第3話「3人目の戦士と歌姫」
小学校に現れたピアノノイズラーから子ども達を救う為、ビートとボイスは小学校へ突入し、ピアノノイズラーと交戦していた。
しかし、ピアノノイズラーの放った楽譜で縛られ身動きが取れず二人は大ピンチ。
「くっ……クソッ……放しやがれ……」
「ダメだ……これじゃあ、楽器も使えない……」
ビートとボイスにピアノノイズラーが迫る。
身動きが取れずただ、ただ、ピアノノイズラーに攻撃を受ける二人。
殴る蹴るの攻撃を喰らい最後にピアノノイズラーの奏でる不協和音攻撃にダメージを受ける二人……。
倒れ込む二人にトドメを刺そうとピアノノイズラーが迫る。
「クソッ……ここまでか……」
「諦めるなよ!まだ終わってねぇだろ!!」
ボイスが先輩としてビートを励ます。
「フンッ、まずは二人……音楽の戦士も最後だな」
ドレイクが勝ち誇った様に言い放つ。
だが、外から新たな戦士が突入し、ピアノノイズラーに攻撃。
「何っ!?」
予想外の出来事にドレイクも驚く。
「あれは……」
「!フォルテさん!!」
現れた新たな戦士はフォルテ。
白く美しいドレスの様な装備で身を包み、フルートで戦う紅一点の女戦士だ。
「あんたも音楽の戦士なのか……?」
ビートが尋ねる。
「ええ、ちょっと待って」
フォルテは二人を縛っていた楽譜をフルートで斬り裂いた。
「うおっ!?すげぇ……」
「二人は下がってなさい」
そう言うとフォルテはピアノノイズラーに向かう。
ピアノノイズラーはフォルテに攻撃を仕掛ける。
しかし、フォルテはその攻撃をしなやかな動きでかわし、ピアノノイズラーとの間合いを詰めていく。
「はっ!!」
フルートでピアノノイズラーにダメージを与えた。
「ぐっ……ピアノノイズラー、下れ!」
ドレイクの命令で傷を負ったピアノノイズラーは退散した。
「チッ……音楽の戦士共、覚えてろ!」
ドレイクも姿を消す。
ビートとボイスがフォルテに近付く。
「助かりましたフォルテさん」
「あんたすげぇな!」
「あなたが新しく入った音楽の戦士、ビートね」
フォルテが尋ねる。
「え?あっ、はい」
「そう、宜しくね」
「あの、フォルテさんいつ日本に?」
「うん?ついさっきよ。長旅で疲れたし、先に本部に戻ってるわね」
そう言ってフォルテは去って行った。
「俺達も行くぞ」
「え?あ、ああ」
ビートとボイスは変身を解除。
「あっ、ヤベッ……俺はバイトに戻んなきゃ……」
「そうか……じゃあな」
彰は奏での戦士団の本部へ向かい、茂はバイトに戻る。
急いでバイトに戻った茂だったが、勝手に抜け出して来た為、店長にしっかり怒られた。
その後、バイトを終えた茂は奏での戦士団の本部へ行く。
「こんちはー」
茂が楽器屋の方から入るとそこには、彰とミューズ、そして、宮沢 琴音(みやざわ ことね)(27才)が居た。
「え〜っ!?宮沢琴音!!……さん?」
「おう、来たかビート」
「彰……え?どうゆう事!?何で宮沢琴音さんがここに?」
「琴音さんこそ、先程あなた達が会った戦士、フォルテなのです」
ミューズが出てきて説明する。
「えぇ〜!?」
茂が何故そこまで驚くのか、それはフォルテの正体宮沢琴音はその美しい歌声で世界中を魅了する大人気の歌姫だったからだ。
そして、琴音が茂の所まで来て握手を求める。
「改めて宜しくね、ビート君」
「えっ……?あっ、ど、どうも……音崎茂です……」
茂は緊張しっぱなしだが、琴音と握手を交わす。
「でも、何で宮沢さんが音楽の戦士に?」
「彼女も戦士として楽器に選ばれたからですよ。ビートやボイスと一緒です」
ミューズが説明する。
「へぇ〜……」
そこに楽器屋の店主音曽根が入って来る。
「遅くなりました」
「あっ!あんたは!」
「やぁ、君か……やはり君も音楽の戦士に選ばれたんだね」
「まさか……あんたも奏での戦士団のメンバー?」
「ああ、だから私の店とここが繋がっているんだ。私は音曽根。楽器のメンテナンスや修理を任されておる」
「そうだったのか……」
「さぁ、今日は琴音ちゃんのお疲れ様会をするから店は早めに閉めて来た。さぁ、始めよう」
「お疲れ様会?」
「なんだ、バンドマンのクセに知らないのか?琴音さんはワールドツアーに行っててそれがやっと終わって日本に帰って来たからそのお疲れ様会をやるんだ」
「ワールドツアー?あっ!そういえばやってたってニュースで聞いたな……」
「残念ながら他の戦士達は都合が合わず来れませんが、私達で琴音さんのお疲れ様会を開きましょう」
こうして、ここに集まった奏での戦士団のメンバー達は琴音のワールドツアー無事終了のお疲れ様会を開いた。
茂もそれに参加し、楽しい一時を共に過ごした。
そして、茂は帰る。
「じゃあ、お疲れ様」
「ああ、気を付けてな」
「んじゃ、また来るっす」
茂が家に帰って行くと、残ったメンバーはまだ話をしていた。
「さて、琴音ちゃんが帰って来てくれた事で我々も心強いが……」
「敵は本格的にこの世界への攻撃を開始しました……もうこれ以上は秘密裏に活動する事は難しいですね」
奏での戦士団ではこれまでもノイズと戦って来たがそれは世間の人には悟られない様に秘密裏に行われて来た。
しかし、先日のノイズの本格的な攻撃から戦いを秘密裏に行うのは難しくなっていた。
「私がワールドツアーで世界を回っている時も、世界の各地でノイズが暴れその度に戦って来ました」
「やはり……世界でも同じ事が起きているのか……」
「しかし、ボイスの報告によると敵の幹部クラスが日本に現れている様です。そうなると、ノイズは日本の侵略に力を入れてると見て間違いないと思います」
ミューズがそう言うと……。
「ええ……幹部クラスを相手にするには一人じゃキツイ……だが、ノイズラーも居るとなると……」
「世界各地に散った戦士達を集めましょう」
「え?でも、それじゃあ世界が手薄に……」
「大丈夫。世界各地に音の戦士は居ます。日本には最強クラスの戦士を集結させ、敵を一気に殲滅させましょう」
「分かりました。では世界に散った戦士達に連絡を取ります」
まだ、茂の知らない所で大きな戦いが幕を開けようとしていた。
その頃、栞は仕事を終え更衣室で帰る準備をしていた。
「お疲れ様〜」
同僚の女性社員が声を掛けて来た。
「あっ、お疲れ様」
「今日は疲れた〜……マジ忙しかったね〜……」
「うん……」
「あっ!そうだ栞。コレ一緒に行かない?」
そう言って彼女が栞に見せて来たのは人気アイドルグループ『マジックボーイズ』のライブのチケットだった。
「えっ?凄い!これマジックボーイズのライブチケットじゃん!どうしたの〜?」
「なんと抽選で当たりました〜!!」
「へぇ〜凄いじゃ〜ん!」
「んで、2枚あるから一緒にどう?」
「行く行くー!!」
アイドルグループマジックボーイズ。
彼らのライブに行く事になった栞。
マジックボーイズは現在売り出しに力を入れてる人気のグループだ。
そのメンバーの一人、佐野裕二(さの ゆうじ)は現在ドラマ『恋の魔法に掛かりまして』で主演を務める栞の推しだ。
そして、その佐野裕二もまた音楽の戦士の一人だ。
「アイツか……」
佐野裕二はバイオリンで『変身』
音楽の戦士ブリッランテ登場。
ブリッランテは全身を純白のボディで包んだ戦士だ。
ブリッランテがノイズラーに戦いを挑む!
軽やかでキレのある動きで敵の攻撃をかわし、隙を突いて攻撃する。
「はっ!」
ノイズラーは倒される。
戦いが終わり変身解除。
その時、裕二のスマホに電話が入る。
「はい?あっ、マネージャー……え?次の仕事決まった?はい……はい……オッケー明日打ち合わせですね。了解です。はい、お疲れ様です」
多忙な人気アイドルと戦士の両立は大変だ。
その頃、逃亡したピアノノイズラーはフォルテから受けた傷を修復し再び動き出そうとしていた……。
続く……。
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