6章 三角デートに彩りを

1話 冬休みが明けた。


 やけに長く感じた2週間の冬休みが明けて、ついに新学期が始まった。


 冬休み中は海里に勉強を教えたり、妹たちとクリスマス行ったり、海里に勉強を教えたり、初詣で優梨と……おっと、これはもう忘れよう。


「優梨のアレは置いておいて、冬休みはいつも海里の面倒を見ていたような……」


 あの正月の時に優梨に興奮してしまったことがバレた俺は、海里にだけには兄としての威厳を保とうと頑張ってきた。


 そりゃ、二人は美人で発育の良い中学生だが、妹である以上、ふしだらな思考を持ってはいけない。

 というか中学生に興奮してしまったことは、この冬休みで1番の反省点だ。


 もう2度と……あんなことは、しない。


 そう引き締めながら俺は高校の門をくぐった。


 久しぶりの高校だったが、午前中の始業式だけで終わるから楽だった。

 高校が終わるとすぐに、俺は一人で帰り道を歩く。


 週末は海里や柑奈さんと出掛けるわけだし、少しはオシャレとかすべきなのだろうか。


「……まぁ、いつも通りでいいか」


 別に俺は柑奈さんとデートをするわけではないし、好かれたいとか思っているわけでもないし。


 柑奈さんは俺の女性恐怖症を治すためにわざわざ協力してくれてる。


 俺はその期待に応えたいだけなんだ……。


 俺は街の一角にあるオシャレな店々を横目に自宅に向かって歩き出す。


 そう、歩き出したその時だった。


「……ん? あれは」


 女性もののブティックから出てきた妹の海里と……カンタくんに瓜二つの女子。


 もしかしてあれが、柑奈、さん!?

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