10話 次回、柑奈死す(デュエルスタンバイ!)


 海里と生徒会長に呼ばれたウチは、否応なく屋上へと連れ出された。


 新学期初日からなんなんまじ。


 海里と生徒会長は屋上の入り口を閉めると、金網までウチを追い込んだ。


 な、なんつー怖い顔……。


 二人が怒ってる理由、分かんねー。


 あるとすれば冬休み前の買い食いで、海里に借りた2千円返してなかったことと、借りてたコスメ返してないことくらい。

 生徒会長にいたってはウチと話すことほぼなかったし……。


「あーし、なんかやっちゃったん?」

「惚けないで金川さん」


 と、惚けてはないんだけど……。


 さっきから生徒会長の目、怖いんよねー。


「あ、そっか!」

「やっと状況を察してくれたかしら」

「もしかして生徒会長も今度のお出かけに行きたいとか? ね、そういうことだよね海里!」


 二人の目がさらに鋭くなる。


「……柑奈、あたしは柑奈がおにいのことをどう思ってるのか知りたいだけ」

「は?」


 ウチがお兄さんのことをどう思っているか?


 あぁ……そゆことね。

 ウチは全てを悟った。


 このブラコン姉妹のことだ、きっとお兄さんがウチに奪われるんじゃないかとか思ってんじゃないの?


 確かにお兄さんのことは優しくていい人だとは思ってっけど、友達のお兄さんとは流石のウチもちょっとねー。


 でもそっか二人は兄妹だけどお兄さん大好きなんだもんなぁ……。


 なんか面白そうだからここは——


「いやぁ〜ウチもさ、お兄さんのこと良さげだと思っててー」


 なーんて……ね?

 二人の手がウチの背後にある金網にかかり、二人に壁ドンされる形になる。


「「最後の言葉はそれでいい?」」


「……へ?」


 二人の目にハイライトが消えて、ウチの身体はゾクっとする。


 あ、やっべ……間違いなく地雷踏んだわウチ。

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