第2話「奏での戦士団」

ギターノイズラーに襲われる人々を前に音楽を悪用する奴らに立ち向かう決意を固め、音崎茂は音楽の戦士ビートに変身した。


「おーし……行くぜ!!」

ビートはギターノイズラーに立ち向かう。

ギターノイズラーに突進するが、ギターノイズラーの反撃を受ける。

「ぐあっ!?痛って〜……」

「おい、無闇矢鱈に突っ込むな。相手は人外の化け物なんだぞ」

ボイスがビートの腕がを引っ張り立ち上がらせる。

「戦えつったのあんたじゃん!」

「お前はまだ戦士としての戦い方が分かってねぇ様だな」

「えっ?」

ギターノイズラーが二人に襲い掛かる。

「避けろ!」

「えっ?おっと……」

ボイスの合図でギターノイズラーの攻撃をかわすビート。

「へへっ、上出来だ。まぁ、見てな」

ボイスはマイクを、取り出す。

「ドッカーン!!」

ボイスがマイクを通して声を発するとギターノイズラーの前で爆発が起こった。

ギターノイズラーは怯む。

「こんな風に楽器を使って戦うんだ」

「なるほど……このギターか!」

ビートは不思議なギターを弾いてみる。

すると、音符が発生し、ギターノイズラーに向かって行く。

ギターノイズラーに音符が当たると爆発しダメージを与える。

数発の爆発でギターノイズラーはダメージが貯まる。

「よし、そろそろフィニッシュだ。デビューは大事だからな。トドメは譲ってやるよ」

「トドメ?よーし……」

ビートは更にギターを弾き続ける。

激しい音色はビートの必殺技を発動させる。

『ロックスターブレイク』

ギターノイズラーを倒す。

すると、闇のエネルギーが消滅し、元のギターに戻った。

「やったのか……」

「ああ、バッチリだ」


ビートは変身を解除。

「あっ、戻った……」

「戦う意思がなくなれば自然に変身は解除される」

ボイスも変身解除。

「あんたも……人間?」

「当たり前だ。俺は歌川彰(うたがわ あきら)音楽の戦士、ボイスだ」

「その……音楽の戦士ってなんなの?」

「それに関してはこれから説明する。付いて来い」

「え?あっ、うん……」

茂は彰に言われるがまま付いて行く。


彰が案内したのはなんと先程の楽器屋。

「あれ?ここって……」

「こっちだ」

彰は奥に入って行く。

「あっ、ちょっと勝手に入って良いの?」

楽器屋の奥には隠し扉がありそこを開けると地下に続く階段があった。

彰はその階段を降りて行く。

茂もその後に付いて行く。

「ねぇ、この階段長くない?」

「黙ってついて来い」

そして下まで降りると……。

そこにはまた扉があった。

「我ら音楽の戦士!」

合言葉を言うとその扉は開いた。

そこには楽器屋の地下とは思えない広い空間が広がっていた。

「うわー……すっげ……なんだここ?」

茂は驚いて辺りを見回す。

壁一面には大量の本があり、どれも綺麗に本棚に収められていた。

どれも音楽に関する本ばかりだった。

「ここは、音楽の戦士達を纏める奏での戦士団の本部です」

螺旋階段から一人の女性が降りて来た。

「あっ、どうも……えっと……」

「私はミューズ。この奏での戦士団の纏め役と言った所でしょうか」

「ミューズさん、ノイズラーの討伐完了しました。そして彼が……」

「分かっています。新たな戦士ビートですね」

「俺の事知ってるのか?」

「一応管理者ですから」

「あの……音楽の戦士に奏での戦士団って?」

「まずはその質問に答えねばなりませんね」

そう言ってミューズは音楽の戦士と奏での戦士団についての説明を始めた。


奏での戦士団は異世界から襲ってくる音楽を消そうとする脅威、ノイズと戦う為に結成された音楽を愛する者達で、構成された戦士達の組織の事。

音楽の戦士はその奏での戦士団に所属する各々の戦士の事を指すと言う。


そして、音楽の戦士になれるのは不思議な楽器に選ばれた者のみだと言う。

茂は不思議なギター『ビートチェンジャー』に選ばれ、ビートとなった。


「俺達以外にも戦士はいるって事か?」

「ええ、音楽の戦士達は世界各地に散らばりノイズと戦っています」

「世界各地……そんなに……」

「さぁ、今日はもう遅いですからお帰りなさい。何かあればまた連絡します」

「連絡ってどうやって?」

するとミューズは茂にスマホを渡した。

「え?スマホ?」

「それは我々奏での戦士団が共通で持つ通信アイテムミュージフォンです。もしまたあなたの力が必要な時はこれで連絡します」

「そっか……分かった」


茂は帰された。


茂は家に帰り着く。

「ただいまー」

「お帰り、ご飯出来てるよ」

「うん……親父は?」

「今日は残業で遅くなるって」

「ふ〜ん……」

茂はそのまま部屋に入って行く。


今日は色々あって疲れた。

そう思いベッドに横たわる茂。


翌日、今日はバイトに出ている茂。

茂がバイトしているのはファミレス。

「おはようございまーす」

「おう、おはよう。音崎君、ちょっと来てくれ」

「ん?はーい……なんすか?」

「音崎君、来週の土曜日休暇願い出してたよね?」

「ああ、はい」

「その日は休暇大丈夫なんだけどさ、代わりに明日のシフト出てくれないか?」

「明日っすか?まぁ、大丈夫っすけど」

「ごめん助かるよー。藤崎さんがさ、昨日からお子さん熱出しちゃったみたいでさ、念の為明日休みたいんだって」

「ああ、そうなんすか、藤崎さんも大変っすね」

「うん、お子さん熱出したって言われちゃーね……ありがとう音崎君。来週の土曜日はライブ?」

「はい、今度のライブには俺らも気合い入ってるんです!」

「そっか、応援してるからね!」

「あざっす!」

茂のバイト先では良い信頼関係が構築出来ている様だ。

茂は今日もいつも通りバイトをこなす。


だが、その頃、再びノイズが動き出そうとしていた。

ノイズのボス、ベルアゼスがこの世界の様子を見ていた。

「ぐっ……この世界は音楽に溢れてる……不愉快だ!不愉快だ!!」

「ご安心下さいベルアゼウス様、こんな世界の音楽など、私のノイズラーで消し去ってご覧に入れます」

ノイズの幹部、ドレイクが進言する。

「期待しているぞ、ドレイク」

「ははっ!」

ドレイクが出撃。

そして、ノイズには後二人の幹部が……。

もう一人の男の幹部ゼレーバ。

そして紅一点の女幹部フリーゼが控えていた。


ドレイクが街に出現。

「この世界……ベルアゼウス様が気に入らんのも無理ないな……さっさと消すか」

ドレイクは近くで音楽の授業をしている小学校を襲った。

ドレイクはまず、ピアノを演奏していた先生を襲った。

生徒達は大パニック。

ドレイクは闇のエネルギーをグランドピアノ二注いだ。

すると、ピアノノイズラーが誕生。

子供たちを襲い始めた。

ノイズラーの出現を察知した奏での戦士団本部ではミューズがボイスを現場に向かわせ、茂にも連絡を入れる。


バイト中の茂はこっそりとミュージフォンを取り出し確認。

「クソッ……またアイツらか……」

「音崎君?どうした?」

店長が声を掛けて来た。

「店長、すみません!俺ちょっと急用が!」

茂は強行突破。

「あっ!おーい!音崎君ー!!」

「すみません!すぐ戻ります!!」

「あー……行っちゃったよ……」


襲われた小学校は茂のバイト先から割りと近かった。

「ここか……」

そして、彰も到着。

「音崎!」

「あっ、え〜っと……誰だっけ?」

「歌川彰だ!!」

「ああ、そっか。お前も来たんだ」

「ああ、行くぞ!」

「って、ビートチェンジャー持ってねぇぞ?」

「……呼べば来る」

「はぁ?」

「とにかくやってみろ!先行くぞ!」

彰は小学校に入って行った。

「呼べば来るって……よ、よーし!来い!ビートチェンジャー!!」

茂の呼ぶ声に反応して部屋に置かれていたビートチェンジャーは茂の元に飛んで行く。

「おっ!来た!そういう事か!」

茂はビートチェンジャーを手に取り『変身』。

ビートに変身した。

「よーし、行くぜ!!」

ビートも学校に乗り込む。


その頃、学校の中では教員達が子ども達を避難させていた。

しかし、子ども達や教員にピアノノイズラーが迫る。

そこを彰が助ける。

「大丈夫か?早く逃げて!」

「あなたは?」

「ただの通りすがりの正義の味方ですよ」

彰は教員と子ども達を避難させる。

「行くぞ!」

彰は『マイクチェンジャー』を取り出す。

「変身!」

マイクチェンジャーに向かって変身と言う事でボイスに変身出来る。

そこにビートが追い付く。

「おーい!おまたせ!」

「別に待ってないが……行くぜ!」

「オッケー!」

「さぁ、俺様の美声に酔いしれな」

「おおー!なんかカッコいい!んじゃあ、俺は……よし!」

何か閃いた様だ。

「勝利のビートを刻むぜ!」

ビートとボイスがピアノノイズラーに戦いを挑む。

ピアノノイズラーは楽譜を飛ばして来て二人を締め上げる。

「ぐあっ!?」

「ぐっ……楽譜に縛られるなんて……ミュージシャンとして情けねぇ……」

その隙にピアノノイズラーは逃走を計る。

「あっ!待て!」


いきなりピンチの二人を見ている新たな音楽の戦士が居た。

この戦士の正体とは?


続く……。

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