第4話「波乱のアイドルライブ」

ピアノノイズラーが再び現れ町で暴れていた。

連絡を受けた茂、彰、琴音は現場に急行。

「アイツ、この前逃げられた奴じゃねぇか!」

「さっさと倒すぞ!」

茂と彰はそれぞれ楽器を呼び『変身』

ビートとボイスがピアノノイズラーに戦いを挑む。

ピアノノイズラーは再び楽譜を飛ばして攻撃して来る。

「同じ手は喰わないぜ!」

ビートはギターを弾き音符で反撃。

ピアノノイズラーの楽譜と相殺。

その隙にボイスが接近し、ピアノノイズラーに攻撃。

ピアノノイズラーは攻撃を受けて怯む。

「よし、一気に行くぜ!」

ピアノノイズラーにトドメを刺そうとした所、別の所からまた音符の攻撃が来る。

「遅れてごめーん」

フォルテがやって来た。

「フォルテさん!別に待って無いですよ」

「ひどーい……何その言い方〜」

「まぁまぁ、3人揃ったんだし、一気にトドメ刺そうぜ!」

「そうね」

「ああ」

3人はそれぞれの必殺技を発動。

ビートの必殺技『ロックスターブレイク』

ボイスの必殺技『ボイスインパクト』

フォルテの必殺技『音符爆撃波』が発動し、ピアノノイズラーを倒す。

「うをっ!?フォルテ……すげぇ技使うな……」

「この技名可愛くないから気に入っては無いんだけどね」

「まっ、片付いたしいいだろ。俺は帰るぜ」

ボイスは変身を解除し帰って行く。

「私も打ち合わせ抜け出して来ちゃったから帰るね」

「あっ、はい」

フォルテも変身を解除して帰って行く。

ビートも変身を解除して帰って行く。

茂はバンドの練習に向かう途中だったので、急いで貸しスタジオに向かう。


茂が貸しスタジオの入口の前に着くと既に辰哉と太一が待っていた。

「あっ!遅せぇよ茂!」

「わりぃわりぃ……」

「今日あんまし時間無いからな……さっさと練習始めようぜ」

「ああ……」


そして、一通り練習を終え帰路に着く茂。

その途中、栞と会った。

「あっ、お帰り茂!」

「おう、栞も今帰りか?」

「うん!」

栞は何だか嬉しそうだった。

「何だ?やたらご機嫌だな。何かあった?」

「ふふ〜ん……知りたい?」

「何だよ……勿体ぶらずに言えよ」

「明日、マジックボーイズのライブに行くんだー!」

「マジックボーイズ?ああ、最近売り出してるアイドルか。へぇ〜」

「会社の同僚の娘がチケット当ててね、一緒に行くんだ〜」

「ふ〜ん……まっ、楽しんで来いよ」

「何?冴えないリアクションね」

「だって俺、別に興味ねぇもん」

「あっそ……いや、興味ある方が気持ち悪いか……」

「何だと!?」

「あ、ごめんごめん。まっ、そういう事で今日は早く寝るから。悪いけど、明日の練習には顔出せないから勘弁ね」

「あーはいはい」

「じゃーねー」

栞はウキウキで家に入って行く。

「やれやれ……」


そして、翌日の土曜日、栞は朝からおめかしをして、マジックボーイズのライブに出発。

ライブを開催する東京ドームへ向かう。

栞が東京ドームに到着すると、同僚の清水里奈(しみずりな)が先に到着していた。

マジックボーイズのライブチケットを当てた本人だ。

「栞〜こっちこっち!」

「おはよ〜」

東京ドームの周りには既に凄い人数のファン達が集まっていた。


その頃、マジックボーイズも開演前の準備に追われていた。

リーダーの佐野裕二、そして岩本拓哉(20才)、ラミウス隼人(19才)、飯田愛斗(いいだ まなと)(18才)の4人からなるグループだ。

「よし、皆そろそろ開演時間だからいつものアレやろうか」

「うっし、今日も盛り上げて行こうぜ!」

4人は円陣を組む。

「見せるぜ、ドリーム!マジックボーイズ!」


そして、ライブが始まり、マジックボーイズのメンバーがステージに登場。

ファン達から大歓声で迎えられる。

「さぁ、みんなー盛り上がる準備は出来てるかー?夢の時間の始まりだよー!」

「まずはこの曲!俺達の大事なデビュー曲、マジックプリンス!」

曲名が宣言されるとファン達は大いに盛り上がる。

栞も大興奮。


その頃、マジックボーイズがライブを行う東京ドームにドレイクが近付いていた。

「けっ、随分盛り上がってるな……不愉快だ!音楽なんか消し去ってやる!」

そして、ドレイクはステージ裏に潜入。

「ちょ、ちょっとあんた、ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」

スタッフの一人が近付いて来る。

「邪魔だ!」

ドレイクはスタッフを殴り飛ばす。

「うわぁー!?ば、化け物だー!?」

スタッフ達は大パニック。

「フンッ、今日はコイツにするか」

ドレイクはスピーカーに闇のエネルギーを送りスピーカーノイズラーを誕生させた。


その頃、ライブは更に盛り上がりを見せていた。

「じゃあ、次の曲行ってみよう!今度は我らがリーダー裕二が主演を務めるドラマ恋の魔法に掛かりましての主題歌!ラブマジックだー!」

岩本が次の曲の宣言をする。

ファン達は更に盛り上がる。

だが、曲が流れて来ない。

「あれ?スタッフさん?曲流れないよ?」

ラミウス隼人が様子を見に行く。

「うわぁぁぁっ!?」

ラミウスが突如上げた悲鳴に会場はザワつく。

そしてステージにスピーカーノイズラーが現れた。

「ノイズラーか……皆逃げて!」

裕二はメンバーと観客達に逃げる様に促す。


だが、スピーカーノイズラーが暴れ天井の照明が落ちて来る。

「危ない!!」

ギリギリの所で裕二がラミウスが照明の下敷きになるのを防いだ。

「サ、サンキュー……」

「立てるか?」

「ああ……痛っ!?」

「どうした?」

「ごめん……足を捻ったみたい……」

そして二人にスピーカーノイズラーが迫る。

こんなに大勢が居る前で変身は出来ない。

裕二は悩んだ。


その頃、ノイズの出現を察知した茂は練習を抜け出し東京ドームへ向かっていた。

「クソッ……今日東京ドームには栞が行ってるはずだ……ったく、なんてタイミングだ……」


東京ドームではパニックになった観客達が我先にと出口に向かっていた。

栞は清水と一緒に逃げようとしていたが、全く身動きが取れないでいた。


一足先に東京ドームに到着した彰が出入り口で観客達を避難させる。

「大丈夫だから落ち着いて。こっちだ!順番に出て!」

しかし、約2万人の観客達を避難させるのは時間が掛り過ぎる。


そこへ茂が到着。

「彰!」

「茂か……まだ中には大勢いる。全員を避難させるには時間が掛かる」

「だったら先突入してノイズラーを倒すしかねぇだろ!行くぞ!」

「くっ……だな。だが、どこから入る?」

「東京ドームは屋根が開くだろ?」

「!まさか、屋根から?」

「ああ、行くぞ!」

「仕方ない……それで行こう!」

茂と彰は一旦その場を離れる。

彰はミューズに連絡する。

「え?東京ドームの屋根から?分かりました。すぐに管理室に連絡します」

「直ぐに開くぞ」

「すげぇ……奏での戦士団ってそんな力も持ってんのかよ」

「ああ。俺達もスタンバイだ!」

茂と彰はそれぞれ楽器を呼び『変身』

ビートとボイスが登場。

「よし、屋根に飛び乗るぞ!」

「ああ!」

二人はジャンプして屋根の上に上がる。

すると、管理室が天井を開けてくれた。

「よし、突入だ!」

ビートとボイスが屋根から飛び降りスピーカーノイズラーの前に降り立つ。


「あれは?」

栞が突如現れた二人に気付く。


ビートとボイスはスピーカーノイズラーに戦いを挑む。

「戦ってる……私達を助けようとしてるの?」


そして裕二も動く。

「ラミウスを頼む!」

裕二は他のメンバーにラミウスを任せ一緒に避難させる。

「分かった……お前はどうするんだ?」

岩本が尋ねる。

「僕にはまだやる事がある。だから先に行って」

「分かった……ラミウスこっちだ!」

岩本と飯田がラミウスに肩を貸して避難する。

そして、裕二は物陰に隠れる。

すると、直ぐ様変身アイテムの『バイオリンチェンジャー』が飛んできた。

裕二は『変身』

音楽の戦士ブリッランテが登場。

ブリッランテがスピーカーノイズラーに攻撃。

攻撃を受け怯むスピーカーノイズラー。

「!アイツも音楽の戦士か」

新たに現れた戦士にビートが驚く。

「ああ、ブリッランテだ」

ボイスが紹介。

「へぇ〜」

「さぁ、ライブスタートだ!」

スピーカーノイズラーがブリッランテに反撃。

しかし、ブリッランテはそれを華麗にかわし更に追撃を加える。

「すげぇ……なんてしなやかな動きだ……」


「そろそろ終幕だ」

ブリッランテは『バイオリンチェンジャー』を弾く。

必殺技『ライジングストライク』が発動、バイオリンチェンジャーを弾く事で発生する電撃がスピーカーノイズラーを倒す。


「勝った……」

戦いが終わるとブリッランテは去って行く。

「あっ、ちょっと!」

ビートが呼び止めるが……。

「待て、そっとしておいてやれ」

「え?」


スピーカーノイズラーの襲撃によりマジックボーイズのライブは中止を余儀なくされた。


がっかりと肩を落としながら帰って行く栞。


その頃、奏での戦士団本部では……。

ミューズと音曽根が話していた。

「これで4人の戦士が揃いましたね」

「ええ、あと一人到着すれば……」


続く……。

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