神の楽譜

第6話「侵入者を撃退せよ」

琴音以外の4人は心を1つにする為の特訓を開始した。

「さて……心を1つにする特訓と言っても何をする?」

茂が尋ねる。

「決まってんだろ。俺達全員で同じ曲を演奏すれば心は1つになる!」

と新庄が答える。

「なるほど!やっぱり音楽ですね」

「じゃあ、まずは演奏する曲を決めるか」

年長者の新庄が3人を纏めあげる。

早速、演奏する楽曲から決める話し合いが始まる。


その様子を見ているミューズと音曽根。

「始まりましたね」

「ミューズさん、彼らに本当にクインテットストライクを?」

「ええ、ノイズに対抗する為にはいずれ必要な力です。今の内に扱える様になって貰わなくては……」


その頃、ゼレーバは街に出てノイズラーにする楽器を探していた。

「何か丁度いい楽器は……」

そしてゼレーバが目を付けたのは……。


奏での戦士団本部ではノイズラーの出現を察知。

ミューズが茂達の元へ。

「皆さん、ノイズラーが現れました。直ぐに出動して下さい」

「ノイズラーか……よし、行くぜ!」

ミューズは4人を現場の近くに転送する。


現場では既に人々は避難し、誰も居なくなってた。

「ここ……だよな?」

「ああ、そのはずだ」

「でも、ノイズラー居ないぜ?」

「変だな……」

「手分けして探すぞ」

新庄の指示で辺りを捜索する4人。


茂は道に落ちてるカスタネットを見つける。

そして茂はそのカスタネットを拾い上げた。

「まさかな……ノイズラーめどこ行きやがった……」

すると……。

「おーい茂ー!!」

茂を呼ぶ声が。

栞だった。

「え?栞!?」

茂は慌ててカスタネットをポケットに隠す。

「こんな所で何やってるの?」

「えっ……いや〜……ちょっとな……栞こそ何で?」

「うん、友達とちょっとね」

「そっか、わりぃ、俺ちょっと急ぐから」

「そっか、じゃあまたね!」

「おう!」

栞は去って行った。

その後も茂達は辺りを捜索したが、ノイズラーは見つけられなかった。


奏での戦士団の本部に戻った茂達……。

「ミューズさん、ノイズラーどこにも居なかったぜ?」

「変ですね……確かに反応はあったのですが……」

「今日はもう遅い、とりあえず帰ろう」

「そうですね……皆さん今日はゆっくり休んで下さい」

音楽の戦士達は帰って行った。


茂はポケットからカスタネットを取り出しテーブルの上に置いた。

「そうだ、このカスタネット現場で拾ったんだ。誰かが落としたんじゃないかな?何とか持ち主探せない?」

「そうですか……ではこちらで調べてみましょう」

 

「じゃあ、宜しく。俺も帰るわ」

茂は帰って行った。


ミューズはカスタネットを手に取る。

「カスタネットよ……あなたの記憶を私に見せて下さい」

ミューズはカスタネットの記憶から持ち主を特定しようとするが……。

突然カスタネットがミューズに襲い掛かった。

「きゃっ!?」

「何だ!?」

音曽根がミューズに駆け寄る。

「大丈夫ですか?」

「ええ……でもこれは……ノイズラー!?」

カスタネットノイズラーが姿を現す。

しかし、そのサイズはカスタネットサイズのまま。

「小さい……ですね」

しかし、小さいからと言って侮るかなれ、カスタネットノイズラーは音曽根に襲い掛かった。

音曽根の額に激突。

「あいたっ!?」

音曽根はその場で倒れる。

「音曽根さん!音曽根さん!」

ミューズが呼び掛けるが音曽根は気絶している。

カスタネットノイズラーは次にミューズに襲い掛かる。

ミューズはなんとかカスタネットノイズラーの攻撃をかわし逃げ回る。

物陰に隠れてスマホを取り出す。

因みにこのスマホは奏での戦士団開発の特殊な物で、音楽の戦士への連絡と奏での戦士団関係者の連絡用に使われる。

ミューズは急いで誰かに連絡しようとするが……。

まずは茂に電話をするが、茂は気付かず出れない。

続いて彰に掛けるが彰も何故か出ない。

更に琴音は番組の収録中の為出れず、裕二は次の仕事の打ち合わせ中だった。

残るは新庄。

必死の思いで新庄に掛けるミューズだが、カスタネットノイズラーに見つかってしまう。

「きゃっ!?」

ミューズはまた逃げる。

逃げながら何とかコールを続けるミューズ。

すると……。

「もしもし?ミューズさん?どうしました?」

繋がった。

「フェローチェ!助けて!本部にノイズラーが侵入したの!」

「なんですって!?大丈夫ですか!?」

「きゃっ!?」

電話越しからミューズの悲鳴が聞こえる。

「まずいな……」

新庄は急いで本部に戻る。


その頃、茂も家に帰り着き、スマホを見る。

「あれ?ミューズさんから着信来てる……何だろう?」

茂は折り返すが……。

ミューズは出られる状況では無かった。

「あれ?出ない……どうしたんだ?」

そこへ今度は彰から電話が来た。

「もしもし?彰?どうした?」

「茂、ミューズさんから電話があったんだが、折り返しても出ないんだ!何か聞いてるか?」

「いや、俺も今電話してみたけど、出ないんだ……」

「何かあったのかも知れない。本部に行くぞ!」

「分かった、直ぐに行く!」

茂と彰も本部に戻る。


その頃、一足先に本部に戻った新庄は……。

「ミューズさん!?」

しかし、そこにはミューズの姿は無かった。

しかし、すぐそこに音曽根が倒れていた。

「音曽根さん!音曽根さん!しっかり!死なないで下さい!!音曽根さん!!」

「死んどらんわ!!」

音曽根は目を覚ました。 

「あっ、生きてた……」

「気を失ってただけだ……」

「何があったんですか?ミューズさんは?」

「ああ、えっ〜とな……カスタネットがノイズラーになって襲われて……ワシは直ぐに気絶してしまったからなぁ……」

「カスタネットのノイズラー?まさか……」


その頃、ミューズはカスタネットノイズラーに捕まり何処かへ閉じ込められていた。

「くっ……うっ……」

手足を拘束され身動きが取れない。

「ようやく会えましたね、音楽の女神、ミューズ」

「あなたは……」

現れたのはゼレーバだった。

「何故私を?ここは何処?」

「戦いは暴れるだけじゃ無いですからね……あなたは戦略的な勝利の為の布石です」

「どうゆう事?」

「あなたを人質にすれば音楽の戦士は手出しが出来なくなる。そうなれば我々が一方的に音楽の戦士に攻撃しあっと言う間に勝利を納めると言う訳です」

「残念ね、私を人質にしても戦士達は戦いを辞めないわ。あなた達ノイズを倒すまではね……」

「それはどうでしょうね?フフフッ……」

ゼレーバは去って行く。


その頃、茂と彰も本部に戻って来た。

「新庄さん、ミューズさんは?」

「何処にも居ないんだ……それにノイズラーも見つからない」

「でも……ノイズラーが何でここに?」

「それはな……茂君が拾って来たカスタネットが実はノイズラーに取り憑かれていたんだ」

「そんな!?あのカスタネットが!?」

「何だと!?茂……ミューズさんに何かあったらお前の責任だぞ!!」

彰が茂に掴み掛かる。

「それは……」

「止めろ!別に茂のせいじゃない……誰もノイズラーに気付けなかったんだからな……」

「くっ……」

彰は茂を離した。

「それより今はミューズさんを探し出すのが先決だ。基地内に居ないとしたら……」

「まさか……拐われたんじゃ?」

と音曽根が言う。

「だとしたら最悪だ……俺達はノイズのアジトの場所は把握出来て居ない……」


その時、基地では再びノイズラーの出現を察知。

「くっ……ノイズラーだ……」

「こんな時に……」

「いや、こんな時だからだ。奴らは明らかにこのタイミングを狙ってる……」

「とにかくノイズラーを放っておく訳には行かない、行くぞ!」

新庄は茂達に指示を出す。

「今、全員でここを離れる訳には行かない、茂、彰、ノイズラーを頼めるか?」

「勿論です!」

「ああ、ぜってぇぶっ飛ばしてやるぜ!」

茂と彰が現場に出動。

音曽根が転送装置を操作し、茂と彰を現場の近くに転送した。


その頃、囚われたミューズにノイズのボス、ベルアゼスが接触。

「音楽の女神ミューズ……お前に聞きたい事がある……」

「お前は……ベルアゼス……」

「神の楽譜は何処にある?」

「!!……そんなの知らない……」


神の楽譜とは一体!?


続く……。

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