったのはそりゃ俺もショックだったけどさ……お前が落ち込んでても仕方ないだろ」

辰哉が文句を言う。

「何だよその言い方……冷てぇな……王堂さんは俺達にしっかりアドバイスくれたのに……」

「確かに王堂さんはアドバイスくれたさ……こんな売れないバンドの為にあんな大物が時間割いてくれたんだ。感謝してるさ……でもな、俺達がしっかり練習して売れないと王堂さんに申し訳立たないだろ?」

「……悪い……今日は気分が乗らねぇわ……」

茂は練習を辞め帰る準備をする。

「おい!」


その頃、奏での戦士団本部では……。

大急ぎで『神の楽譜』の在り処を探していた。

王堂を失い戦力が落ちた今、ノイズがいつ神の楽譜を狙って来るか分からないからだ。

しかも、ジーグが言うには近い内に宣戦布告をすると言う。

ノイズが仕掛けて来る前に神の楽譜を手に入れる必要があったからだ。

「ダメだ……いくら書物を読み漁っても手掛かりがこれ以上見つからない……」

「グランディオーソが掴んだ手掛かりを元に探し出せると思ったのですが……」

音曽根とミューズは困っていた。


そしてノイズのアジトでは……。

ベルアゼスの前に3人の幹部とジーグが集まる。

そしてジーグが前に出る。

「ベルアゼス様、軍勢の用意が整いました。奏での戦士団へ攻め込む事はいつでも可能です」

「よし……ジーグの案内に従い奏での戦士団を襲撃する……ゼレーバは戦士共の相手を、フリーゼは神の楽譜を探せ。そしてドレイク、お前は他の外に居る戦士共の足止めをしてろ」

三幹部は揃って。

「はっ!」

「ではこれより……奏での戦士団への総攻撃を開始する!!」

遂にノイズは奏での戦士団本部への攻撃を開始した。


まず、街にドレイクが現れ、手頃な楽器をノイズラーにして暴れさせる。


その頃、茂が帰ってしまった為、仕方なく練習を中断し帰って行く辰哉と太一。

「ったく茂の奴……勝手な事ばっかり……」

「まぁまぁ、仕方ないよ。王堂さんの事、相当ショックだったみたいだし、しばらくはそっとしておいてやろう」

「お前は甘いなぁ」

そこへドレイクが現れる。

「そこのバンドマン!」

「うわぁぁっ!?ノイズ!?」

「手頃な楽器持ってるじゃねぇか。利用させて貰うぜ!」

ドレイクが2人のドラムとキーボードに闇のエネルギーを贈り込み、ドラムノイズラーとキーボードノイズラーが誕生。

辰哉と太一に襲い掛かる。

「うわぁぁぁぁっ!?」


茂はノイズラー出現の連絡を受ける。

「ったく……また出やがったか……」

茂は現場に向う。


だが、ドレイクは直ぐに姿を消しまた別の場所へ。

ドレイクが次に現れたのはテレビ局。

この日、裕二達マジックボーイズと琴音は音楽番組の収録で一緒に出演していた。

番組の司会を務める人気お笑いコンビのモリハヤシが軽快なトークで場を盛り上げている。

だが、アシスタントを務める同局のアナウンサーが侵入したドレイクに気付く。

「きゃぁぁっ!?」

「なんやねん!うわぁぁぁっ!?」

モリハヤシの2人も気付く。

裕二と琴音は異変に気付く。

「ドレイク……何でこんな所に……」

「皆さん逃げて!」

琴音が他の共演者達やスタッフを避難させる。

ドレイクは他のアーティストが用意していた楽器に闇のエネルギーを送りノイズラーにする。

ベースノイズラーとマイクノイズラーが誕生した。


そして奏での戦士団本部では……。

「こんな同時多発的にノイズラーが現れるなんて……」


ジーグが基地の入口に案内し、音曽根楽器店から、ゼレーバ、フリーゼが侵入した。

扉を破りノイズが現れる。

「うわっ!?何っ!?ノイズ!?」

「何故ここに……?」

「やぁ、お久しぶりですね……ミューズさん音曽根さん」

2人の前にジーグが現れた。

「ジーグ!?」

「お前……これは何の真似だ!?」

「言ったでしょう?近い内に宣戦布告するって……だから、宣戦布告に来たんですよ」

そしてゼレーバが出てくる。

「さぁ、神の楽譜の在り処を教えなさい。さもないと……あなた達を殺す事になる」

「くっ……ふざけるな!誰がお前達なんかに……」

「……そうですか……だったら仕方ない……死んで下さい」

ゼレーバが音曽根に向かって光弾を放つ。

「ぐあっ!!」

もの凄い衝撃と共に音曽根の身体は宙に浮いた。

そして音曽根は口から血を吐き倒れた。

「音曽根さん!?」

「ぐはっ!?……ミュ……ミューズさん……逃げて……逃げて……ぐださい……」

音曽根は声が出し難い中、必死にミューズに逃げる様に伝えた。

それを聞いてミューズは逃げる。

「フリーゼ、あなたは神の楽譜を探して下さい。ジーグはミューズを……」

「はいよ」

「了解……」

ジーグは逃げたミューズを追う。

そしてフリーゼは神の楽譜を探し始める。

「さて……この死に損ないにも手伝って貰いましょうか……」

そう言ってゼレーバは音曽根に迫る。

今、奏での戦士団にかつてない脅威が襲っていた。


続く……。

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