5話 ギャル二人とハーレム


 す、スノートップス……だ。


 陽キャの溜まり場、陽キャの巣窟。


 レジ上にあるモニターのメニューを見るだけで、チョコや生クリームがたっぷりな飲み物ばかりで糖尿病まっしぐらだ。


 これを世の中のJKは毎日ガブガブ飲んでるんだよな。


「じゃ、あたし先に注文してくるねー」

「私もー」


 スノートップスに慣れている二人はすぐに注文しに向かった。

 と、とりあえず……俺も行かないとな。


 特にこだわりとかないし、なんでもいいからこの季節限定のなんたらチョコフラペチーノでいいよな? それっぽいし。


「ご注文お決まりでしたらどうぞー」

「え、えっと、このチョコフラペチーノで」

「店内でよろしいでしょうか?」

「は、はい」

「フラペチーノのサイズはいかがなさいますか?」


 さ、サイズ……?

 一般的な量が俺には分からんのだが……。


「ふ、普通のやつ、で!」

「かしこまりました。少々お待ちください」


 注文を済ませた俺は、しばらく待ってフラペチーノを受け取ると、二人が座っているテーブルへ向かう。


 な、なんとか注文できた……。

 やっぱ陰キャにスノトはキツい。

 緊張から解放された俺は胸を撫で下ろす。


 ギャル二人は店前の大通りから丸見えの窓際の4人掛けのテーブルに座っており、海里と柑奈さんが向かい合って座っているため、俺はどちらかの隣に座らないといけない。 

 ま、まぁ、まだ慣れてないし、とりあえず海里の隣に座っておくか。


「おにいおかえりー」

「ただいま……」

「あっ、お兄さんはチョコフラペチーノにしたんですね?」

「う、うん」


 二人が注文した物を見ると、柑奈さんは焦茶色のフラペチーノで、上に何やらカラフルなトッピングがされており、海里も同じ物だが上のトッピングはチョコソースがたっぷりで生クリームの量も今にも飛び出そうなくらい多かった。


「うわ、なんだその生クリームの量」

「いやこれくらいのトッピングは普通っしょ? おにいってスノト初めて?」

「あ、当たり前だろ! 俺、陰キャなんだし」

「陰キャ自称するとかおにーさんおもしろー」


 ギャル二人に笑われる俺。

 悔しい……悔しいが、実際そうだからなぁ……。


「てかさ、せっかくだし写真とんね? SNSに上げたいし!」

「SNS……? なら二人で撮れよ。俺は嫌だからな」

「いいからいいから〜」


 隣に座る海里がギャっと俺の腕を抱き寄せると、スマホの内カメラで3人が入るように上手いこと写真を撮った。


「お、おい海里、俺の顔は隠してくれよ」

「えー? なに芸能人ぶってんのおにい〜」

「そうですよお兄さんっ! せっかくのギャルハーレムなんですから自慢していかないとー」

「ええ……」


 何がギャルハーレムだ。

 ただギャル妹と妹のギャル友達と一緒にいるだけであって、ほぼ俺は保護者みたいなものだし……。


 でも、不思議な感覚だった。

 こうして柑奈さんと一緒にいても、俺は拒否反応が起きない。


 高校にいる時は女子から話しかけられるだけでも心が沈んでしまって、ひどい時は悪寒がするくらい。

 本来ならそれくらい、女子に対して苦手意識があるはずなのに……。


「ん? どうしたんすかお兄さん? 私の顔に何かついてたりします?」

「えっ、いや、その……」

「もしかしたらおにい、柑奈のこといやらしい目で見てたんじゃね」

「え、マジすかお兄さん。うける」

「み、見てないから! 断じて見てない!」

「えー? 私としてはお兄さんからエロい目で見られたいんすけどー?」

「「えっ」」


 俺と海里の声が重なる。

 俺からエロい目って……それってつまり……。

 か、柑奈さんは俺のこと好きだったり……!


「ちょ、柑奈! 何言ってんの!」

「だって私、普段はからさ、海里もよく知ってるっしょ?」


 だ、男子より女子にモテる?


「あ、ああ、そゆことね。完全理解したわ」

「え、どういうことなんだ?」

「柑奈ってね、髪型もショートで顔もクソ整ってるじゃん? その上バレー部のエースだから王子様みたいに扱われてて、女子人気がヤバいの。あと胸がペチャいから男子興味ないみたいで」

「最後の要らねえじゃん! はいはいどーせ牛乳うしちちの海里にはかないませんよー」

「なんそれ! あたしのは牛みたいにダラーんってしてねえし! 超絶張りがあって大きい美乳だし! ね、おにい?」

「そんな話を大声且つ兄である俺に振るんじゃない」


 まぁ海里の胸がデカいのは間違いないな。

 それにしても、柑奈さんって女子にモテる系のギャルだったのか。

 確かにボーイッシュな雰囲気あるし、胸もそれほど無いから男子だと思われそうな感じはあるな。


 そっか、俺にエロい目で見られたいってのは、男子からエロい目で見られたいってことだったのか……ま、まぁ、そうだよな。俺みたいな陰キャが好きになる物好きはいないだろうし。

 唯一できた彼女すら、お遊びだったんだもんな……。


「てか柑奈ー、お出かけする話はしてたけど、あたしら全然コース決めてなかったよね?」

「あ、そういえばどこに行くとかは決めてなかったわ。いつも成り行きで遊んでるからさ」


 俺もそれは気になっていた。

 柑奈さんから誘われて遊ぶことにはなっていたが、その内容については全く話が振られなかったし、俺も積極的に問いかけたりしなかった。


「うーん、お兄さんは行きたいところとかないですか?」

「お、俺?」


 俺が行きたいところなんて、アニメショップかカードゲームショップの2択だし、ギャル二人は興味ないと思うんだよな。

 かと言ってカラオケとかボウリングってのもありきたりな感じするし。

 ……だとしたら。


「じゃあ、ここに行くのはどうかな?」


 俺はスマホでとある場所を調べると、二人に見せた。



———————

ギャルハーレム好きぃ

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