10話 義妹は置いておいて


 rising1の屋上にあるスポーツ施設に来ると、優梨と海里は目から火花を散らしながらテニスコートに入る。


 完全に蚊帳の外にされた俺と柑奈さんは、ポツンとテニスコートのネット前に佇んだ。


「生徒会長と海里、大丈夫かな?」


 柑奈さんは心配そうに見ているが、普段から海里と優梨の喧嘩を見慣れている俺にとっては日常茶飯事だ。

 柑奈さんも兄弟がいるならある程度理解できるはずだが。


「柑奈さんとカンタくんはこういう喧嘩とかしないの?」

「えっ? えーっとー」

「ん?」


 柑奈さんは罰が悪そうな顔をしながら目を逸らす。


 喧嘩、しないのかな?


 そんな兄弟はいないと思うが……。


「し、しますよ! 喧嘩! カンタってエロガキだから私の下着盗んだりするし!」

「か、カンタくんが!?」

「え、お兄さんはそういうことしないんですか?」

「するわけないでしょ!」

「へ、へー」


 兄妹の下着盗んで変なことするとか……カンタくん頭大丈夫か?


 今度の勉強会の時にキツく注意しておかないと。


 まぁ……年始に優梨で興奮した俺が言えた口ではないけどな。


「と、とにかく! お兄さん、このまま二人が喧嘩してるのを見てても暇ですし、何かしませんか?」

「それもそうだね。あいつらさっきから自分たちの世界入ってるもんなぁ」

「じゃあ卓球とかどうです? 私強いですよ?」

「ああ、やろっか」


 優梨と海里は放っておいても勝負してるし、柑奈さんを退屈にさせないためにもここはやることにしよう。


 あいつら……なんで勝負なんてしてるんだろうな。


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妹が"義妹"ってことを俺だけが知らない〜双子の美人姉妹は何も知らない兄を堕としたい〜 星野星野@電撃文庫より2月7日新作発売! @seiyahoshino

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